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1996年9月の日記
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- 96年9月1日〜10日
- 9月1日
(8/31)1月から連載された「日経」のショートエッセイ「パソコンワールドを歩く」も今日で最終回。イラストにホームページのURLと電子メールのアドレスを入れたら、メールが続々……。ニフティサーブにアクセスするたびにメールが届いていてアクセスに追われる。
(9/01)今日も日経の読者の方々からメールが届き、返事を書くのに追われる。夕刻、近くのファミリーレストランで『F1速報』の編集長、担当編集者と『龍の伝説』第1巻のゲラの読み合わせ。
- 9月2日
日経の読者からのメールはまだ続いている。こんなに電子メールで反響があるとは思わなかった。遠いところではインドネシアのジャカルタからも。衛星版の日経を読んでメールをくださったのだそうだ。ありがたいことだ。
3年前に買った486/33MHzのWindows3.1パソコンで原稿を書いていたのだが、縦書きで原稿が書けるということで買ったWZエディターが、変換、スクロール、画面の書き換えなどが遅く(縦書きのみ)、指のスピードについてこれずに誤変換のミスが重なるため、ついに意を決して新しいパソコンを買うことに決め、新宿のヨドバシカメラで富士通のFMV-5166DPTを購入。モニターはソニーの17インチ。モニターがセットになったものの方がプレインストールのソフトもたくさん入っていてお得なのだが、モニターだけは少々高くても目に優しいものにしたくて、このような選択になる。ついでにオリンパスのMOドライブも購入。
明日、漫画家仲間の、ながいのりあきさんに頼まれていたデザイン学校の漫画科での臨時講師を延期してもらうことにする。お通夜が入ってしまったため。
- 9月3日
午後1時、六本木の全日空ホテルで、11月の「NASCAR鈴鹿サンダー100レース」に出場予定の日本人ドライバー4名にNASCARからライセンスが授与される。その授与式のイベントに参加。その帰途、新宿でアスキーの編集者と会い、『サラリーマンのためのパソコン入門講座〈殺人篇〉』の出版契約書を交わす。徹夜状態で帰りの電車の中で寝込む。体調が悪いのでお通夜もパスさせてもらい、家で座椅子にもたれて眠りこける。
- 9月4日
朝から三鷹の葬祭場でおこなわれた葬儀に参列。火葬場、初七日をすませ午後4時頃帰宅。サスペンスの構成をやり直しながら早めに寝る。
- 9月5日
朝6時半に起きて上越新幹線で新潟へ。日経主催の「日経インターネットアワード」の自治体部門の表彰式で開かれるパネルディスカッションに出席するため。久しぶりに公文俊平先生(今回の審査委員長)にお会いする。レセプションの後、近くのダイエーにある書店に行くが、目的の地元の郷土史などの本はなし。ゲームセンターで女子高校生がシールになる写真を作るマシンの前に行列を作っている。ルーズソックスが東京以上に過激だ。女子高校生たちの生足は栄養豊富なため、ルーズソックスを黒く塗ったらほとんど鉄腕アトムのブーツ。そう思いません?
イベントの裏方を担当してくださった方々の打ち上げにまぎれ込んでお酒をごちそうになり、ホテルに帰ったとたんにバタンキュー。このところ連日早起きしているため、寝るのも早い。
- 9月6日
6時半に起きてデジタル携帯電話で一通り通信したあと、朝食をとって新潟駅へ。駅ビル地下の書店で郷土史の本や幕末に長岡藩で活躍した河井継之介の生涯をつづった『小説河井継之介』(童門冬二/東洋経済)などを購入してMAXあさひ号に乗り込む。車中でノートパソコンを使って仕事をしようと思ったが、隣にも乗客がいたので小説を読みながら帰京。
東京駅から吉祥寺に出て、遅い昼食をとったあと帰宅。パソコンが届いていたためセットアップにかかる。必要なソフトはWindows3.1パソコンからRS-232Cケーブルで転送したが、ページメーカーのイラスト入り原稿まで転送してしまったため、時間がかかることかかること……。1つで9メガバイトもある原稿が30本以上もあったせい……。せっかく早寝早起きになっていたのに、このセットアップでまた徹夜。
- 9月7日
ファイル転送をしたまま寝てしまい、昼前に起きてから再びセットアップ。ようやくエディター、通信ソフトが使えるようになる。
夕刻、漫画家のながいのりあきさんの郷里、隠岐から、新鮮なタイとアワビが届く。高齋正さんのお宅にお裾分け。夜はF1イタリアGPの予選を追いながらパソコンのセットアップとファイル整理の続き。
- 9月8日
昼前に起き、ニフティサーブにアクセスすると、インターネット経由で、『ファミコン通信』でおなじみの漫画家・餅月あんこさんからメールが届いていた。『ファミ通』の新人賞でデビューしたとき以来、一家揃ってファンになり、初の単行本が出たときには、家族揃って書店に買いにいった。『ファミ通』の取材を受けたときにそんな話をしたら、その話がご当人に伝わって、インターネットを始めたのを機会にメールを送ってくれたらしい。僕は、漫画の中にしきりに出てくる地名に心当たりがあったので、清水市の出身ですか? と尋ねてみたら、これが半分正解。ご両親が清水市の出身だそうな。うちの母も清水の山奥生まれで、餅月さんのお母さんの実家に近くなのでありました。餅月さんの漫画には、『ちびまる子ちゃん』と同じ清水市ながら、もっと山の中の地名がときどき出てくるのです。『ちびまる子ちゃん』の舞台は市街地で、追分羊羹が有名なところ。
仕事部屋に入ると、フランスから、昨年同様にフランスの雑誌の特派記者として鈴鹿のF1日本GPに行ってくれないかという要請のFAXが入っている。今年は小説の締切りで地獄になりそうなため、断りのFAXを送信する。Windows95についていたマイクロソフトFAXを使ったのだが、うまく送れただろうか?
まだパソコンのセットアップが終わらない。Windows3.1での仕事の環境をWindows95で再現しようとすると、けっこう手間がかかる。F1イタリアGPはシューマッハーが優勝。ヒル、ビルヌーブ共にノーポイントで、チャンピオン争いはポルトガル以降に持ち越されることになった。
あ、全日本ツーリングカー選手権の結果をコンピュサーブとホームページに入れてないのに、いま気がついた。少し寝てから送ることにしよう。
- 9月9日
さすがペンティアム166MHz。WZエディターの縦書きもスイスイと画面がスクロールし、『F1速報』連載の『龍の伝説』の原稿も快調に進む。
高齋正さんの著書『疾風ドライバー』(有楽出版社・発行/実業之日本社・発売)が届く。日本人のスーパーF1ドライバーの物語。小説の中で僕の『龍の伝説』のPRまでしてくださっている(^_^;)。このような本がたくさん出てレース小説がジャンルとして確立するまでになればいいのだが……そのためにはレースの人気が盛り上がらないとダメか。
- 9月10日
『OLTJ』連載のエッセイ『ただいまアクセス中』の原稿を送信し、『龍の伝説』の原稿のをコピーしたノートパソコンを持って渋谷へ移動。喫茶店で原稿を書き終え、午後8時からデザイン学校のマンガ科で臨時講師をつとめる。プロのマンガ家になるための心構えなどを偉そうに話す。夜間のクラスで昼間は働いている人たちがほとんどのためか、生徒たちは前向きで明るい人ばかり。講義のあとは渋谷の居酒屋で20人ほどの生徒が参加しての宴会。これが楽しみで受講している人も多いらしい。そこでマンガのネームを見せられ、批評などする。男子生徒の作品は、なまじアシスタント経験などがないせいか、絵も個性的で面白い。ただ思い入れが勝ってしまっていて、マンガの基本的な約束事が忘れられているのが惜しい。そのあとは高円寺のスナックに移動して、ついてきた5人ほどの生徒と歓談。そこでも女子生徒の描きかけの原稿を見せられるが、絵はプロはだしなのに、こちらもちょっとした約束事が忘れられているために、読者への訴求力が弱まっている。僕は高校生の頃から東京にきては、石ノ森章太郎、松本零士、久松文雄先生らに原稿を見てもらっていた。そのときに原稿の上に鉛筆で、「こうするといいよ」と構図の取り方、駒割りのしかたなどを指摘してもらったが、その内容はいまでもしっかりと覚えている。ちょっとした工夫で、止まっている絵が動いて見えるといったことなどだが、このような「マンガの文法」が忘れ去られているのではなかろうか……。
- 96年9月11日〜20日
- 9月11日
コンピュサーブ・ジャパン・フォーラムのSysOp、ケン・ラブさんが、「おまえの名前が出ていたから……」とハワイから送ってくれた『Dreamland Japan MANGA』という本を読む。現在の日本のマンガ状況を「コロコロコミック」から「ヤンママ・コミック」やパチンコマンガまで含めて紹介した本。これだけ日本のマンガの現状を公平に見渡した本は日本にもないのではなかろうか……。
- 9月12日
朝起きて、『F1速報』の編集長から単行本に載せる写真を送れというメール。そのメールを読んで『龍の伝説』の連載分の原稿をノートパソコンの通信ソフトAvalonにセットしたまま送ってなかったことを思い出し、あわてて送信。
『週刊小説』連載コラム『パソコン言葉ちんぷんかんぷん』の原稿をあげる。Windows3.1で使っていた「まいと〜くWin」がWindows95ではうまく動かない。Windows95対応版を買わないとダメかな? マクロソフトFAXは送信前のプレビューが見られないのでちょっと不安なため、ニフティサーブのFAXで送信する。
- 9月13日
『週刊小説』に『パソコン言葉ちんぷんかんぷん』のイラストをマイクロソフトFAX経由で送ってみる。無事ついたようで、ほっと一安心。イラストはPC Paint Brashで描いたものをPageMakerに貼りつけ、そこにネームを打ち込んで、FAXモデム経由で送信している。イラストを描くために買ったWACOMのタブレットはWindows95でも快適に動いている。PC Paint Brashの動きもペンティアムになってからはスイスイ。
夕方からカミサンと連れ立って「東アジアまんがサミット」のレセプションに参加。里中満智子、いがらしゆみこ、美内すずえ、永井豪、一峰大二さんらと歓談。永井さんは、竹宮恵子さんの漫画文庫の解説の中に、僕たちがやっていた同人誌のことを書いたとか。どの漫画だろう?
- 9月14日
終日、家にこもって小説のストーリー作り。エディターのアウトライン・プロセッサー機能を使って構成を作ろうとするが、ソフトの設定のほうに時間がかかってしまう。
- 9月15日
見本が届いた『サラリーマンのためのパソコン入門講座〈殺人篇〉』に校正漏れがいくつも見つかり、クスン。ゲラのときに赤を入れすぎたせいかなあ……。
- 9月16日
終日、新作小説のためにパソコンに向かう。
- 9月17日
終日、新作小説のためにパソコンに向かう。
- 9月18日
「OLTJ」のイラストを描く。タブレットでイラストを描いてみたが、486/33MHzのマシンに比べると快適、快適。夜、ニフティサーブのオートレーシング・ファン・フォーラム(FMOTOR4F)で、熊本から富士スピードウェイにレースを見に行きたいという会員から、交通経路についての質問があり、それに答えるため書店に大型時刻表を買いに出かけ、あれこれ経路をチェックしているうちに夜が明ける。こういう性格だからトラベルミステリーをいくら読んでも飽きないんだな(^_^;)。『サラリーマンのためのパソコン講座〈殺人篇〉』にも時刻表トリックめいたものが入っております。
- 9月19日
朝いちど起きるも目の調子が悪く、夕方から再び寝てしまう。夜9時に起きたが、相変わらず目が不調でパソコンに向かうのがシンドイ。霞む目でテレビドラマ『コーチ』の最終回を見る。
- 9月20日
新作のストーリーが煮詰まっているため、つい早起きしてしまうが、やはり目が不調。昼前に少しウツラウツラと船を漕いでいると、こんなときに限って無用のセールス電話がジャーン! 不動産やら家庭教師やらは間にあってるぞ〜! 今日は江戸川乱歩賞の授賞式だがF1ポルトガルGPがあるため欠席。
- 96年9月21日〜31日
- 9月21日
中学三年生のときのクラス会に出席するため新幹線で郷里の富士市へ。恩師と会うのは31年ぶり。3次会まで楽しい時を過ごす。
- 9月22日
新富士駅に定時の9時57分に到着したこだまに乗るが、発車直後に台風による強風のため列車は停止。そのままそこで4時間以上ストップ。その後なんとか熱海まで行くが、今度は小田原付近で倒木、ビニールハウスの鉄骨が線路をふさいだため、ここでまた4時間ほど停止。こだまは8時間40分遅れで東京駅に到着。計10時間車内に閉じ込められていたことになる。レース取材のときにサーキットのミニFM放送を聞くためのポケットラジオを持っていたので、オリックス・日本ハム戦も聞けたし、大相撲千秋楽も聞け、台風情報も把握できていたので、あまり退屈はせず。同じくレース取材用の耳栓もあったので、寝るときに役立った。途中、デジタル携帯電話とノートパソコンでニフティサーブやコンピュサーブにも接続。パソコンのバッテリーがなくなると、洗面所で充電しては使いまわしておりました。
帰宅後はF1ポルトガルGP。ジャック・ビルヌーブが勝ってチャンピオン争いは鈴鹿へ。
- 9月23日
昨日の疲れが出て寝たり起きたり。仕事もしないといけないのに……。
- 9月24日
午後3時から「ネットワーカーズ・ジャパン'96」の実行委員会。終了後、銀座のビアホールで他の委員2名とビールを飲む。午後7時前に日経本社に出かけ、生活家庭部の部長、担当記者と共に銀座に戻り、郷土料理のお店で8月一杯で連載が終了した『パソコンワールドを歩く』の打ち上げ。午後11時、ハイヤーで帰宅。
- 9月25日
目が不調で仕事が進まず。夜中になってやっと『週刊小説』のコラムを上げる。
- 9月26日
喫茶店に仕事をしに出かけるが、目が不調で集中力が薄れ、結局、書店で買った本を読むだけ。
- 9月27日
『週刊小説』にイラストを描いて送る。
- 9月28日
西武池袋沿線の書店巡り。練馬から中野の書店に行こうとタクシーに乗ると、なんと偶然にも途中のファミレスの店内に高齋正さんと磐紀一郎さんがいるのを発見。あわててタクシーを飛び降りてファミレスの窓ガラスをノックすると、お二人ともビックリ。こんな偶然もあるんだなあ。
- 9月29日
風邪で熱を出し、藤子・F・不二雄先生の葬儀に行くのを断念。『龍の伝説』第2部の第16回にかかる。
- 9月30日
風邪で体調不良。『龍の伝説』も不調。終日、家でゴロゴロ。
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