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1997年5月中旬の日記
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97年5月11日〜20日
5月11日
パソコン通信仲間の結婚式で目黒の八芳園へ。一緒に出席する高齋正さんにアッシーしてもらう。夕方に帰宅後、深夜からF1モナコGP、CART第5戦の決勝レースをテレビ観戦。片山右京選手が10位完走。CARTレースは、明日のテレビ解説に備えてメモを取りながらの観戦。英語のアナウンスに耳の神経を集中していたら疲れた。
5月12日
起き抜けから「スポーツi・ESPN」のCART第5戦の録画中継のための資料作り。午後8時から青山にある同局のスタジオで録画放送にナマで音入れ。2時間しゃべりっぱなしで喉が痛くなりそうなので、喉のクスリを持参する。次回は第7戦ミルウォーキーを担当。
5月13日
プールに行って水泳600メートル+水中ウォーキング400メートル。帰宅後、『龍の伝説』第2部の原稿書き足し。ミステリーの原稿の再構成も開始。こちらは原稿を書くのをモタモタしているうちに現実が小説を追い越してしまったため、再構成を強いられるハメに。最新の情報を盛り込むと、どうしてもこんなことが起こりがち。編集者は、どこかで資料や取材にケリをつけて、とにかく書き上げるようにとアドバイスしてくれているのだが、本が出たときに中身の情報が腐っていたのでは、お話にならないしね。
午後10時半からテレビ東京で中国の電力事情を紹介する番組を見る。石炭火力発電所は、集塵装置こそついているものの、脱硫装置はなく、煙突を高くして、窒素成分を空中に拡散しているらしい。中国では経済成長が優先で公害対策は緒についたばかり。日本も通ってきた道だ。
5月14日
『週刊小説』連載コラムを書き上げてFAXモデムで送信。その後、買ってあった『キレて疾れ! 片山右京を追ったF1GP日記』(西山平夫・著/双葉社/1300円+税)を読む。これがめっぽう面白くて一気読み。ディケンズという走らないF3で悪戦苦闘していた時代の話も出ていて、懐かしさを覚える。その頃、フランスF3に挑戦した右京選手を心理的に応援しようと、名前が似ているからと小松左京さんを会長に引っぱり出して「右京サポートクラブ」なるものが結成したこともあったっけ。
5月15日
新橋のホテルに出向き、エネルギー関連の雑誌からの依頼で高齋正さんと未来の交通機関についての対談。ふだんから顔を合わせるたびに話していることばかりなので、いざテープが回り、速記者もついての対談となると、何を話していいのか……ちょっと戸惑う。対談終了後、別件で別のホテルのバーで待ち合わせ。銀座のクラブに流れて帰宅は深夜。
5月16日
『週刊小説』のイラストを描いてFAXで送信後、『龍の伝説』第2部の書き足しを続ける。夜になってスポーツクラブに水泳をしに出かけたら、残念なことに休み。書店に寄って『鉄道員(ぽっぽや)』(浅田次郎・著/集英社/1,500円+税)を購入する。短編集で半分ほどは雑誌掲載時に読んでいたが、再読した作品でも再び鼻の奥がツ〜ン。これぞまさしく“平成の人情噺集”! どれもいい作品なんだけど、とくにいいのが『鉄道員』『ラブレター』『角筈にて』『オリヲン座からの招待状』の四篇。『蒼穹の昴』という傑作小説で直木賞を逃している浅田さんだが、この作品集でぜひ受賞してほしい。
5月17日
しこしこと『龍の伝説』第2部の原稿を続ける。
深夜、インディ500予選第3日目をコンピュサーブで追跡するが、日本から参加の松田秀士選手は走る気配がない。インディ500の予選を追いながらTBSテレビの深夜映画で『フロントライン』(ビリー・ワイルダー監督、ジャック・レモン主演)を見る。舞台は1920年代のシカゴ。司法記者クラブに詰める新聞記者のスクープ合戦をコミカルに描いたもの。オチも見えすいていたが、古き良きアメリカ映画で楽しめた。そのままNHK衛星第一放送でタイガー・ウッズのゴルフを見てしまう。でも、最終18ホールを残して時間切れなんてズルイ。
5月18日
『龍の伝説』の原稿を修正しながらフォーミュラ・ニッポン第2戦の結果を待つ。なかなか結果が入らないと思っていたら、事故があったうえに、トップで優勝したフォンタナが1周減算のペナルティになり、デ・ラ・ロサが2連勝。深夜にフジテレビで確認したけど、どこでペナルティになったのかは、よくわからなかった。
そのまま朝まで原稿を修正しながらコンピュサーブとインターネットでインディ500の最終予選を追跡。しかし松田秀士選手が走る気配がない。インディ500の情報を追いながら、NHK衛星第1放送でPGAツアーのナマ中継を最後まで見てしまう。やっぱりタイガー・ウッズってすごい若者ですね。
インディ500の終了時間、午前8時まで待つが、ついに松田選手は走らず、ふて寝する。
5月19日
午後2時に起床してゲーム雑誌の取材を受ける。懐かしのゲームと『ゲームセンターあらし』について。その取材の直前に、別のゲーム雑誌からも『ゲームセンターあらし』と他のゲームを題材にした漫画について語ってほしいという依頼の電話が入る。最近、こんな取材依頼ばかり。こちらは日程が合わずに断る。過去の作品のことを取り上げてくれるのは嬉しいが、先のことしか考えない性格(「振り返らない」「反省しない」「後悔しない」の3ナイ主義のいい加減な性格)だし、過去の作品だけ取り上げられてばかりというのも、ちょっとシャクな話でもある。一曲だけのヒットで消えた歌手みたいだしね。そんなイメージを払拭するには新しい仕事をちゃんとやるしかないのではありますが。
夕方、会合に出かけようと思ったら、アメリカのドラッグレースで、岡崎健滋選手が日本人としてナショナルクラスで初優勝の報が入る。コンピュサーブで詳細を調べ、ニフティサーブにニュースを掲載。その後で、高円寺で行われた会合に出席。豊田有恒、高齋正、磐紀一郎さんたちも一緒。その店に偶然、漫画家のとり・みきさんもやってきて、居並ぶメンバーを見てビックリ。
二次会もそこそこに帰宅して、朝まで原稿。
5月20日
今日は電話とFAXが多い。夕方まで電話とFAXの応対に追われて原稿が進まない。それでも午後6時から8時まで集中して『龍の伝説』第2部の原稿を書き、プールへ。800メートルまで距離を伸ばしたら、また筋肉痛。帰宅後、朝まで原稿の続き。ほぼ目途がついたのでプリントアウト。これでまたプリント用紙が真っ赤になるのは間違いない。