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  • 1999年12月上旬の日記
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    12月01日
     一昨日、書き下ろし架空戦記の原稿のうち半分を送信したのだが、内容に変更があって編集者に連絡をとると、まだ届いていないという。あれれ、自分宛に同報で送ったのは届いているのに……と、よく見ると、アドレスブックのFAX番号に送っていた。ふつう、こういうのはエラーのお知らせが来るんじゃなかったかなあ。それともこちらの勘違い?
     あわてて原稿を送り直して、打ち合わせのため保谷駅まで。改札口で編集者を出迎え、喫茶店へ行き、マンガ系の仕事を引き受けさせられる。来年、決まっている仕事はマンガ系ばかりだが、会社の経営者としては、小説ばかり書いていられない事情もありまして。
     編集者と別れた後、別の喫茶店に飛び込んで原稿。夕方、タンメンを食べて帰宅し、また家で仕事。

    12月02日
     昨日会った編集者に送る資料をヤマト運輸の営業所にクルマで持参。そのままファミレスで仕事をと思ったが、背筋がゾグゾグして気持ちが悪い。風邪かもしれない。家に帰り座椅子にもたれて居眠り。夜中に起きて原稿をやる。

    12月03日
     原稿の進みが悪いので、すぐに家に帰れないよう吉祥寺までバスで出かける。ねじめ正一さんもオススメの洋菓子店の喫茶コーナーで、シュークリームを食べながら原稿を書き、さらに別の喫茶店で原稿。ところが2軒目の喫茶店は、なぜか足下が寒い。身体がゾクゾクしてきたため、夕食がわりに高円寺に出かけ、熱い焼酎のお湯割りを一杯。また吉祥寺に戻り、マクドナルドで原稿のつづきを……と思ったら、テレビでレース解説をしていたときのディレクターにバッタリ。ハンバーガーを食べながら、最近のレース事情などの雑談をして仕事にならず。しかたないのでタクシーで帰宅し、朝まで原稿。

    12月04日
     今日もクルマでファミレスに出勤して、鍋焼きウドンを食べつつ原稿。さらにマクドナルドにもまわり、ここでも原稿。パワー・バッテリーという外付けバッテリーのおかげで、長時間、外で仕事ができるのはいいが、ちと疲れるかも……。
     夜になって家に戻り、また原稿。あと数日は、こんな感じかな。

    12月05日
     いよいよ書き下ろし架空戦記小説の締切が切羽詰まってきたため、夕方、バッチリ充電した予備バッテリーを用意して、クルマでファミレス巡礼へ。薄暗くなっていたのでヘッドライトをつけて走り、ファミレスの駐車場に入り、ノートパソコンを担いで店内へ。うんうんと唸りながら3時間近く原稿を書き、さて、次のファミレスに移動するか……と駐車場に戻ったら、げ、クルマのヘッドライトが点灯しっぱなし。しかも薄暗くなっている。あじゃと思いつつキーをまわしたが、案の定、エンジンは始動せず。
     幸いブースターケーブルは持っていたので、誰か助けてくれないかと思って駐車場に出入りするクルマを待っていたが、日曜日の夕方とあってか家族連れが多く、しかもワゴン車ばかり。どこにバッテリーがあるかわからない……というような人ばかりで寒空の中、乗用車に乗った人が来ないかと駐車場で待つことに。
     途中、近くにいる親戚にSOSの電話をかけたりしたが、こちらは留守。こんなことでJAFを呼ぶのもバカバカしいしいと思いつつ30分ほど待っていたら、やっとRX−7に乗った若いお兄さんが、エンジンフードを開けているのを見つけて助けに来てくれた。
     RX−7のバッテリーにつながせてもらってエンジンは一発始動。感謝、感謝です。
     せっかくやる気を出していたのに、すっかり脱力してしまい、スゴスゴと家に帰る。次のファミレスに行って、またエンジンがかからなくなったらヤダもんね。
     家に帰って原稿を書くが、進行状況が悪いこと、このうえなし。ふう……。

    12月06日
     ひたすら家で原稿書き。さすが、ここまで切羽詰まると、もはや外出もできず。徹夜して午前10時まで原稿。

    12月07日
     3時間ほどの睡眠で飛び起きて、できている分だけ原稿を送る。あと一息だ。
     昨日発売の「週刊ポスト」が届く。先日アンケートに答えた20世紀最高のミステリーの特集が。ぼくが1位にあげた『ジャッカルの日』は、総合11位。ぼくのコメントも掲載されていた。
     ……と、親戚に不幸があったとの電話。明日の夜は、お通夜だ。今夜中に原稿をあげないと、マジでヤバい。青ざめながら原稿を書くも、残り10枚ほどで目の焦点が合わなくなり、午前4時過ぎにダウン。

    12月08日
     朝8時に起きて、残りの原稿を必死に書く。目の調子が悪かったときに書いたところに誤変換などが見つかり、それを手直しして、なんとか昼過ぎに原稿を送信。あわてて髭を剃り、喪服に着替えてカミサンとともに東村山までお通夜に出かける。
     お通夜の最中、お経が子守歌のように聞こえてきて、ふっと意識が薄れる。お通夜のあと、ビールを飲まされたら少し目が覚めた。でも、やっぱり今夜は早く寝よう。

    12月09日
     昨夜は早く寝る予定が、NHKテレビで午前1時から「ロボコン(ロボットコンテスト)」の予選大会の模様を放映していたため、つい見てしまい、結局、睡眠不足のまま、クルマで東村山まで葬儀に。
     葬儀後、火葬場までクルマで往復し、斎場で初七日(東村山あたりでは「壇払い」というんだそうな)の法要をすませて会食。帰宅したのは暗くなってからだった。
     さすがに疲れ、ビールを飲んで早寝。

    12月10日
     午後、宅配便で届いた架空戦記小説のゲラを持ってバスで吉祥寺に出かけ、書店で買い込んだ「別冊宝島」(「パソコン基礎の基礎」と「今こそ知りたいロボットの未来」)などを持って喫茶店で、しばし読書の後、ゲラに赤入れ。午後6時過ぎになって新宿に移動し、作家の柴田よしきさんのファンの皆さんが集まるクリスマスパーティーに。女性が圧倒的に多く、そのパワーに圧倒され、男どもは形見が狭い(?)。
     業界関係者では、柴田さんのほか、新津きよみさん、芦辺拓さん、井上尚人さん、マンガ家の野間美由紀さんなども。ほかに編集者も多数。二次会は広いカラオケルームにて。津原泰水さんや各社の編集者も合流し、カラオケ大会。終了時には終電もなくなり、三次会は、野間美由紀さんをはじめとする女性5人&津原泰水さんとともに居酒屋に。ミステリー好きな人たちのばかりなので、殺人死体遺棄現場に居合わせた体験談などを披露し、明け方、津原さんとともにタクシーで帰宅。


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