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  • 04年02月上旬の日記

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    02月01日(日) 大リーグと歌舞伎と

     寝たのが午前5時だったのに午前9時に起床し、コードレスホンの子機の前に陣取る。午前10時になると同時に、カミサンにも手伝ってもらい、3台の電話で大リーグ開幕戦ヤンキース対デビルレイズのチケットを取ろうと5時間も奮闘するが、まるで通じない。計3度、ナビダイヤルの案内が流れるところまで行ったのだが、その先でツーツーという話中音の後にプツンと回線断。午後3時、ついにあきらめ、カミサンと外出。
     本日の行き先は水天宮駅ちかくの日本橋劇場。ここで開催されている歌舞伎の『壺坂霊験記』を観劇するため。いつか書きたいと思っていた時代小説の話を数社から持ちかけられ、プロットを作っているのだが、資料は長年かけて集めたものがあるものの、ビジュアル面などで基礎教養に欠けるところがある。しかも歌舞伎が関連するストーリーを構想しているだけに、その雰囲気だけは知っておきたいと思って出かけたもの。こちらのチケットも電話予約では話中ばかり。そこで今日の公演で歌舞伎舞踊「英執着獅子」を待った中村京紫さんにお願いして、チケットを用意してもらったもの。
    「歌舞伎フォーラム」と銘打っているだけあって、歌舞伎初心者向けに、歌舞伎に親しんでもらうための趣向もあって(今回は、カツラの話)、歌舞伎初体験者にはありがたい。
     メインの歌舞伎『壺坂霊験記』は、もともと浄瑠璃からスタートしたものらしいが、ぼくが知っているのは子供の頃に聴いたラジオの浪花節版。「妻は夫をいたわりつ、夫は妻にしたいつつ、頃は六月なかの頃、夏とはいえど片田舎……」なんてフレーズは、いまでも口をついて出ることがあるが、小芝居版ということもあってか、ちょいと趣向がこらされていた。
     ただ、古典芸能として保護・保存に依存するだけでなく、やはり、スーパー歌舞伎のように、攻めに出て行くことも、また必要ではないのか……なんてこともチラリと思ったり。これは落語もそうだし、マンガも古典芸能化しつつあったりもする。
     帰宅後、フジテレビの「EZ! TV」で、世界で大人気の娯楽プロレス団体「WWE」の特集をやっていたが、この団体は、徹底した下世話なまでの娯楽路線(プロレスのソープオペラ化)で大衆の人気をつかんでいる。マニアでないとわからなくなってしまった日本のマジ系格闘技とは対極の位置にある。こんな計算されたオバカぶりが、日本の娯楽にも、もっと欲しい気がする。これはレースにもいえることかもしれない。

    02月02日(月) 書評の原稿アップ

     終日、自宅にこもり、新聞から依頼された書評原稿に専念。短いがために四苦八苦していたのだが、なんとか夜までに終了。ほっと一息ついて午後8時からNHK-BS2で映画『戦場にかける橋』を鑑賞。昔、いちど見ているのだが、それは小学生のとき。ストーリーどころかシーンの断片しか覚えていないのは、しかたがないな。口笛の主題曲だけは覚えていたけれど。『史上最大の作戦』も、やはり小学生のときに見た映画だが、すでに「丸」や「航空ファン」を読みあさっていた時期だけあって、ストーリーも細かく覚えている。もちろん主題曲&日本語の歌詞のついた主題歌も。ミファソ、ドシドレラ、シラソ、レミファミ……。あ、楽譜も覚えてた。
     映画鑑賞のあと、次の文庫解説の原稿に取りかかっていたら、柳家紫文さんのサイトでトラブル発生との連絡。自作CGIで表示していた日替わりの都々逸が、午前0時以降、表示されなくなってしまったとのこと。あわてて調べると、88ある都々逸が昨日で一巡し、午前0時以降は001.txtというファイル名の都々逸が表示されるはずだったのだが、000.txtという存在しないファイルを呼び出していたのが原因だった。Perlでの扱いなので、000.txtからスタートしていれば良かったのだが、それを失念していたのが原因。ファイル名の変数に1をプラスすることでなんとか解決した模様。これだから素人プログラマーは困る。

    02月03日(火) 原稿だ原稿だ

     書評の原稿が終わったので、つづいて文庫解説の原稿に着手。夕方、吉祥寺まで資料探しに出かけたついでに、はままるうどんにて夕食。その後、喫茶店をハシゴして原稿書き。バッテリーが危なくなってきたので原稿執筆は切りあげ、高円寺に寄ってからバスのある時間に帰宅。FAXで届いていた書評のゲラをチェックして返送。さて寝ようかなと思ったら、そうだ、今夜はスカイ・Aで2月1日にサントリー東伏見アイスアリーナで開催されたコクド日本製紙クレインズの試合の録画放映があるのだった。この試合が面白いのなんの。ついに5対5の同点のまま第3ピリオドを終了し、5分間の延長。結局、クレインズが得点し、勝利したのでありました。日曜日は歌舞伎を優先したため、この試合を断念したのだけれど、大リーグのチケット争奪戦になど参加しないで、東伏見アイスアリーナに行けばよかったなあ。無理すれば歌舞伎との掛け持ちもできただけに。ちと残念。

    ■今日、買った本

  • 『忍びと忍術―江戸時代選書2』(山口正之/雄山閣/2003年7月刊/2,000円+税)......同じ雄山閣の『生活史叢書2 忍者の生活』を再編集した新装版で、旧版も持ってはいるのだが、いちおう押さえということで。

  • 『蜀山残雨―太田南畝と江戸文明』(野口武彦/新潮社/2003年12月刊/2,000円+税)......江戸時代の基礎教養を身につけるために購入。習作では、すでに何度か太田南畝には登場ねがっている。
  • 02月04日(水) またアイスホッケー観戦

    東京都大学選抜VSカナダ戦ファイスオフ
     正午過ぎに起床し、ひたすら文庫解説の残りを書くも、あっというまに規定枚数オーバー。資料をチェックしながら削っては書きの作業に突入するも時間切れとなり、午後6時すぎ、自転車で家を出発。目的地はサントリー東伏見アイスアリーナ。徒歩15分の距離なので、自転車なら5分ほど。実に便利なロケーションである。
     今日は「東京学生選抜対カナダ」の親善試合。料金は全席が自由席で1,000円なり。ひょえ〜! カナダはNHLの本場の1国だけあってか、選手たちもガッチリしてデカい。日本人の学生たちは身長でも体重でも負けている感じ。それでも試合開始早々に東京学生選抜チームが先制点を入れ、「お、これは……」と思ったのもつかのま、バタバタとカナダに得点をかさねられ、終わってみれば12対5でカナダの圧勝。パックの行方にも目がついていくようになり、アイシング・ザ・パックやオフサイドのルールもわかってきたせいで、試合の展開も読めるようになってきた。
     帰途、すかいらーくに寄り、食事をしながら原稿。まだ終わらない。
     帰宅後、請求書を作成するついでに不調だった仕事部屋のデスクトップPC2台の点検。どちらも「Default IME」の応答がないとかで、終了できなくなるトラブルが続いていたもの。1台は、なぜかPhotoShopが動かず、いちど削除したらインストールまでできなくなってしまっている。「Default IME」のトラブルはウィルスやスパイウェアの影響で発生することが多いというが、これらは専用ソフトを使ってチェックしても問題なし。そこで「msconfig」を起動して「スタートアップ」をチェック。「internat.exe」などのチェックをはずしたら、無事に終了できるようになり、PhotoShopもインストールできた。めでたし。
     深夜、管理を担当しているサイトの新ページ用データが到着。ページの作成は、とりあえず目先の原稿が終わってからだな。

    ■今日、買った本(?)

  • 『38th JAPAN ICE HOCKEY LEAGUE 2003-2004 Official Program』日本アイスホッケー連盟 日本アイスホッケーリーグ運営委員会/1,500円)......東伏見アイスアリーナで購入。ルール・ゲーム早わかりのページが、初心者のワタクシめには非常に役立ってくれました。
  • 02月05日(火) 原稿のつづき

     資料調べをしながら終日原稿書き。決められた枚数をとっくにオーバーし、切り詰め作業に入るが、こちらのほうが書くよりも時間がかかる。

    02月06日(水) 旧正月新年会

     午後に起床し、夕方まで必死に原稿。それでもまだ規定枚数におさまらず、ノートパソコンを持って家を出る。西武池袋線の車中でも原稿を書き、地下鉄丸ノ内線で銀座に到着後も、有楽町の喫茶店で原稿を書き、なんとか目鼻をつける。
     午後6時半からは、毎年恒例の美女2名との旧正月新年会。今年は、先週、ゴールデン街で飲んだばかりの青年実業家の皮をかぶったモノカキのAさんも参加して、有楽町ガード下のドイツ料理店「バーデンバーデン」で生ビールのジョッキを傾ける。
     2次会は近くのバーでソルティドッグをいただき、午後11時に解散。ひとりで高円寺に立ち寄ってから深夜に帰宅し、朝まで原稿直し。

    ■今日いただいた本

    『DVDビデオ超極技コピー術』武井一巳/メディア・テック出版/2004年2月刊/2,180円+税)......標題のとおりの解説書。うちのデスクトップPCにもDVDドライブがついているのだが、まだ一度も、DVDビデオは見たことがない。専用のDVD再生機能付きVTRでも、まだ1回しかDVDビデオを見たことがない。

    『猫はこたつで丸くなる』柴田よしき/光文社カップ・ノベルス/2004年1月刊/848円+税)......「猫探偵正太郎の冒険」の第3弾。楽しく読める癒しの猫ミステリー。

    02月07日(木) テアトル・エコーの芝居を観劇

    アウトウニオン・タイプC
     午後2時に起床し夕方まで原稿を書いた後、カミサンとクルマで新宿へ。駅の地下駐車場にクルマを置いて、山手線で恵比寿に移動。まずはレースオタクのメッカ(?)Mr.CRAFTに移動し、このお店のサイトで目をつけておいたアウトウニオン・タイプCを購入(Mr.CRAFTでは「オートユニオン」と英語式で表記)。もちろん『旭日のGP』に登場した「旭日号」のライバル車。以前、購入したのは1937年に登場したタイプDで、小説で「旭日号」が戦ったのは、こちらの「タイプC」が正解。CMC社の1/18スケールのモデルカーは、ディテールも精密で、小説を書くときにもイマジネーションをかき立てる参考になる。値段は25,000円と高額だが、自分へのご褒美なの……と、ちょっと疲れたOLみたいなことをいっておこう。
     モデルカーを購入したあとは夕食。ラーメン激戦区でもある恵比寿に来たのだからラーメンにしようということになったのだが、あまり遠くまで行くのは面倒だし……というわけで、東京に初めて進出した尾道ラーメンの店萬友へ。大勝軒のラーメンと同じ煮干し(イリコ)の香りと味がするが、こちらのほうがサカナの臭みは少ない。富士宮焼きそばでお馴染みのブタの背脂が浮いているが、それもしつこくはない。こちらはネギラーメンを頼んだのだが、あっというまに食べ終え、ちょっと物足りない感じも。最近は、コレステロールのことを考え、スープを残すようにしているので、満腹感が足りないのかもしれない。
     食事の後は、今日のメインイベントであるテアトル・エコーの喜劇「テイク・ザ・マネー・アンド・ラン」を観劇。所属女優で今回の公演にも出演している石津彩に誘われたもので、彼女の父上・石津嵐さんと一緒に舞台を観る。一幕ものの喜劇だが、最期のオチは途中で見当がついてしまった。これもマンガや小説を書いている人間の悲しい性(さが)かも。
     芝居がハネたあと、楽屋まで慰問にいったら、彩は、劇中、ビンタを張られたシーンで、一瞬、気絶したとのこと。テーブルの上にガンと崩れ落ちたのを観て、迫真の演技だと思っていたのだが……。役者もツライなあ。
     観劇のあとは、来たときと逆コースで急いで帰宅。ケーブルテレビで『少林サッカー』をワハハと笑いながら観る。
     本日、『風濤の艦隊』第2巻が到着。売れてくれますように。

    02月08日(日) 新ネタの仕込み

     なんとか文庫解説の原稿が完了し、頼まれているサイトのCGIプログラムをインストールしたあと、新企画の仕込みのため、午後遅くから外出。古書店をまわって資料になりそうな本を数冊購入し、喫茶店でメモを取りつつ読書。夜になって帰宅し、テレビ朝日の日曜洋画劇場で『エイリアン2』を鑑賞。基本的にホラー映画なんだけど、よくできているなあ。

    02月09日(月) 新ネタの仕込み

     明日、雑誌の取材が来るので、仕事部屋にしている和室の大掃除。一段落したところで池袋のジュンク堂書店へ。資料や参考書、インスパイア用の本を多数購入。イタリアン・トマトのカフェJr.でカフェラテLサイズを飲みながら、購入した本を読む。まずは『金色夜叉』から。映画や舞台では見たことがあるのだけれど、出だしはこんなだったのか。へえ〜。とりあえず必要なところだけ拾い読みしたが、文体が古くて読むのに四苦八苦。こんな小説が大人気だったんだから昔の日本人は国語力があったんだなあ……。
     つづいて『人形は口ほどにものを言い』を読みはじめると面白くて止まらなくなるが、途中で中断して高円寺へ。飲み屋さんのノートパソコンが壊れたとのことで点検を依頼される。電源が入らないというトラブルだが、バッテリーが残っていたときは動いていたとのこと。ならばマザーボードではなく電源まわりに原因がありそう……ということで、そのノートパソコンを預かって帰宅。テスターで電源アダプターをチェックすると、どうもコネクターが怪しい。これは正常に動いている電源アダプターをつないでチェックするしかないな。

    ■今日買った本

    『金色夜叉』(尾崎紅葉/新潮文庫/1969年11月刊/629円+税)......いわずと知れた明治のラブロマンス。文語体で書かれた文章は読みにくいのなんの。でも読んでいるうちにリズムがわかってくるとスイスイ進む。失敗は岩波文庫の改版版にしなかったこと。岩波文庫版は上下巻だけれど、その分、活字が大きくて、老眼の入った目にはやさしそうだった。

    『人形は口ほどにものを言い』(赤川次郎/小学館/2004年1月刊/1,200円+税)......文楽初心者というスタンスで書かれた入門書。まだナマの文楽を見たことがないビギナーには、専門家や通が書いた入門書よりも、ずっとわかりやすいし、ありがたい。

    『声に出して読みたい日本語』(斎藤孝/2001年9月刊/1,200円+税)......今頃になって買ったのは2003年9月発売の95刷。ひょえ〜! 落語、歌舞伎、文楽、百人一首などに興味を持ってきた延長で購入。わたしは「寿限無」を暗誦できるぞ。でも、落語家さんの話によると、保育園の幼児だって暗誦できるらしい。あなどりがたし、NHK教育テレビ。

    『生かしておきたい江戸ことば450語』(沢田一矢/三省堂/2001年12月刊/1,600円+税)......将来時代ものを書くときの準備。

    『江戸時代の歌舞伎役者』(田口章子/中公文庫/2002年12月刊/952円+税)......江戸時代の芝居の仕組みなどを知るために。

    『古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩』(人文社/2003年10月刊/2,600円+税)......温めている企画の資料。

    『古地図・現代図で歩く戦前昭和東京散歩』(人文社/2004年1月刊/2,600円+税)......温めている企画の資料。

    02月10日(火) 新ネタの仕込み

     午後、わが家にライターさんがやってきて、サブカル系某雑誌から『ゲームセンターあらし』についての取材を受ける。
     取材のあと、昨夜預かってきた飲み屋のパソコンの件で、購入先の中古パソコンショップに電話。保証は30日で、とっくに期限が切れているのだが、とりあえず近日中に現物を持参し、点検してもらうことに決定。この電話をかけている最中、相手先のすぐ近所では大きな火災が発生していたのは、あとで知った。そんなときに丁寧に対応していただいて、どうもすみません。
     夕方までネットで資料収集をつづけたあと、久しぶりにフィットネスクラブに出かけ、水泳1,100メートル、ウォーキング600メートル。久しぶりのクセしてたっぷり泳いだら、最後は腕があがらなかった。帰宅後は、ひたすらネタ仕込み用の読書。


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