#131 F1チーム買収


 娘の父親は、キミの申し出を聞くと、F1チームを一つ、買い取ってしまった。
 簡単に買収されてしまうくらいだから、予備予選組の1台エントリーの弱小チームだったが、アメリカ人のパリダカと同じように、他のチームから、ごっそりと優秀なデザイナー、メカニックまでひっこぬいてきた。このチームがキミに対する感謝の印だった。
 それだけではなかった。チームはあっても、スーパーライセンスがなくてはF1には乗れない。それがわかると、イギリスF3、F3000のトップチームを買収した。
イギリスにサーキットを一つ建設し、そこでキミは好きなだけ練習することができた。
 スペアマシンも10台のF3とF3000が用意された。どれだけ壊しても、スペアに困ることはない。だから思いきりアクセルが踏める。これで速くならない方が不思議だ。
 キミはイギリスF3に出ると、シーズン半分を過ぎたところまで全戦全勝。簡単にチャンプを決めて、シーズン半ばでF3000にステップアップ。ここでも途中からの参加ながら、残りのレースを連勝し、チャンピオンに輝いた。
 スーパーライセンスは文句なしだった。
 こうしてキミは、翌年、F1にステップアップした。

 1.続く