#11 中古マシンでカートに挑戦


 結局、キミは、中古のカートを買うことにした。これで練習を重ね、タイムが上がってきたところでレースに出ることにしたのだ。そして、カートショップ「ブッチギリ」
のクラブに所属し、他のクラブ員に混じって練習することになった。
 日曜日、近所のカートコースに集合し、初めてカートに乗ることになった。カートの整備は、ブッチギリの主人がやってくれた。無口で不愛想だが、腕はいいらしい。
 押しがけでエンジンをスタートさせ、カートに飛び乗る。アクセルを思いきり踏んだ。とたんにキミはコースアウトし、タイヤバリアに突っ込んでいた。
 カートのフレームが曲がっていた。走りだしたとたんに早くもクラッシュだ。シートに身体を打ちつけ痛みが走る。だが、そんな痛みのことよりも、修理代の方が気になっていた。

 1.続く