97年５月21日〜31日

『龍の伝説』第２部の原稿の書き足しとまとめが終了。ニフティサーブのバイナリーメールで編集者に送る。目が疲れているので、見落としがあるんじゃないかと、ちと心配。
『マンガ一太郎８入門』につける架空の商社の社史も作りあげる。こういうのになると悪ノリする悪いクセがあって、本には載らないところまで作ってしまった。
　ミステリーのほうも再開しないといけないが、今日、また著作の増刷通知が２冊分届いたため、ちと気がゆるむ。小説に専念したいが、家族と住宅ローンを抱える身では、なかなかそうもいかない。増刷になる本は小説以外の本ばかり。まだ当分は二足のワラジだな。

　プールで水泳800メートル＋ウォーキング400メートル。泳いだ当日よりも翌日がつらい。
　深夜、テレビで松本清張原作の映画『天城越え』を見る。原作を読んだのは25年以上も前なので、原作の内容はほとんど覚えていない。松本清張作品の映画といえば、小学生のときに見た『波の塔』のラストシーンをやけに鮮明に覚えているんだけど、テレビで放映されたときに見たら、前半のシーンはまるで覚えていなかった。こちらの原作を読んだのも25年くらい前。富士山麓の青木ヶ原樹海を自殺の名所にした作品ともされている。青木ヶ原樹海では年に一回くらい、地元の警察や消防団が樹海に分け入って自殺死体を捜しているけど、死体は動物に食い散らかされたりしていて、とてもロマンチックではありません。『失楽園』の心中方法も、発見されたときのことを考えると、とてもロマンチックとはいえないなぁ。

　痛む筋肉をほぐすためプールで600メートルほど流して泳ぐ。帰宅後、ミステリーの原稿に手を入れながらＦ１スペインＧＰ、ＣＡＲＴセントルイスの情報を追跡。今週は、この２レースにインディ５００も加わってテンヤワンヤ。

　スポーツクラブは平日会員のため、週末はお休み。ファミリーレストランに出かけＷＺエディターのアウトライン機能を使ってミステリーの構成の入れ替えをする。フィクションのつもりで書いていたストーリーだったが、現実が追いついてきて、そのたびに書き直し。原稿を渡して本になる間にも事態に変化が起きるレアな素材を扱っているのがいけないのか。昨日もＴＢＳがデジタル衛星放送でニュース専門チャンネルを開始という記事が新聞に載り、アジャジャとなって原稿を書き直したばかり。主人公は「日本初の24時間ニュース専門チャンネル」のリポーターという設定なんだもん。
　日本テレビ、テレビ朝日、日経などがＣＳでニュース専門チャンネルを持っているが、同じ放送の繰り返しや地上波の再放送が中心で、深夜になると通販チャンネルと化す。視聴率の関係もあるのだろうが、片手間にやっているという感は拭えない。そこにテレビ朝日株を手放したＪスカイＢに、フジテレビがソニーと共に資本参加するとの発表があったと思ったら、フジテレビは、あっというまに自社で放映権を持っているフォーミュラ・ニッポンを、ルパート・マードック氏のニューズ・コーポレーションが所有する世界のテレビメディアを使って全世界83カ国で放映すると発表。欧米でＦ１を含むスポーツの放映権を買いあさるニューズ・コーポレーションだが、日本での衛星放送の放映権も持つフジテレビとＪスカイＢのドッキングで、日本でもＪスカイＢ経由でＦ１のナマ中継もあるのではなかろうか。
　そのＦ１の予選をフジテレビで見た（ジャック・ビルヌーブがお見事ポール！）後、眠気をこらえて日曜朝７時からのスポーツｉ・ＥＳＰＮでのＣＡＲＴレースの放送を待っていたら、別の番組に変更に。ガックリきてフテ寝。

　今週、スポーツクラブでFAT測定（体脂肪とかを計るらしい）があるので、大泉のオズまでトレーニングウェアを買いにいく。最近はカタチから入らないといけないらしく、父の日のプレゼント用として展示されていたスポーツウェアもハデなものばかり。ナイキとかデサントとかアディダスとかのロゴが入っているウェアって、なんとなく恥ずかしい気もするんだけど、そんなのしか売ってない。安売りショップにすればよかったかなと思ったけど、どうせ商品券で買うんだから、まあいいか。
　帰宅後、フジテレビのＦ１スペインＧＰのテレビ中継が始まる前に、ニフティサーブに結果の速報。スペインＧＰの放映時間内にスタートするはずのテレビ朝日のインディ５００生中継は、プロ野球中継のあおりを受けて放映開始時刻が遅れている。コンピュサーブのモータースポーツ・フォーラムで現地の状況をチェックすると、あちらは雨でスタートディレイとのこと。これなら最後までＦ１をテレビで見ていられるわい、とテレビの前にドッカリ。ところがＦ１の中継が終わってもインディ５００はスタートせず。現地では先週、日本人初のドラッグレース・ナショナルイベントで優勝した岡崎健滋選手、今年はインディ５００参戦を逃した松田秀士選手とアナウンサーを交えての座談会状態。これが朝５時近くまで続き、結局レースは明日に延期。テレビ朝日では中継枠がないせいか、今年のインディ５００の生放送はなし。長年インディ５００を生中継してきたＴＢＳが、スター選手のいなくなったインディ５００を見限ったのか、放映権を手放し、今年からテレ朝が中継することになったのだが、そのスタートからつまづくことになった。でも、岡崎、松田両選手の話は面白かったですけれど。
　インディ５００がどんなレースかを知るには拙著『灼熱の走路』をどうぞ。松田選手にもいろいろご教示いただいたレース小説です。といっても、もう絶版になってるらしいので、古本屋でないと入手できないかも。
　４時間近くも続いた「朝までインディ５００生座談会」を耳で聞きながら、昨日届いた『覇者の戦塵１９４２・撃滅北太平洋航空線（下）』（谷甲州／中央公論社・Ｃノベルス／800円＋税）を読む。架空戦記の中では、シリーズ全巻を読んでいる唯一の作品だけど、うおおお……、北太平洋波高しの状態になってきたら、ストーリーもテンポが速まり、急展開の様相を見せてきた。いいところで引きを作って焦らすなんて、ずるい。

　ニフティサーブの「コミックフォーラム懐古館（FCOMICO）」の1960年代のマンガ会議室で、懐かしのマンガの話題が出ると、ついコメントしてしまう。そういえば７年ほど前にニフティサーブの「本と雑誌フォーラム」に連載した『ぼくのマンガ青春期』という拙文があったのを思い出したので、このホームページにコピーしておきます。
　し、しかし……インディ５００は、また雨で明日に延期。1986年以来だな、こんなに延期になったのは。

　有楽町のマリオンに出かけ、朝日新聞広告ページのためのインタビューを受ける。31日の朝刊に載るそうですので、購読している方はご覧になってください。「新聞や雑誌に載るときは、いつもきれいなカッコばかりしてるけど、たまには真の姿を見せろ」と、うるさく言う友人もおりますが、今日もスーツでした(^_^;)。
　帰途、銀座旭屋書店で『漆の実のみのる国』（藤沢周平／文藝春秋）、『空のよもやま話』（わちさんぺい／光人社文庫）、『週刊アスキー』などを購入。地下鉄有楽町線の車内で『週刊アスキー』を開くが、あまり読むところがない。練馬駅に着くと夕立で土砂降り。傘を持っていなかったので、雨に濡れずにタクシーを待つことができる石神井公園駅で下車するも、タクシー乗り場は長蛇の列。喫茶店に飛び込んで雨宿りしながら『空のよもやま話』を読了。昔、親本を読んだはずだが、内容を忘れていたせいで、すっかり読んでしまう。飛行機好きの少年が陸軍航空隊の飛行機の整備をするようになり……という半自叙伝だが、添えられている筆者のイラストも最高。デフォルメされているのに、一目で機種もわかるし、何よりも飛行機への愛情がにじみ出ているイラストだ。
　雨が小降りになってからタクシーを待つ人の列に並び、３０分以上待って何とか帰宅。届いていた『龍の伝説』第２部「飛翔編」のゲラに赤入れを開始。
　再延期されたインディ５００は、ルイエンダイクが二度目の優勝。この人がインディアナポリス市内で共同経営しているモータースポーツ・ギャラリーという店で、インディカーを描いたリトグラフを購入したとき、オマケにルイエンダイクのゴルフキャップをもらったのを思い出す。

　スポーツクラブでＦＡＴ測定。要するに体力測定のことだ。お腹がたるみ、腰痛にも耐えられなくなって、もう30年ほどろくに運動したこともないくせに、意を決してクラブに入会したのだが、体重、体脂肪率、筋力、体力などは、いずれも標準より良好。ときにシェイプアップの必要もないそうな。ちょっと期待はずれ（？）。はじめてエアロバイクを漕いだけど、疲れますね、あれは。この検査のおかげで『週刊小説』の原稿を遅らせてしまったので、水泳は300メートルだけでおしまいにして帰宅。さっそく原稿を書いて送信後、『龍の伝説』のゲラチェックの続き。水泳でダッシュしたせいか、肩と腕が痛い。

　赤坂の土佐料理の店で会食。カツオ料理がメイン。話に熱中してカツオをしっかり味わうのを忘れた。六本木、高円寺を経由して深夜に帰宅。朝までゲラチェック。

　明け方に寝たというのに午前中から電話がジャンジャン。家族が留守で、そのたびに飛び起き、睡眠不足で終日ボンヤリ。おかげで水泳に行く元気も起きず。それでいて「朝まで生テレビ」を見てしまうんだから、困ったものだ。
『モノマガジン』最新号に『ゲームセンターあらし』がドカンと出ています。ここでも作者は「マンガ家を廃業」したことになっていた。

　ロッテリアに出かけて必死に『龍の伝説』第２部のゲラ校正。最近、目の調子が悪くて見落としが多いので、帰宅後、心のなかで音読しながら再度見直し。結局、朝までかかってしまう。
（締切と諸般の事情により、少し更新頻度が落ちるかもしれません）

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