#24 アウトに逃げる


 キミは、高校生のスピンをかわすことができた。トップに立ったのだ。
 キミは、そのままブッチギリで優勝を飾った。
 そこに一人の男がやってきた。
「カートメーカー、ヤマトのワークス・チームの監督……」
 カートショップ・ブッチギリの主人が声を上げた。
「いまのレースを見ていたんだが、この子を私のところに預ける気はないかね?」
 キミは驚いた。「いまのは初めてのレースなんですよ……」
「選手に才能があるかどうかは、1周見ればわかるさ。キミには光るものがある。キミにはわからないだろうがな……。どうだね、キミ?」
「急にそんなことを言われても」
 キミはブッチギリの主人に相談したいと答えた。
「わかった。気が向いたら、ここに訪ねてきたまえ」
 監督は、キミに名刺を渡すと立ち去っていった。
「……あのチームにいくのは、大きな賭けだ。全国から集まった同じような才能のある若者が揃っているからな。その中から、一人でも世界に通用するカーターが出ればいいという発想だ。うちのチームに所属していても、援助できるのは、たかが知れている。ただ、一歩一歩、上を目指すことは、うちに所属していてもできる。それは、お前が決めることだ」。−−主人の言葉に、キミは迷った。

 1.ワークスチームに行く
 2.このままブッチギリのチームにとどまる