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  • 04年06月上旬の日記

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    06月01日(火) 引き籠もり

     仕事場に終日引き籠もり。ノートパソコンで小説の原稿に手入れ。

    06月02日(水) 引き籠もりつづく

     昨日に同じ。夜、NHKテレビ『そのとき歴史が動いた』の「家康、人生最大の危機の3日間」を見る。「大脱出! 伊賀越えの先に天下が見えた」がサブタイトルだが、本能寺の変のとき堺にいた家康が、いかにして三河に逃げ帰ったかを検証する番組。内容については知っていることばかりだったが、映像が入るとわかりやすい。

    06月03日(木) 古本市へ

     引き籠もりばかりだで心身症になりそうなので、夕方から所沢駅前のくすのきホールで開催されている彩の国古本まつりへ。本を置くスペースがなくなってきているので、今日は、片手で持てる分量だけ購入する予定。午後8時の閉館直前まで粘って古書をながめて歩いていたら、見覚えのある顔に遭遇。昔、お世話になったS学館のYさんではないか。お久しぶり……ということでレジで精算をすませたあと居酒屋に入り込み、ビールと八海山で旧交を温める。しかし、この古本市では、よく知り合いに会うなあ……。といっても岬兄悟さんと遭遇したくらいだけど。二階堂黎人さんなども、この古本まつりには、狩猟に訪れるらしい。今日は古い文庫を中心に5,000円ほど購入。

    06月04日(金) 幕末のアウトローたち

     今日は午前8時に起床し、メールの返事書きやホームページの更新などをすませたあと、クルマで千葉県佐倉市の国立歴史民族博物館へ、眠気覚まし要員の家族を乗せて出発。外郭環状線、首都高速、東関東自動車道経由で出かけたのだが、あちこちで事故渋滞が発生していたり、ルートを間違えたり、トイレに行きたくなったり、お腹が空いたりで、途中、浦安で下の道に降り、ラーメンで昼食。再び高速道路に戻って四街道インターで下の道に降り、佐倉市の中央部にある博物館へ。さすが国立というべきか、豪華な施設でビックリ。
     今日の目的は、「民衆文化とつくられたヒーローたち――アウトローの幕末維新史――」という企画展。前々から行きたいと思っていたのだが、6日で最終日とのことで、あわてて出かけたもの。「赤城の山も今宵限りか……」の国定忠治、「旅ゆけば駿河の国に茶の香り……」の清水次郎長、「利根の川風袂に受けて……」の天保水滸伝といった幕末期のヤクザたちについての稗史を国立の博物館がやっちゃうってんで、ちょっと期待して出かけたのだけれど、展示物は文書の資料が中心で、ちょっと期待はずれの一面も。ただし、それを補う展示についての解説書も売られていて、これが貴重な資料になりそうで即購入。他に多数の資料も買い込む。書店では入手できない資料も多く、出かけた甲斐があったというもの。
     展示を見て、資料を購入したあとは、逆のルートで帰還。帰りは渋滞区間も短かったため、すんなりと……といっても2時間ほどで帰宅。睡眠不足のドライブだったので、夕食の時間まで、しばし仮眠。夜は、日本テレビ金曜洋画劇場の「スペース・カウボーイ」を観る。小林信彦氏がエッセイで推薦していたので気になっていた作品だが、なるほど……。前半には「七人の侍」(「荒野の七人」?)みたいなシーンもあってニヤリ。以前、イーストウッドが市長をつとめたことのあるカリフォルニアのカーメルという保養地に泊まったとき、イーストウッドが経営するというレストランに出かけ、「ダーティ・ハリー・ディナー」なるものを食べたことがある。名前は、いかめしいが、ただのハンバーグステーキのセットでした。
     そういえば昔、こんな仕事をしたことも……。

    06月05日(土) 幼なじみの十三回忌

     午後、カミサンと一緒に高円寺まで。1992年、男の厄年で死んだ幼なじみKの十三回忌に出席。週刊誌の編集部に校閲担当で入っていたKは、突然、背中に痛みを訴えて倒れ、救急車で病院に運ばれたが助からず、そのまま、あの世に旅立った。大動脈の破裂が死因だった。ぼくは、50歳を過ぎたら小説に転向したいと考えていたのだが、Kの死がショックだったこともあって、この年の終わりから小説の持ち込みを開始。94年に小説デビューを果たしたが、読書好きでもあったKが面白がってくれるような作品が書けているかどうかということになると、いささか自信がない。
     郷里から駆けつけたKの兄弟や幼稚園のときからの同級生、そして、東京で青春時代をともに過ごしたKの友人たちとも久しぶりに顔を合わせ、二次会までワイワイと過ごす。二次会終了後はカミサンを先に返して、ひとりで高円寺の別の店へ。深夜バスのある時間までに帰るはずが、土曜日で深夜バスはなし。運動不足なので高円寺から下井草まで歩き、そこからタクシーで帰宅。

    06月06日(日) フォーミュラ・ニッポン

     久しぶりに8時間グッスリと寝る。午後2時からNHK総合テレビの「笑いがいちばん」で古今亭菊之丞さんの落語「垂乳根」を聞く。まくらもカットされ、「垂乳根」そのものも5分ほどの短縮バージョン。やっぱり欲求不満が残るなあ。でもテレビに出ることで人気が出るのは嬉しいワケで、なんか複雑な気分。
     午後2時35分からはJスポーツ2でフォーミュラ・ニッポン第3戦ツインリンクもてぎの決勝レースを観戦。小雨が降ってちょい濡れの微妙なコンディションがレースを面白くしてくれた。優勝はアンドレ・ロッテラー、2位は悔し涙の井出有治、3位は敢闘賞のルーキー片岡龍也。詳細はフォーミュラ・ニッポン公式サイトで。
     RSSリーダーでニュースサイトやBlogの巡回記録を読んでいたら、佐々木嬢氏のBlogで、小生のBlogが「週刊アスキー2004 6-29別冊―300万人のブログ大全」に掲載されていると佐々木氏が紹介してくださっていた。掲載許可を求められてOKしていたんだけれど、もう掲載されていたんですね。というわけで雨の中、クルマで郊外型書店に出かけ「週刊アスキー別冊」ほかを購入。
     夜は小説の原稿の手入れの後、MP3プレーヤーでTOEICのヒアリング模擬テストの問題を聞きながら50分間のウォーキング。汗びっしょりになって帰宅し、またパソコンの前に。ビールは、もう少しガマン。
     そういえば、この数日、ウィルス付きメールが多数届いていて、盗用されたアドレスや発信者のIPアドレスなどから疑惑の人物を2人ほどに絞り込んでいたのだが、今日届いたウィルス付きメールに盗用されていたアドレスで、レース関係者であることがわかり、容疑者がほぼ特定。いちおうメールを送っておきましたが、皆さん、ウィルスにはご注意を。

    ■一昨日、買った本

    『民衆文化とつくられたヒーローたち――アウトローの幕末維新史』(国立歴史民族博物館・編集&発行/2004年3月刊/1,429円+税)........一昨日、出かけた国立歴史博物館の開館20周年記念展示の資料。展示物も、この資料本を読んでみると内容もよくわかる。ふつうだったら3,000円くらいしそうな本なのに、さすが国立博物館発行というところか。印刷は大豆インク。リサイクルを考えてのことらしい。

    『「東海道」読本』(川崎市市民ミュージアム・企画&編集&発行/1994年4月刊/1,450円)........10年前、川崎市民ミュージアムで開催された同名の企画展示の資料本。

    『江戸時代の科学技術――国友一貫斎から広がる世界』(滋賀県長浜市立長浜城歴史博物館・企画&編集:/サンライズ出版・発行/2003年10月刊/1,890円)........鉄砲鍛冶として名高い国友家に生まれた一貫斎が、海外からの輸入品を模倣しつつ独自の改良を加えた銃、望遠鏡などの技術品について解説した資料本。

    『清水次郎長と幕末維新――「東海遊侠伝」の世界』(高橋敏/岩波書店/2003年10月刊/2,940円)......清水次郎長の養子となった天田愚庵の著書『東海遊侠伝』の解説書。昭和52年に天田愚庵の故郷、福島県いわき市のいわき民報社から復刻された『東海遊侠伝』を、やはり、いわき出身の石津嵐さんからいただき、何度か読んでいるのだが、多少、わからないところもあったので、解読の助けなればと、この本を購入。黒鉄ヒロシ氏の傑作マンガ『清水次郎長』(上巻)『同』(下巻)の下敷きになったのも、この『東海遊侠伝』のはず(参照:2000年2月25日の日記2002年4月15日の日記)。

    ■今日、買った本
    『メタルカラーの時代〈6〉ロケットと深海艇の挑戦者』山根一眞/小学館文庫/2004年4月巻/650円)......ちょっと深海艇のことで知りたいことがあって参考のために購入。あれれ、山根さん、ホームページを持ってないんですか? 検索しても出てきません。

    『空っ風』(諸田玲子/講談社文庫/2001年9月刊/620円)........清水次郎長一家の小政が主人公の時代小説。前から気になっている作家だったが、ようやく購入。

    『時の渚』(笹本稜平/文春文庫/2004年4月刊/650円)........なぜか読み損ねていたが、これから全作品を読むことになりそうな予感。純粋な読者として愉しみながら。

    『喜多川歌麿――世界が賞賛した“エロスと色彩”の魔術師』(白倉敬彦・編著/洋泉社COLOR新書/2004年5月刊/1,260円)........江戸関連の基礎教養のお勉強用に。

    06月07日(月) PDF作り

     ふう……。先日、自作インディカーレース小説『灼熱の走路』をアップロードすると宣言してしまったのはいいが、原稿のテキストを見ると、あれこれ欠点が目について、つい手を入れたくなってしまう。9年前の作品だからなあ……。とりあえず統一表記など、最低限のチェックをすませ、やっとこさ一太郎に読み込んで、縦書き表示のPDFを出力させる。この数日、この作業をつづけていたのだが、さすがに疲れて、もう目が限界。途中、昼寝したりしながら、なんとか明け方に完了。アップロードは起きてからにしよう。

    06月08日(火) 『灼熱の走路』ダウンロード開始

     寝たのが午前6時過ぎだったのに、午前8時過ぎから近所で住宅工事がはじまり、トンテンカン、トンテンカンのドスンドスン。とても寝ていられる状態ではなく、ブツブツいいながら起床。そのまま、寝る前に完成させた『灼熱の走路』のPDFをホームページに登録。フリーCGIを使ってダウンロード数もカウントできるようにする。
     昼休みに工事の音がしなくなったところで30分ほど仮眠。午後も騒音がひどいので、わが家から脱出し、喫茶店で資料読み。今日は早く寝てやろうと、ちょいと寝酒を引っかけて帰宅。

    06月09日(水) 『キューティー・ハニー』を見る

     午後、レディスデーを利用するカミサンとともにTジョイ大泉までクルマで映画を見に出かける。見たのは永井豪さん原作の『キューティー・ハニー』。先日、大藪春彦文学賞&SF大賞贈賞式の会場で会った永井さんに、「絶対、見ますよ」と約束していたせいもあるけれど、そんな約束をしたのは、ケーブルテレビでしきりに流されていた予告編がよくできていたから。本編も、実に楽しくできておりました。これなら『少林サッカー』を作った香港でなくても、実写版『ゲームセンターあらし』が作れるかも……なんて思ってしまったではないか。安心して楽しめるのは、監督が、大衆娯楽としてのマンガと映画のツボをわかっているせいだな、きっと。ケレン味たっぷりの悪役たちもいい。せっかくの面白い作品なのに、お客は10人ほどでした。
     映画終了後、ホームセンターで買い物をしてから帰宅。

    ■今日、いただいた本

    『盗作・高校殺人事件』(辻真先/東京創元文庫/2004年6月刊/630円)........『仮題・中学殺人事件』につづき、スーパーとポテトの名探偵コンビが活躍する辻ミステリーの第2弾。ソノラマ文庫版で読んだ人、再読すると涙がチョチョ切れるかも。

    06月10日(木) さくらんぼ狩りと武田信玄の治水工事

     午前9時に起床し、クルマで取材に向かう。昨夜は早く寝なければならなかったのに、取材の下調べに資料の本を読んでいたら、これが面白くてたまらず、午前5時まで読書。それからあわてて寝たのだが、結局、4時間弱の睡眠で起床。居眠り運転防止のため、カミサンに同行してもらう。
    信玄堤の案内版@山梨県竜王町
     セルフサービスのガソリンスタンドで燃料をガソリンを満タンにし、調布インターから中央高速道路へ。途中、談合坂サービスエリアでお茶を飲みつつ、ひたすら西に向けて走り、甲府の先の双葉ジャンクションから中部横断道路へ。横断道路ったって、まだ目と鼻の先の南アルプス市までしか開通していない。こちらは、ひとつ手前の白根インターで下車し、まずは、取材の手伝いをしてもらうカミサンのご機嫌取りのため、さくらんぼ狩りへ。本当は予約しておくといいらしいのだが、どこがいいのかわからないので、さくらんぼ狩りの受付をしているJAこまの観光センターへ。ここで2人分の代金を払って待つこと10分ほど。さくらんぼ農家の方が軽トラでやってきて、さくらんぼ園まで案内してくれる仕組みである。
     案内されたさくらんぼ園は、さほど広くはないが、平日の昼時とあってか、お客はぼくたち2人だけ。40分食べ放題で大人ひとり2,000円ということで張り切って挑戦。15分ほどで100粒を超えたところまでは数えたが、あとへ面倒になってカウントせず。佐藤錦に高砂に豊錦の3種類を、たぶん150粒ちかくは食べたのではないか。さくらんぼだけで満腹になってゲップが出るとは、なんと贅沢な。親戚関係へのさくらんぼの配送を頼んだあとは、いよいよ取材の本番。
     今回の取材の目的は、武田信玄の指示でおこなわれたという富士川上流、釜無川と御勅使(みだい)川の合流地点に築かれた「信玄堤」を見ること。といっても「信玄堤」というのは釜無川に築かれた土手だけでなく、多数の構造物からなる複雑な治水工事全体の総称ともいえる。まずは、さくらんぼ園に近い御勅使川にクルマを走らせ、川の流れを分けるためにつくられた将棋の駒の形の意思積みの構造物の位置などをチェック。
    水流を弱めるための「聖牛」と呼ばれる構造物。重しになっているのは蛇篭。遠くにうっすらと見えるのは南アルプスの山々@山梨県竜王町
     その後、釜無川本流に沿った公園になっている信玄堤を見て、さらに信玄堤の端にあたる高岩と呼ばれている場所を見にいく。こちらも公園になっていて信玄堤の案内板も。ここでは案内板の前に人が立つと、信玄堤についての説明が音声で流れてくる仕組み。内容については、各種資料でわかっていることもあり、もっぱら肉眼で見える周囲の光景に目を配る。450年ほど昔も、さほど光景が変わっていなかっただろうはずの八ヶ岳や南アルプスの山々、そして富士山などの位置と形などに、とくに気を配る。川の流れについては、大きく変わっているので、いまの光景とは違うことも計算に入れておかなければいけない。
     つづいてクルマで信玄堤に沿って南下。笛吹川と合流する市川大門の近くまで行くが、この先は、すでに取材ずみだし、何度も通っている場所なので、ここで今日の取材は打ち上げ。ショッピングセンター内の中華レストランで遅い昼食をとり、甲府昭和インターチェンジから中央高速道路に乗って帰宅。寝不足だったせいで疲れました。


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