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  • 1999年4月下旬の日記
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    04月21日
     2時間ほど寝たところでマンガ雑誌の編集者から電話があり起床。1ページだけ裏返しで送られてしまったとのこと。あわてて送信しなおし、再び寝る。  午後2時に起床してニフティサーブにつないだら、先ほどの編集者から会いたいとのメール。編集者が「会いたい」というときは連載終了の依頼に決まっている。外出の予定があるので新宿で会うことにして、早めに家を出る。
     時間があるので紀伊国屋書店に寄って、資料となりそうな戦記関連のノンフィクションを数冊購入。ベストセラーになっているせいか家の近所では買えなかった『日本語練習帳』(大野晋/岩波新書/660円+税)もやっと買えた。
     中村屋のティールームでマンガ雑誌の編集者と会い、やはり、あと1回での連載終了を告げられる。作品そのものは人気が上位にいるとのことだが、雑誌が休刊になるのではしかたがない。30年も出版界の片隅に生きていると、こういうことも、もう厭きるほど経験していますので、とくに感慨はありません。「構想1年、堂々の新連載開始!」のアオリ文句で表紙にも絵が載り、巻頭カラーでスタートした新連載マンガが、休刊のため次号で最終回、なんてこともありましたので。こういうのは書き手もツライけど、編集者だってツライ。「コミックビンゴ」もいまの発売号(宮谷一彦さんが描いてた!)で休刊。マンガ業界も不況の波にさらされている。
    居酒屋で盤紀一郎さんと  午後6時30分から四谷で『触覚メディア』を上梓されたニッポン放送・中島さんの出版記念パーティー。ぼくが最初に書いたパソコン通信入門書『実戦! パソコン通信』(アスキー/アスペクト/1985年)で、中島さんご夫妻に登場いただいたこともあるのだが、そのときのアスキーの出版責任者が『触覚メディア』版元のインプレス社長の塚本慶一郎さん。担当編集者が、この日のパーティーにも出席していたメディアワークスで文庫を担当している宮野さん。おふたりとも、ぼくの本に中島さんご夫妻が登場していたのは失念しておりました。
     懐かしい方にも何人か会い、ゲーム作家でもある西谷史さんと初めて会って名刺交換。西谷さんの伝奇系の小説が好きで何冊か読んでおりました。
     帰途、高円寺にまわり、居酒屋で時代小説作家・磐紀一郎さんに新刊を届け、酔っぱらって帰宅。久々にグッスリ寝られた(写真は右が磐紀一郎さん)。

    ●今日届いた本、雑誌:
    『SFバカ本 たいやき篇プラス』(岬兄悟:大原まり子編/廣済堂文庫/571円+税):巻末に小松左京さんを囲んで、昔のSF作家の危ないバカ話についての座談会が。ああ、ぼくもこういうSF作家のジョークに憧れていた時期があったなあ。だから原子力関連の取材で東海村に行ったときは、「デザートにはイエローケーキをお願いします」と言いたくなる衝動を抑えるのに苦労したものでした。浜岡原子力発電所に行ったときは、つい海の方を指さして、「ゴジラが出てきたのは、あそこですね?」と案内の人に訊いてしまったのですが、その返事は、「この発電所はゴジラが乗っても潰れません」。みごとに切り返されてしまいました。

    04月22日
     終日、昨日購入してきた資料の読み込み。その合間に『緋の禊』(吉田直樹/祥伝社/1,900円+税)を読了。少女マンガの世界を舞台にしたミステリー。ちょっとマンガが好きな人なら、モデル探しも楽しいかもしれないが、それ以上に主人公を含む登場人物たちに注がれる作者の温かな眼差しがいい。ぼくいつかマンガの世界を舞台にしたミステリーを書きたいと思っているので、その参考にと思って買ったのだが、つい読みふけってしまいました。

    ●今日届いた本、雑誌:
    「古代大発見 縄文・弥生遺跡への旅」(豊田有恒/勁文社/1,200円):全国35カ所の古代史遺跡のガイドブック。そういえば豊田さんの紹介で千葉の古墳発掘現場まで出かけたこともあったなあ……。

    04月23日
     夕方から新宿で首都圏在住の高校同期会。毎年恒例になるはずが、昨年は中止だったため2年ぶりの開催。1次会は立食で2次会はオールディズのライブハウス。ガンガンとうるさい中で話していたせいか、一晩寝ても耳鳴りがして喉が痛い。あ、もしかすると耳鳴りは二日酔いのせいかも。
     高校を卒業して今年で30年。みんな髪が薄くなったり白くなったり腹が出たりしていますが、会えば気分は高校生……。来年は一泊でやろうということになりました。

    ●今日届いた本、雑誌:
    『北方の夢』(豊田有恒/祥伝社/1,900円):以前から原稿を書いているという話を伺って楽しみにしていた1冊。幕末から明治23年まで函館に滞在し、新島襄の米国脱出を助けたり、土方歳三と出会ったりしながら青函連絡船などの事業を興したイギリス人トーマス・ブラキストンの伝記小説。動植物の研究者でもあり津軽海峡にニホンザルをはじめとする生物分布の境界があることを発見した。この境界線が「ブラキストン線」。

    04月24日
    「仮面ライダーX」の見本が届いた。

    04月25日
     起き抜けからNHK‐BS1で放送されたバイクのロードレース世界選手権第2戦「マールボロ・グランプリ・オブ・ジャパン」(ツインリンクもてぎ)の生放送をテレビ観戦。125ccは見損ねたけど250ccから500ccはバッチリ。125ccと250ccは日本人ライダーが優勝。500ccではノリックが3位。優勝はケニー・ロバーツJr.、2位にミック・ドゥーハン。しかし、日本人選手のインタビューの受け答えも堂に入っているなあ。4輪の選手にも見習ってほしいぞ。F1でもテキパキしていたのは右京選手くらいだったから。
     テレビ観戦の後、あわてて自転車で喫茶店に出勤し原稿を書くも、頭痛とめまいで能率あがらず。

    04月26日
     メールがいっぱい届いて明るいうちは仕事にならず。夜になって原稿を書くも、やはり頭痛。少し仮眠をとって午前零時にファミレスに出撃。2軒ハシゴして午前5時まで粘り、まあまあ原稿が進む。

    ●今日届いた本、雑誌:
    「dig・it」という「音楽ネットワーク・マガジン」(シンコーミュージック)が届く。巻頭に掲載されているGLAYのHISASHIさんのインタビューで、彼が小学生の頃、「ゲームセンターあらし」と「こんにちはマイコン」でコンピューターに目覚めたという話をしている関係で、編集部に画像提供を求められ、それに了承したら、雑誌を送ってくれた。GLAYの音楽って聞いたことがないんだけど(聞いたことがあるかもしれないけど、わからない(^_^;))、娘たちに自慢できる(^_^;)。

    04月27日
     ゴールデンウィークの関係で締切が早まった「週刊小説」のコラムとイラストをあげる。ついでに作者近況の原稿(100字)も依頼されて送信。午後10時にファミレスに出撃しようとしたが、「ニュースステーション」で松坂が投げた西武戦の結果を見てからにする。やっと勝った。それも完封。やるなあ。で、午後11時にクルマでファミレスに出かけヒイコラとバッテリーがなくなるまで原稿を書くが、ありゃ、予備のバッテリーを持ってくるのを忘れた。しかたがないので帰宅。

    04月28日
     午後、ロッテリアに出かけて原稿。学校帰りの高校生の集団がやってきて騒がしいので撤退。洋服の青山でスラックスを買ってからマクドナルドに移動し、夜まで原稿。

    04月29日
     終戦後、中国から引き揚げてきた女性(当時)の実録マンガを描くことになった友人のマンガ家からSOS。ライターさんの原作付きらしいが、引き揚げ経験者の女性の証言をまとめただけで当時の背景などがわからないとのこと。手元の本や検索エンジンで調べているうちに、あっというまに数時間が経過。あわててファミレスに出撃し、自分の原稿。しかし、ライターさんの仕事って、聞き書きをまとめるだけじゃなくて、資料に当たったりして裏を取るのも仕事のうちじゃなかろうか。

    ●今日届いた本、雑誌:
    「少女達のいた街」(柴田よしき/角川文庫/724円+税):単行本でもいただいているのに文庫までいただいてしまった。すごく面白い構成に凝った作品で、執筆予定作品の参考にもなった。でも、音楽に関する部分が年代がずれているせいで、いまひとつピンと来ないところも。これは年齢のせいなんで許してください。「青春デンデケデケデケ」世代で、音楽はGSとベンチャーズとビートルズで打ち止めになっているもので。60年代青春歌謡なんかだと強いんだけどなあ。生まれて初めて買ったレコードは、ビートルズの「恋する二人」と「マイ・ボニー」、橋幸夫の「恋をするなら」、マヒナスターズの「お座敷小唄」という組み合わせでありました。1968年のことであります。
    「日経パソコン」も届いておりました。「週刊小説」で「MP3」のことを書いたばかりなのに、この雑誌でも特集されてました。流行ってるのね……。

    04月30日
     昼間、喫茶店に出かけて原稿をやろうと思ったが、途中で、肩まで伸びた髪がうるさいので、床屋に飛び込み、短くカット。白髪も染めてもらう(^_^;)。睡眠不足のせいか、髭をあたってもらうため椅子が横になったら眠くて眠くてたまらない。散髪のあと、いちど帰宅し仮眠。深夜になってからあわてて車でファミレスへ出撃。


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