#60 スポンサーの申し出を受ける


 社長は、キミのためにチームを結成してくれた。それも、いきなりF3だ。
 Tカーまであるチームだった。
「ぼくの腕もわからないのに、いいんですか?」
 あまりの厚遇に、キミはかえって不安になった。
「かまうことないのよ」
 社長の口調が変わった。「スピードに命を賭ける青年……。考えただけでも、ゾクゾクっとするわ」
 社長は、身体をくねらせて、キミにすり寄ってきた。
「や、やめてください、社長」
 キミは社長を突き飛ばした。
「そんなことしていいと思ってるの? キミの力で、こんな体制でレースができると思って?」
 社長の言うとおりだ。ここで我慢すれば、この体制なら、今年は駄目でも、来年にはチャンピオンになれるかもしれない。十代でチャンピオンになれば、周囲の見る目も変わる。でも……。キミは、後ずさりした。

 1.社長を突き飛ばして逃げる.
 2.社長の言いなりになる.