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  • 1999年2月上旬の日記
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    02月01日
     今日もロッテリアで原稿。帰宅して仕事をつづけるつもりが、つい教育テレビでテレビの父・高柳健次郎氏に関する番組を見てしまう……はずが、最後はうたた寝していた。ハッと気づくと英会話の時間。つい見てしまう。ちゃんと英会話が聞こえた。

    ●本日届いた雑誌:
    「AUTOSPORT」編集長が交代してリニューアル。昔、連載していた頃に新入社員で入った人なのに……。時代は移り変わっている。
    「ビッグコミックゴールド」休刊の手紙が届いた。楽しみな雑誌だったのに、やはり贅沢すぎたのかなあ……。

    02月02日
     午後、マンガ雑誌の編集者と打ち合わせすることになっていたのだが、待てど暮らせど電話がない。近くの駅に着いたら電話をもらい、車で迎えに行くことになっていたのだが。しかたないので原稿を書きながら(このホームページのモディファイもしてしまった)、その合間にメールをチェックしたら、編集部の別の編集者からSOSのメール。
     会うはずの編集者は1時間以上も前に駅に到着し、事務所の電話に電話をかけているのだが応答がないとのこと。ハタと脇に置いてある仕事用のコードレスホンを見ると、充電器に逆さに置かれていて、電話機のバッテリーがあがっていた。あわててメールに書かれていた携帯電話に電話して、駅にいるのを確認し、車で迎えに行く。
     編集者に謝りつつ近所の喫茶店に案内し、原作の件で打ち合わせ。先日送ったプロットを、もう少し大人っぽくしてほしいとのことで、その場でアイデアを出し、OKをもらう。口立てで、こういうのはどう? ああいうのはどう? とやっていると、漫画家時代の記憶が蘇り、クーンツいうところの「アイデアポンプ」が活性化するようだ。ストーリーの基本は問題ないとのことなので、主人公の年齢、性格づけなどをその場で決めてしまう。
     ただし原作は、時間がないこともあって、コマ割り原作となった。つまりネームまでこちらでやる……ということ。こっちの方が時間はかからないんだけど。
     帰宅後、架空戦記の原稿のつづき。次の本の催促も来ているので必死。

    02月03日
     午後1時に起床して原稿書き。夕方、編集プロの編集さんが『仮面ライダーX』の原稿を受け取りにくる。双葉社から復刻される「ライダー」シリーズに使うもの。他の原稿も石森プロで見つかったそうで、メデタシ、メデタシ。この編集さん、マンガジャパンの仕事もしている関係で、マンガジャパンに参加している漫画家の皆さんが製作した「同人誌」(コミケで販売された)を持ってきてくれた。ほかに石ノ森先生のイラスト集も……。あちこちに載っている石ノ森先生の笑顔の写真を見ていると、それだけで鼻の奥がツンとしてしまう。
     夕方から「週刊小説」のコラムを書き、その後は架空戦記に専念。
     深夜、息抜きにニフティサーブにつなぐと、イギリスからメール。チャーリー・モーガンというミュージシャンから。コンピュサーブで知り合ったレース好きのドラマーで、エルトン・ジョンのツアーに参加していた。玉置浩二のロンドンでのレコーディングにも参加してことがあり、そのアルバム発売時の全国ツアーで来日したときに、オフの日に日本のレースを見たいと、真夏の筑波サーキットに案内したことがある。以後、ワムの片割れ(ジョージ・マイケルじゃない方)のツアーやら、ヘンリー・マンシーニ・オーケストラの一員として来日したときなどに東京で食事したりゲームセンターに行ったり。最近は、来日してもツアーのスケジュールが忙しいらしく、会う機会がなかったが、偶然、ホームページを見つけ、メールを出したら返事が届いた。ドラムを習いたい人向けのCDを出しているので、希望者は上記のURLへどうぞ……とのことでした。

    ●本日届いた本
    『ホシ計画』(ショートショート作家/廣済堂文庫/552円)
      書店で探して見つからなかった本。著者の一人である太田忠司さんが送ってくれた。「ショートショートランド」という講談社のショートショート雑誌で募集されていた「ショートショートコンテスト」(選者・星新一氏)の出身者の作品を集めた本で、装丁が和田誠さん。帯は「星新一氏に捧ぐ」と、ホシヅル・スピリット満載の本です。
    「ショートショートコンテスト」は、その後「小説現代」に移ったのですが、星さんの体調悪化によって途切れがちになり、星さんが亡くなられた後は、阿刀田高氏に選者が変わり、いまもつづけられています。
     ショートショートは、気楽に読めて面白い。でも、書くのはむずかしい(^_^;)。

    ●本日届いた雑誌
    「ビッグコミック」増刊号

    02月04日
     うう、とうとう執筆中の架空戦記の担当編集者が、青ざめた声で電話をかけてきた。今週中にあげないと、けっこうヤバいらしい。そうだよなあ。来月中旬発売なんだから。がむばって仕事するため夕方からファミレスに出勤。バッテリーがなくなるまで原稿を書くが、バッテリーの寿命が短くなってきたような気がしてならない。
     でも、こんな日に限ってSYSOPをしているニフティサーブのフォーラムで、質問する人が増えるのだな、これが。ファミレスに行く前と帰宅後とで、回答だけで2時間以上かかる。最近、老人力がついてきたため、記憶だけで書くとポカが多いものだから、念のために質問者(主に海外からニフティサーブやインターネットにつなぎたいという人たち)と同じ状況を試したりしているため。
     でも最近は、公開のフォーラムでの発言とメールの区別がついていない人も増えてきたなあ。フォーラムの会議室で質問だけして、その返事がメールで来ないと怒る人もいるほど。そんな状態じゃ、海外でインターネットしたいといっても苦労すると思うけど。
    「初心者」を免罪符にして、ただ教えてもらったことだけをやろうとする人ばかりが増えている。「失敗するのが怖い」人も多い。これからは「自己責任」の時代だそうだけど、それを日本人に求めるのは無理ってものかも。

    ●今日届いた雑誌:
    「F1速報」(開幕直前号/ニューズ出版)
     『龍の伝説』の注文書がついています。これを書店に持っていくと注文できます。
    「OnTrack」(定期購読しているアメリカのレース雑誌)
    「日経パソコン」(唯一講読しているパソコン雑誌)
    「週刊小説」(井上夢人さんと薄井ゆうじさんの「インターネット文学」に関する対談が面白かった。実際に体験している人は、やはり同じようなことを考えるものですね。でもNECのTK-80KのCPUは「4ビット」ではなくて「8ビット」だったはずですが。インテルの8080Aの互換CPUでμ8080とかいいましたっけ?)

    02月05日
     うう、ついに風邪を引いたみたいだ。身体がゾグゾグする。喉も痛い。そのせいもあり、また「週刊小説」のイラストもありで、今日は家で仕事していたのだが、あまりの能率の悪さに逆上し、ついに午前2時に車で家を飛び出しデニーズへ。夜食がわりにラーメンを食べ、身体が暖まったところでバッテリー2本(1セット)が切れるまでの約2時間、必死に原稿を書く。そこそこに進んだけれど、ゴールは遠い、締切は近い。ホームページの更新なんかしている暇はない。すぐに仕事に戻るぞ。もう午前5時半だけど。

    ●本日届いた本と雑誌……とくになし。

    02月06日
     さすがに原稿がピンチ。車でファミレスに逃亡し、掻き揚げうどんを食べながら原稿。バッテリー1セットを使い切ったところで別のファミレスに移動することにする。途中、郊外型書店で買い物をし、次のファミレスを捜すも、土曜の夜のせいか、どこも混雑。うろうろと新座から清瀬、田無方面をドライブして、結局、帰宅してしまった。そのまま朝まで原稿。

    ●本日届いた雑誌:
    「DIME」(小学館)山根一眞さんの連載コラムで、旅客機の中でパソコンに充電できるコネクターのことが紹介されていた。こちらは当分、海外旅行の予定はなし。最近、飛行機の長旅がしんどくて。うう、これも老人力か。
    ●本日買った雑誌・書籍:
    「鳩よ!」(マガジンハウス):「パソコンで小説を書く――作家のためのパソコン活用術」の特集が気になって購入したもの。この次に書く本が同じテーマなんだもん。こちらの原稿も本もかなり進んではいるんだけど、結局、内容は似たり寄ったりだなあ。
    「地球の歩き方」(ダイヤモンド社):いま書いてる架空戦記小説の資料。シアトルのボーイング社の位置を確認するためだけに購入。インターネットでも大体のところはわかったんだけど。ロサンゼルスとサンフランシスコは何度も行ってるのに、オレゴン以北は未体験で、土地勘がない。そのため資料集めがヒイヒイでした。

    02月07日
     日曜ではファミレスも混雑しているだろうと、さすがに今日は外出を断念。ひたすら原稿を書く。

    02月08日
     徹夜したけど原稿があがらず3時間ほど仮眠してつづき……。今日が締切だったんだけど、とうとう編集者から電話がかかってこない。最初からあきらめられていたのか……。これを幸いと夕方からファミレスに出撃。でもガストにしてしまったせいか、途中から大混雑で、あまりにもうるさいので退散。結局、家に戻って原稿。午前4時現在、あと20枚ほど。なんとか終わりそうだ……。

    02月09日
     架空戦記小説『太平洋の覇者・連合機動艦隊大戦記[3]』の原稿は終わったけど、2巻とページ数は変わらないのに、やけにバイト数が多い。原稿を確認してみると、改行が少なくて、見た目が真っ黒。これじゃノベルスの読者は読んでくれそうにない。完結させないといけないと意識しすぎて、書き込みすぎたみたいだ。編集者に渡すのは明日になったので、結局、読みやすいように改行を入れつつ原稿をチェック……のつもりが大幅書き直しになる。
     深夜になって逆上し、車でファミレスに出かけ、原稿の書き直し。カレー南蛮を食べ、コーヒーのお代わりをしつつ4時間粘った末に、エピローグをバッサリ。本当は、この部分を書きたかったのだが、よく考えてみたら1巻目で編集長から邪魔だといわれ削った部分と連動する内容で、このまま本になっても読者には唐突になってしまうため。明け方に帰宅し、プリントアウトして、なんとか原稿の終了。10ページほど削っても、前巻よりも10ページ以上長い。
     これが1994年に小説デビュー以来、20冊目の小説となります。
     デスクトップPCでプリントアウトをするついでに、こちらのパソコンで書いておきながら、送るのを忘れていた「あらし」関係の原稿を引っ張り出して送信。うっかりしていてすみません。
     原稿をプリントする合間に次の本の原稿を書く。

    02月10日
     睡眠3時間で起床し、原稿を取りに来てくれた編集者を車で近くのバス停まで迎えに出る。家でコーヒーを飲みつつ次回作についての打ち合わせをした後、編集者を駅まで送る。
     直後、別の駅に向かい、コミック雑誌の編集者とマンガ家さんを車で拾って喫茶店へ。原作を担当する新連載マンガの打ち合わせ。編集部の意向が二転三転するため、また設定を変えなくてはいけなくなった。その結果、マンガ家さんの作画にかかる時間がとれないとのことで、こちらでネーム(コンテ)までやることに決定。この打ち合わせに4時間かかり、マンガ家さんを成増まで車で送って帰宅。
     睡眠不足で眠くてたまらなかったが、根性を入れて次の書き下ろしの原稿にかかる。でも結局は眠くて能率あがらず。

    ●本日届いた雑誌:
    「ビッグコミック」(小学館):おお、ついに『のたり松太郎』で駒田中が優勝したあ。この場所、実に長かったなあ。半年くらい続いていたのでは?「田中君、どうなった?」というのが「ビッグコミック」が届くたびの家族の挨拶にもなっておりました。


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