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  • 2001年03月上旬の日記

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    03月01日「Motorsports@nifty」順調なスタート?

     なんとかMotorsports@niftyは動いてくれているようだ。少し安心して、今月は本業に専念する決意を固める。

    03月02日 大藪春彦賞、日本SF大賞、SF新人賞の授賞式

     今日は昼過ぎからホンダNSXのチームの発表会、小学館漫画賞授賞式があり、夜には徳間書店の「大藪春彦賞、日本SF大賞、SF新人賞」――いわゆる「徳間三賞」の授賞式(贈賞式と書かれていた)がありで、終日、外出の予定だったのだが、Motorsports@niftyのファイルを更新していたために家を出るのが遅れ、出席できたのは徳間三賞のみ。
     西武池袋線の電車内で、茶髪を尖らせた高校生くらいの兄ちゃんが、一心不乱に文庫本を読んでいる。終点の池袋に着いて席を立つときも、読書を中断されて名残惜しそうだった。最近、電車の車内で男が読書している光景は、めっきり減ってきた。小説を読んでいるのは女性ばかりで、たまに男が本を読んでいても、パソコンやインターネットのマニュアル本、資格試験の参考書の類ばかり。これじゃ小説が売れるわけないな……と思っていたので、久々に読書に熱中する高校生(もしくは大学生)を見て、その読んでいる本が気になった。
     そこで悪いと思いつつも、電車から降りるときに、若者が閉じかけていた文庫本に目を走らせたら、これがなんと「燃えよ剣」(司馬遼太郎)ではないか! ああ、ぼくも同じ年頃に、この小説を夢中になって読んだ経験がある。30年以上前のことだ。わかる、わかるぞ、続きを読みたい、その気持ち。突然、日本の未来に対する希望が湧いてきた。
     ちなみに、こちらが車中で読んでいたのは、「八月十五日の開戦」(池上司/角川書店/1,700円)。パソコンの画面の見過ぎで目が霞んでいたため、車中で読めたのはプロローグのノモンハン事件のシーンだけ。疲れ目で乱視状態になり、文字が読みにくくなってるんです。
     東京會舘のパーティー会場では、SF関係には知り合いが多いため、久々に会う人たちと近況報告などなど。さらにSF大賞、SF新人賞受賞者の2次会に流れて歓談。深夜に帰宅する。

    03月03日 今日はイタリアン

     今日も夕方までMotorsports@niftyの更新。暗くなってから銀座のイタリアンレストランへ。ネット仲間のE氏が、ネットワーク関連の賞を受賞したお祝いの会。スパークリングワインで乾杯して、ピザやパスタを食す。高脂血症のため、たらふく食べられないのが残念。
     午後10時過ぎまで話がはずみ、そのまま地下鉄有楽町線で帰宅。

    03月04日 新作小説の執筆に取りかかる

     昼前に起床し、フジテレビ721でF1オーストラリアGPをライブ観戦。ラルフ・シューマッハーとジャック・ビルヌーブのクラッシュで、オフィシャルが死亡する事故が発生したが、事故のシーンを見て、ジャックが死んだのでは……と思った。ジャックの父のジル・ビルヌーブは、1977年のF1日本GPで、前を走るロニー・ピーターソンの6輪ティレルのリアタイヤに乗りあげ、宙を舞って第1コーナーの外側に侵入していた観客の中に飛び込んだ。観客と警備のアルバイト学生が死亡したがジル・ビルヌーブは無事だった。だが、その強運も数年しか保たず、再び、ベルギーのゾルダーで宙に舞ったとき、ついに帰らぬ人となった。
     そういえば1992年のF1日本GPの後、鈴鹿サーキットでジャック・ビルヌーブやジェフ・クロスノフと一緒にカラオケをしたことがあるが、ジェフもカナダ・トロントのCARTレースで、同じように空を舞い、立木と街路灯の柱に激突して死亡した。このときもオフィシャルが1人死亡しているが、母親は「息子は一番好きなことをしていて死んだのだから、後悔していることはないと思います」とコメント。オーストラリアGPの事故で死んだオフィシャルの家族も、同じような談話を発表していた。
     このあたりの「死」というものに対する感じ方、考え方――つまり死生観が、日本人のそれとは大きく異なっていると感じるのは、国内のレースで大きな事故があったときのこと。オフィシャルのみならず、ドライバーの家族からも訴訟が起きるのは、事故後の対応に問題があるせいもあるだろうが、根本的には、死生観、宗教観の違いによるものではないか。このあたりが変わらない限り、あるいは日本的であり続ける限り、日本人のF1チャンピオンなどは生まれてこないのではなかろうか……。かつて書いた『龍の伝説』というF1レース小説は、そんな疑問が生み出した作品でもある。
     Motorsports@niftyも、何とか無事に動き出したようだ。そろそろ新作小説の執筆に専念せねば……。

    03月05日 新作小説の執筆に取りかかる前に……

     新作の小説は、プロットもできあがり、必要な資料もパソコンに打ち込んであるので、すぐにでも執筆に取りかかれるのだが、どのような「文体」にしようか決めあぐね、あれこれ小説を読んでは、しばし思いをめぐらす。

    03月06日 文体と視点に四苦八苦

     とりあえずプロローグに取りかかるが、書いては消し、書いては消しの繰り返し。架空戦記小説の場合は、「視点」も自在に変えられる時代小説風の文章を意識しているが、こんどの作品は、冒険小説の要素もあり、登場人物たちもキャラクターを立てる必要がある。となれば「1場面1視点」の原則で、登場人物の視点を借りた描写にしようかとも思うが、それだとストーリーの展開が遅くなる。ノベルスで全2冊の作品だが、これで数年間を駆け抜けなくてはいけないからだ。
     とりえあえずは「自在な視点」で行こうと決めるが、それでもプロローグの書き出しに難渋する。
     マンガ版のパソコン入門書の依頼を受けていたのだが、あまりにも部数が少ないため、引き受けることできず。マンガは、文章の仕事に比べると、人件費まで含め、コストがかかります。そのコストを吸収するには、当然、「売れる」本でなければなりません。販売体制も含め、マンガ入門書などは、大手の出版社でなければ無理ですね。

    03月07日 とりあえず原稿を進める

     でも、やはり書いては消し……で進まない。

    03月08日 「あらし」のイラスト

     気分転換も兼ねて、雑誌「ペントハウス」から依頼された「ゲームセンターあらし」のイラストを描く。小さなカットだが、2倍ほどの大きさでペン入れしたものをスキャナーでパソコンに取り込み、フォトショップで仕上げ。これをメールで送信する。
     自転車で税務署に確定申告用の足りない用紙をもらいにいき、帰宅後、申告用紙を埋める。

    03月09日 ゲラが来た!

     午後、徒歩で税務署に出かけ、確定申告。帰途、22年前(1944年)に上京したときに初めて住んだアパートの前を通る。1年ほど前までは人が住んでいる気配があったが、今回は、もはや人気なし。隣の大家さん宅も空き家のようで、近々、取り壊しになりそうな感じ。帰途、大泉学園、保谷の喫茶店をハシゴしながら原稿。
     夜、今月末に発売予定の「学習漫画・パソコン大すき!」(集英社)のゲラが届き、ヒイコラと赤入れ。2折りを残して眠気に負けダウン。

    03月10日 ゲラを返す

     午前中に置き、残っていたゲラの点検。午後、編集者がゲラを取りにくる。夕方から徒歩で喫茶店に出かけ原稿。しかしノリが悪い。


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