#37 チームをやめる
キミはチームの合宿所を飛び出した。
いまさら、カートショップ・ブッチギリに戻るわけにはいかない。しかたなく、とりあえず家に戻ることにした。
しかし、家にいたのは姉だけだった。母がカートショップ・ブッチギリの主人と恋仲になり、駆け落ちしてしまったのだ。その事後措置を相談するためにカートショップ・ブッリギリに出かけた父が、今度は、そこに残っていた奥さんと恋仲になってしまい、そこでカートショップの主人におさまってしまったという。なんて親なんだろう? まるで、昔テレビでやっていた「ソープ」ではないか。
「あんただけは、自分の夢を捨てては駄目よ」
姉がキミに言った。「私と一緒に、鈴鹿にいかない?」
「鈴鹿へ?」
「そう。レースをするには、やはり、サーキットの近くが一番よ。車の知識だって覚えないといけないし……。私も働いて応援するから」
「うん……」
姉に気押されながら、キミはうなずいていた。でも、いまさら姉に頼るのは心苦しかった。どうしよう……。キミは迷った。
1.一人で鈴鹿に向かう
2.姉と鈴鹿に向かう