#48 パトカーの様子を見に行く
キミは音のした方に車を進めた。ヘッドライトの中に、壊れたガードレールが浮かび上がった。その向こうは崖だ。
崖の下にパトカーが転落している。さっきの警官がパトカーから投げ出されていた。
キミは崖の斜面を駆けおりて、二人の警官を助けにいった。
重傷を負った警官ふたりを交互に崖の上まで運び上げると、キミは、二人の警官を車に乗せて、山道を街に向かって飛ばした。
突然、目の前で赤色灯が回転した。パトカーだ。キミはフルブレーキで車を止めた。
パトカーから警官が降りてきて、キミの車の中を覗き込んだ。
「ああつ!」。警官が声を上げた。キミの車の後部座席で気を失っていたのは、パトカーを襲撃して警官に重傷を負わせ、制服とパトカーを盗んで逃げていた犯人たちだった。目の前のパトカーは、その犯人を探して検問を張っていたのだった。
翌日、キミの写真が新聞の社会面を飾った。レーシングドライバーになりたいというコメントとともに。
新聞の力は大きかった。その記事を読んだ企業グループのオーナーが、キミのスポンサーになろうと名乗り出てくれたのだ。
「私は、世界に通じるレーサーを育ててきたいと思っていたんだ」
キミの前に現れた社長は、ニヤリと笑って言った。なんだか怪しい……。キミは警戒した。しかし……。
1.スポンサーの話をことわる
2.スポンサーの話を受ける