#113 カエルを踏んづけろ


 キミは、カエルを踏んづけた。
 ブギュ! 気持ちの悪い感触がタイヤから伝わってきた。それでもかまわず最終コーナーを抜けた。
 その周にベストタイムが出た。しかもポールポジションだ。
 パドックの車両保管場所にマシンをとめる。コックピットから降りてリアタイヤを見た。ガマガエルが平面ガエルになって貼り付いていた。
 引きはがそうとしてもはがれない。無理矢理はがそうとすると、タイヤのゴムがはがれそうになる。しかたないので、そのままにしておいた。
 −−その夜、民宿で寝ていたキミは、カエルの鳴き声で目を覚ました……。

 1.続く