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  • 03年01月上旬の日記

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    01月01日(水) 冥土の旅の一里塚

     とりあえず日本の風習に従って喪中ということもあり、起床後も自宅で静かに過ごす。喪中ハガキを出しそびれた人たちから多数の年賀状が届いたが、寒中見舞いを出さないといけないなあ……。
     夕方、近くの伏見稲荷へ初詣に出かけた帰りの人たちとすれ違いながら、カミサンと徒歩で霊園まで出かけ、母の墓に詣でる。往復1時間ほど歩き、全身、汗まみれ。帰宅後は「欽ちゃんの仮装大賞」を見て過ごす。歩き疲れたせい、途中で居眠りしてしまった。

    01月02日(木) フグを食べるはずがカレーに

     今年は恒例の新年会もないので家族で吉祥寺まで買い物&食事に。買い物はユザワヤ地下でBB弾を発射するエアガン1丁とタイムスリップ・グリコ。タイムスリップ・グリコは、ホンダのF1マシンが目的で買いつづけているのだが、さっぱり出てこない。そこで今日も、いつものように5個まとめて「プチ大人買い」をしようと思ったら、経済観念の発達しているカミサンに発見され、2個に制限される。「クジ運の強いわたしが選んであげるから」と偉そうにのたまわれ、そこをなんとか……と拝み倒して1個だけ追加し、3個買うことに成功。
    タイムスリップ・グリコ「ホンダRA272」
     食事はフグの予定だったのだが、混んでいて2時間待ちだという。いちど予約を入れ、呼び出し用の携帯電話番号も書いてきたが、2時間も空腹に耐えられそうにないということで、フグはキャンセルしてインド・レストランでカレー料理。4人で異なる種類のカレーを頼んで味比べ。タンドーリチキンにシークカバブも頼んで満腹になった。
     帰宅後、タイムスリップ・グリコを開いたら、あれれ、ホントにホンダのF1マシン――1965年のメキシコGPで優勝したホンダRA272――が出てきたではないか! 一緒についている人形は優勝したリッチー・ギンサーだというが、彼のホンダのゼッケンは11だったはず。こちらのマシンはゼッケン12で、ドライバーの名前もバックナムになっている。おかしいなあ……とタイムスリップ・グリコのホームページを開くと、こちらにはリッチー・ギンサーの乗っていたゼッケン11のマシンが掲載されていた。どうやらRA272には2種類あるらしい……ということで納得。ちなみに1965年の最終戦メキシコGPでは、リッチー・ギンサーが優勝してホンダに初優勝をもたらし、ロニー・バックナムは1周遅れの5位で完走している。
     ホンダの第1期F1挑戦時代については、中村良夫氏の著作のほか、最近は、ホンダのHonda F1 ルーツ紀行のページで、新しい情報を仕入れることができる。

    ■関連図書

    『グリコのおまけ型録―おまけの80年史(1922-2003)』(八重洲出版/ヤエスメディアムック 74/2002年12月26日発売/3,000円+税)........最新のタイムスリップ・グリコの情報まで収録したグリコのおまけカタログ本。詳細は八重洲出版のホームページで。

    01月03日(金) 温泉を断念

     1日、2日と連続で、深夜から明け方までフジテレビ739でまとめて放映された「グレートジャーニー」の総集編を見ていたせいで、睡眠不足気味。そのせいか今日は久々に腰が痛くて目が覚める。
     食事をして少しうたた寝をしたあと、クルマで新座のファミリーレストランに出かけ、実は、まだ残っていた『灼熱の艦隊』第2巻のゲラのチェック。ついでに続編の資料として持っていった『1940年体制――さらば「戦時経済」』(野口悠紀雄・著)という本を読む。あれこれ頷けることが多く、また、あれこれフィクションのためのアイデアも湧いてくるが、ぼくがいま書いているような大衆時代小説型架空戦記小説では、アクション主体でいかないと、読者にソッポを向かれてしまうのが現実。そのうち、このようなアイデアを活かした作品が書けるだけの実績をつけたいものだ。
     帰途、腰を温めてみようと考え、近くの新座温泉・彩泉楼にクルマを向けるが、駐車場も満車状態で、しばらく待たねばならないらしい。みぞれまじりの雨が強くなっていたので、並ぶのはやめて帰宅。テレビを見ながら再びゲラのチェック。

    「復刊ドットコム」の著者別ページに、いつのまにか『マシン刑事999』や『仮面ライダー』が追加されていた。レース小説『灼熱の走路』第2部にも追加の投票が……。マンガについては『マシン刑事999』は復刻が決まっており(遅れているけれど)、『仮面ライダー』シリーズの復刻話も来ているけれど、小説の方の復刻話は皆無。後述の阿川大樹さんのようなオンデマンド本にするのも、ひとつの手かなあ……。

    ■今日、読んだ本

    『1940年体制――さらば戦時経済』(新版)(野口悠紀雄/東洋経済新報社/1,300円+税)........「日本型経済システム」は1940年前後の戦時体制下から始まった……という説を唱える本。戦前に完成した官僚システム、金融システムが、いまに至るまで連綿とつづいているとする説に納得。こちらが読んだのは1995年刊の旧版だったので、新版では加筆や修正があるかもしれない。
    『ワールドカップは終わらない』阿川大樹/バーチャルクラスター・発行/ブッキング・発売/1,700円+税)........拙著『ライター・作家志望者のための電脳文章作法』に解説を書いていただいた阿川大樹さんからのいただきもの。ブッキングからオンデマンド出版書籍として刊行されている。ワールドカップにボランティアとして関わり、また観客として高額のチケットを購入し、ワールドカップを骨の髄まで楽しんだ阿川さん自身の体験を綴った本で、ぼくはホームページに掲載された分は、こっそり読んでいたのだが、こうして1冊にまとまったものを読むと、あの6月の熱狂が、またよみがえってくる。F1のブームはバブルの終焉とともに弾けてしまったが、果たしてサッカーは……? そういえば今日は、雪中でおこなわれた高校サッカーの帝京対大津戦を、最後のPK戦まで見てしまったのだった。
    『静岡県の方言』(山口幸洋/静岡新聞社/1987年11月刊/1,204円+税)........知り合いのレディスコミック作家から静岡県の方言について質問され、書庫から引っ張り出してきた本。この本は言語学の本に近い本だったため、質問された方言一覧については、インターネットの検索エンジンの方が役に立った。調べてみたら静岡出身のぼくにもわかんにゃー言葉が一杯あるずらー。

    01月04日(土) 新年パーティー第1弾

     正午前に起床。午後1時からNHK大河ドラマ『秀吉』の総集編を見るも午後4時には切り上げ、外出。徒歩で西武新宿線の最寄り駅に向かい、ここからバスで荻窪へ。ルミネの地下にあるチーズ天国でチーズ詰め合わせの福袋を購入し、近くの喫茶店に入って小説のゲラチェック。午後7時、高円寺のノラやに向かい、今月のギャラリーに展示するアーチストの方を囲んでの新年会兼オープニングパーティー。チーズの福袋は、このパーティーへのお土産。電車のあるうちに帰宅し、朝まで資料読みとゲラのチェック。

    01月05日(日) 讃岐うどんの本を読みながらソバを食べる

     午後1時から6時まで、資料を読みながらNHK大河ドラマの総集編『徳川家康』を見てしまう。長野の白骨温泉方面で起きた雪崩事故のため、番組は4分遅れでスタート。途中、何度も関連ニュースが入るが、総集編は午後6時ちょうどに終了。カミサンの説によれば、昨日までの総集編で放送されていた番組最後の主役のコメントがカットされていたらしい。
     年末年始の間の暴飲暴食で体重が増加してしまったため、家で夕食は摂らずに、軽い食事を摂ろうと、ひとりで最寄り駅の越後そば店へ。途中、書店に寄って『さぬきうどん偏愛(マニアックス)』(小学館文庫)を購入し、そば屋では、これを読みながら、掻き揚げそば。うまいのだが油っ気が多いので、今日は、おつゆを飲み干すのをガマン。
     食事のあとはコーヒーショップに入ってゲラのチェックを終わらせ、新作小説の原稿を少し。さらに別の喫茶店に行こうかと思ったが、正月休みのせいか、街が寒々しいので、そそくさと帰宅。自宅で原稿を書く。

    ■今日、読んだ本

    『さぬきうどん偏愛(マニアックス)』(小石原はるかと極東うどん喰え喰え団/小学館文庫/2003年1月刊/476円+税)........首都圏の讃岐うどん店も紹介されていたのが良かった。もう30年以上も前、讃岐うどんという未知の食物を認識させてくれた店も名前が紹介されていた。おお、25年ほど前から深夜にチョコマカ通っていた店も出ているぞ。でも、いま、ときたま通っている店は出ていない。東京在住の讃岐うどん好き(偏愛ほどではない)には役立つ情報本だが、「面白さ」では以下の関連書籍の方が上かも。
    ■関連書籍■
    『恐るべきさぬきうどん――麺地創造の巻』(麺通団/新潮OH!文庫/2000年10月刊/600円+税)
    『恐るべきさぬきうどん――麺地巡礼の巻』(麺通団/新潮OH!文庫/2001年3月刊/790円+税)

    01月06日(月) 仕事開始のはずが……

     昨日は、楠木誠一郎さんのホームページの更新用に使っている専用プログラムが、年度替わりの影響で予想どおりにエラー。バグを見つけて修正し、なんとか2003年問題は解決し、無事に更新完了。そのあとでプログラムをさらに修正していたら、あっというまに朝。
     午後2時に起床。有楽出版社のMさんに連絡を取り、新宿の喫茶店でゲラを渡すことに。途中で朝食がわりのラーメンでも……と思って早めに家を出たが、途中で財布を持ってこなかったことに気づく。ポケットにデジカメを入れたせいで、これが財布だと勘違いしてしまったのだ。すごすごと財布を取りに家に戻って出直し。おかげで待ち合わせの時刻に遅れてしまった。すみません。
     新宿でゲラを渡すことにしたのは、『シベリア超特急3』というカルトムービー(?)を見るためだったのだが、家を出る直前に上映時刻を調べたら、今日からスケジュールが変わっていて、最終回は午後8時から。ゲラを渡して雑談したあと、紀伊國屋書店で時間をつぶすことにする。大きな書店に行けば2時間くらいは、すぐに経ってしまう。昔はパチンコで時間つぶしができたが、最近のパチンコでは、時間つぶしなど無理だ。
     ところが紀伊國屋書店を巡回しているうちに腰が痛くなってきて、とりあえず文庫だけ買って喫茶店に入り、持っていたノートパソコンを開いて原稿を書きはじめる。ちょっとだけのつもりが、ハッと気づいたら、映画の上映時刻寸前。面倒なので、今日はパスすることにして高円寺に移動。馴染みの飲み屋に行くと、豊田有恒、高齋正、磐紀一郎のお三方がグラスを傾けていて、新年のご挨拶。豊田、高齋両氏は、早い時間から飲んでいたとのことで、早めに帰宅。磐さんと遅れて姿を見せた某出版社の編集者と歓談した後、徒歩で西武新宿線の駅へ。腰が痛いのは運動不足と睡眠不足が原因なので、とりあえず歩く距離を延ばそうと考えてのこと。途中、馴染みの焼鳥屋の灯りがついているのを見つけて寄り道。ジューシーで旨い焼き鳥を食べて深夜に帰宅。それでも新宿で歩きつづけていたせいか、万歩計の数字は1万1500歩に達していた。

    本日購入した本

    『現代軍用ピストル図鑑』(床井雅美/徳間文庫/2002年2月刊/1,429円+税)........最近の銃器事情にうとくなっているので、資料用に購入。
    『ベレッタ・ストーリー』(床井雅美/徳間文庫/1994年6月刊/951円+税)........同上。
    『最新サブ・マシンガン図鑑』(床井雅美/徳間文庫/2002年7月刊/1,524円+税)........同上。
    『リアル・グッド・ウォー』(サム・ハルパート著/栗山洋児・訳/光人社ノンフィクション文庫/2002年12月刊/867円+税)........B‐17爆撃機に乗りヨーロッパ戦線で戦った若者たちを描いた戦場青春小説。ノンフィクション文庫だがフィクション。
    『雷撃機電信員の死闘――「ト連送」で始まった太平洋戦争』(松田憲雄/光人社ノンフィクション文庫/2000年10月刊/620円+税)........架空戦記を書くときの参考に。
    『横須賀海軍航空隊始末記――医務科員の見た海軍航空のメッカ』(神田恭一/光人社ノンフィクション文庫/2002年12月刊/724円+税).......同上。先日、横須賀まで取材に出かけたのも同じ理由。
    『日本陸軍英傑伝――将軍暁に死す』(岡田益吉/光人社ノンフィクション文庫/1994年7月刊/612円+税)........同上。
    『急降下爆撃』(ハンス・ウルリッヒルデル著/高木真太郎・訳/学研M文庫/630円+税)........同上。
    『御書物同心日記』(出久根達郎/講談社文庫/2002年12月刊/495円+税)........自分の楽しみと小説の書き方の勉強用。

    01月07日(火) 泳ぎ初め

     起き抜けから小説の原稿。夕方、プールへ。年末年始の暴飲暴食がたたって体重増加。とはいえ久々の水泳なので、身体を慣らすつもりで泳ぐのは400メートルにとどめておく。他にウォーキング500メートル。体重が増えた分だけ泳いでいても身体が重い。それでもビート板を使ったバタ足では、25メートルの過去最高タイム(25秒)が出た。
     いつも一緒になる高年齢の女性の方から、「久しぶりね」と声をかけられ、ついでに仕事の内容を訊かれ、「家でモノカキしてます」と答えたら、この方のご子息が、こちらも以前さんざんお世話になった大手出版社で、雑誌の編集長をしているとか。このご子息とは一緒に仕事をしたことはないが、母上から名前の出てきた編集者たちは知っている人ばかり。世間は狭いものである。
     帰宅後、再び原稿を書きはじめたが、久々の水泳に疲れて早めにダウン。

    01月08日(水) ダイエット作戦

     午前8時に起床してしまう。資料を読みながら小説の原稿。
     年末年始の暴飲暴食で体重が増加してしまったため、今日は、夕方からフィットネスクラブに出かけ、エアロバイクを漕ぐ。ペダルを漕いでいる間は資料本を読書。40分ペダルを漕いで汗ぐっしょり。その後、プールでウォーキング500メートル+バタ足100メートル。水泳は中止しておく。
     帰宅後、さすがに疲れて、午前零時過ぎ、早々に就寝。

    01月09日(木) 早寝早起き

     昨夜、早く寝てしまったせいで、午前6時には起床。外は、まだ暗い。床暖房が不調なので石油ストーブをつけてノートパソコンで仕事。家族が起きてきて一緒に朝食。その後も仕事をしていたが、午前10時、カクンと眠くなり、2時間ほど寝てしまう。
     午後もパソコンの前に張りつき、原稿。夕方から歯医者。歯医者の椅子に仰向けになるたび、いつも眠くなる。そのまま喫茶店に出動予定だったが、麻酔を打たれて唇が痺れているため、おとなしく帰宅。夕食後、楽しみにしていたテレビ東京のTVチャンピオン『「つるつる、シコシコ全国選抜・うどん名店集合……2000人が大行列売り上げ決戦」激うま大ブームさぬき150円VS稲庭雪見うどん▽早踏み早打ち王VSオオカミ職人』(ふう……長いタイトルだ)を見る。
     その後、『レーダース失われたアーク(聖櫃)』を見ながら届いたばかりの「F1 CLUB」最終号を読む。「レースとは読むもの」だった世代には、このような読み応えのあるレース雑誌が消えるのは寂しい限り。昔、西武球場の近所に住んでいた頃は、仕事場のあった石神井公園駅までの電車に乗り換える西所沢駅で、レース雑誌(「オートスポーツ」「オートテクニック」)の発売日のたび、乗り換え時間3分の間に改札口を駆け足で通り抜け、駅前の書店に飛び込んでは、届いたばかりの雑誌を買っていたものだった。「F1 CLUB」は、そんな時代の臭いを残す雑誌だったのに……。

     午後11時からのテレビ東京のニュースを見ていると、スポーツニュースのコーナーで、パリダカ参戦中の篠塚建次郎選手が、クラッシュして病院に運ばれたとの一報が入る。あわててパリダカ公式サイトを見たが、「Very seriously injured」とのこと。ヘリコプターでメディカルセンターに運ばれ、容態が安定したら飛行機でチュニスに運ばれるらしい。篠塚建次郎選手は、昨年、三菱自動車で引退を勧告されると、現役を続けるためにフリーとなり、ニッサン・チームと契約したばかりだったのに、心配だなあ……。

    パリダカ関連サイト

    テレフォニカ・ダカール2003公式サイト(英語)
    ニスモのパリダカ速報ページ

    (追記:読売新聞の速報によれば、篠塚選手とナビは顔面を強打し、重傷を負ったが、ともに生命には別状ないとのこと。ホッ)

    今日届いた本と雑誌
    『やっぱ男は顔でしょう』(内藤みか/光文社・知恵の森文庫/2003年1月刊/552円+税)........ホストクラブに入れあげている官能小説作家・内藤みかさんからのいただきもの。歯医者の待ち時間にドドドと読んだが、ふうむなるほど……とオッサンは、ただうなるのみ。文中に出てくる女性に人気の男性俳優・タレントの名前が、もうわからん。
    「F1 CLUB」(Vol.46最終号/双葉社/2003年1月10日発売/1,429円+税)......この最終号、表紙もカッコいいし、幻のF1マシン「HONDA RC2」だって見られたし、渋いところではモータースポーツを題材にした風刺漫画家ラッセル・ブロックバンクの特集記事もあったりして(この人の漫画集、わたしも持ってます)、読みごたえタップリなのに、オジサンが読みごたえがあるなんて雑誌は、やはり売れ行きが悪いのか……。双葉社のサイトでの扱いも冷たいしなあ……。

    01月10日(金) 友人の見舞いに……

     同業の友人が急病で倒れて入院したとの連絡を受け、電車を乗り継ぎ、見舞いに行ってきた。モノカキ業は漫画家も小説家も、よっぽど売れて蓄えのあるホンの一握りの人を除けば、病に倒れたら、たちまち明日からの生活も不安になる。マンガも小説も、数だけはヤマのように出ているが、1作品あたりの部数は激減し、出版社からの原稿料や印税率のダンピング要請も当たり前。1作品あたりの収入が減っているから漫画家も小説家も、多作しなければ生計が成り立つだけの収入が得られないのが、いまの出版業界の現実なのだ。とりわけ家族もいて、子供の教育費や家のローンなどにお金のかかる年代の漫画家や小説家にとっては、深刻な事態となっている。友人のことは、ぼくにとっても人ごとではない。おそらく同年代の同業者なら、みんな同じ不安を抱えて生きているはずだ。
    「自由業、仕事がなければ不自由業」という標語がモノカキ業界にはあるが、出版不況のいま、「自由業、仕事はあっても不自由業」というのが実状になっている。絶版のサイクルも短くなっていて、「花の印税生活」など「夢のまた夢」というのが現実なのだ。
     そんなことを知ってか知らずか、モノカキ志望者は、相変わらず多い。それも専業になることを夢見ている人が多いという。悪いことはいわない。もしも「いい作品」を書きたい(描きたい)のなら、生計を立てられるだけの職業をほかに持ちなさい。これまでにも兼業でモノカキをする人はいたが、これからは、ますます、兼業の時代となるのは間違いありません。
     帰途、書店で『文藝春秋』を購入し、電車で読みながら最寄り駅へ。ざるそばの夕食をとったあと、喫茶店に入り、ノートパソコンで原稿。その後、いちど帰宅し、午後9時を過ぎてからプールへ。こちらも油断すると、いつ友人のようになるか、わからない。少しでもダイエットしようと、800メートル泳ぎ、さらにハードめのウォーキングを500メートル。


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