#13 新品マシンでカートに挑戦


 新品のカートを買ってもらったキミは、ヘルメットや手袋も揃え、初練習に出かけた。カートショップ「ブッチギリ」のクラブに所属し、その練習走行に出かけたのだ。
 午前中、フラッグの種類などを教えられ、午後から走行を開始した。
 押しがけでエンジンをかけるのだが、これがうまくいかない。押しても押してもエンジンがかからない。身体中が汗にまみれ、気が遠くなりそうだった。
 フラフラになりながら、キミは思った。「やっぱり、センスがないのかなぁ?」
 見るに見かねたブッチギリの主人が手伝ってくれ、やっとエンジンをかけることができた。じんわりとアクセルを踏む。コースをスロー走行していくと、早いマシンが追いついてきた。乗っているのは高校生らしい。
「あいつ、中学生のくせして新品のマシンだなんて生意気な……」
 高校生はコーナーでキミのインに入ると、テールを滑らせた。
 チンッ! ホイールとホイールがぶつかった。
「うわッ!」
 キミのマシンは、アウトに弾き飛ばされ、タイヤバリアに突っ込んだ。
 シートに脇腹を打ちつけ、ジンジンと痛む。その痛さで目に涙がにじんだ。
「ちょっとクラッシュしただけで、こんなに痛いのか……」
 キミは初めてレースの恐ろしさを実感した。どうしよう、このまま練習を続けるべきか? それとも、もうあきらめるべきか? キミは迷った。

 1.練習を続ける
 2.カートに乗るのを断念する