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  • 2000 年 06 月 下 旬の日記

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    06月21日 残り1章

     2時間の睡眠で飛び起き、書き上げてあった架空戦記の第4章までを送信。「F1倶楽部」の連載原稿(F1関連のサイト紹介)につける画面をキャプチャーし、グレースケールに変換して原稿と一緒に送信。
     あとは、ひたすら架空戦記のラストスパート。最終章は明後日でも間に合うとのことで、明け方、ビールとウィスキーをあおって寝る。

    06月22日 「あらし」復刻版・第3巻が届く

     久々、6時間も寝たが、睡眠時間の割りには文字が霞む。
     宅配便で「ゲームセンターあらし」完全復刻版の第3巻が宅配便で到着。解説は桜庭和志さんという方が担当しているが、どこの誰だか心当たりがない。最後に「高田道場」と書かれていたので、格闘技関係の人か……と記憶をたどっているうちに、あ、あのグレーシー柔術に勝ったプロレスラーではなかったか……と思い当たる。格闘技については、ボクシングとWWFのプロレスくらいしか見ないもので、すぐにはピンと来なかったんです。ファンの方、ゴメンナサイ。格闘技ファンの方(複数)から、「桜庭和志の必殺技に影響を与えたなんて、スゴイ!」と興奮したメールが届き、凄い人に解説してもらったんだということを実感しつつあるところです。
     とはいえ、とにかく目先の原稿だ。途中、仮眠を取ろうとしたが、頭の中はハイになっているため眠ることはできず。ただ目を休めることに専念。それでも30分くらいは眠ったらしい。校了間際の状態のため、ページ数の制限を受けている。最終章は、23字×1450〜1480行の間で書き終えないといけない状態。日付は変わり、午前8時に脱稿するも、100行以上オーバー。これを削りはじめるが、原稿は、書くのよりも削る方が時間がかかる。目が限界に達し、アイスノンを目に当てて、2時間の仮眠を取ることに。

    06月23日 廃人状態でボロボロ……

     マンガ家時代から、睡眠時間を決めると、目覚ましなしでも目が覚める特技を持っている。仮眠も1時間だけと決めれば、その時間で起きられる。午前10時、2時間の仮眠を取って起きると、目がボロボロ。パソコンの文字サイズを大きくして、必死に原稿の削除。
    「できました?」の電話がかかってきたときには、残り5行。「10分以内に送ります」と返事して電話を切った後、何とかノルマの1480行まで原稿を圧縮して、資料の地図の画像と一緒に送信。さらに表紙カバーにつける作者の言葉も書いて、なんとか原稿が終了。
     明日は、第4章までのゲラが届き、最終の第5章のゲラは月曜日にFAXで届く予定。これで火曜日に校了すれば、何とか発売日には間に合いそうだ。
     こんな綱渡りになったのは、全巻の締切が、発売日の変更でズレていたため。今回も同様の締切日だと思って、別の本の原稿を書いていたのが敗因だった。締切はキチンと確認しなければ……と反省(すでに何十回、同じ反省をしたことやら)。
     ほっと一息ついて、ようやく寝られるわい、と午後1時からウィスキーをロックで一杯。午後2時に布団に潜るも、午後4時には電話で起こされる。明日の取材の確認。
     そのまま起きて夕食を取るも、横浜・巨人戦のナイターを見ている途中でダウン。午後11時まで寝てしまうが、明日は取材で外出するので、風呂に入らないと……と思って布団から抜け出し、月曜が締切の原稿に着手。まだ当分休みはない。


    06月24日 吉村達也氏の書斎を取材

    「週刊小説」の次号に掲載される「すがやみつるの拝見!! 作家の電脳書斎」という特集記事のため、今日は雨の中、ミステリー作家・吉村達也氏の仕事場を編集長と一緒に訪問。
     吉村氏に会うのは16年ぶりくらいだろうか。当時、フジサンケイ・グループが晴海で開催した「夢工場」というイベントがあり、ぼくは石ノ森章太郎先生の企画の手伝いをしたが、その打ち合わせの会議に、扶桑社を代表して出席していたのが、同社の書籍部門の編集長だった吉村氏だった。
     その後、突然、吉村氏から『創刊号殺人事件』というデビュー2作目が送られてきてビックリ。さらにもっとビックリしたのは、あのJ・F・ケネディの暗殺を題材にした『Kの悲劇』の作者でもあったこと。『Kの悲劇』は別のペンネームで書かれていたが、謎の新人作家ということで気になって購入したのだが、面白くて一気読みしたものだった(その後、吉村達也名義で角川文庫、徳間文庫に入っている)。
     吉村氏が、ワープロからパソコンに変えてからまだ3年だとのことだが、書斎はパソコンだらけ。21世紀の作家はどうあるべきかと思索しながらパソコンを駆使し、いまは時代のOSになりそうなLinuxにまで手を染めている。
     昨年の秋、近所の書店を探しても買えなかった『たった3カ月でTOEICテスト905点とった』(ダイヤモンド社/1,400円)という英語入門書をお土産にいただいて吉村氏の仕事場を辞去。原稿の締切が迫っているので、帰途、新宿、中野の喫茶店をハシゴしながら原稿を書こうと思ったのだが、『たった3カ月で〜』がメチャおもしろく、結局、原稿は書かずに一気読み。こちらも『パソコン通信で英語がわかった』(改訂版まで出たが現在絶版)なんて本を書いた身でもあるので、吉村氏の英語本が気になっていたんですが、TOEICの採点表まで出ているので説得力がありますね。
     原稿が進まず、これはマズいと高円寺の喫茶店に移り、少し原稿を書く。すでに夜も更けていたので、久しぶりのスナックに顔を出すと、マンガ家のながいのりあきさんが、青年コミック誌の編集者とストーリーの打ち合わせ中。その打ち合わせがすむのを横で待って、後は、編集者を交えて歓談。結局、帰宅は午前2時過ぎになってしまった。

    06月25日 選挙に行こう

     午前中に起きると小説家のW氏から、出版社で原稿をうまく受信してもらえないとのメール。いちおうサンプルを送ってもらうが、とくに問題なし。出版社側のプロバイダーが、専用ソフトを使うところなので、サポートに電話で確認すると、添付ファイルの名前は、「半角8文字+拡張子」のDOSのような制限があるという。こちらが同じ出版社に送るときは、DOS時代からのクセで、その制限に近いファイル名にしていたので問題がなかったらしい。
     ところがW氏の話では、つい最近までは問題なくテキストファイルを添付したメールが、問題なく出版社側で受信できていたという。となれば問題があるのは、出版社側のMacか、専用ソフト、あるいはプロバイダーのメールサーバーということになる。週明けに出版社側に問い合わせて確認してみることにする。
     インターネットのメールの場合、メールソフトやプロバイダーのサーバーの設定によって、しばしば、このような問題が起こる。半角カナは使うな、題名や送信者名に2バイト文字は使うな、といった基本ルールがあるが、こんなことを気にせずにメールをやりとりできなければ、とてもじゃないが、ネット社会の到来なんていえないだろう。早く、漢字コードの問題も含め、世界共通のフォーマットを作ってほしいものだ。
     午後、「週刊小説」の原稿を書き上げ、夕食前に衆議院選挙の投票に。帰宅したら身体がしんどくて、座椅子にもたれて仮眠。すぐに目が覚め、選挙速報を見る。以前は選挙もサボってばかりだったが、馬券を買わない競馬が面白くないように、選挙も投票しないと速報が面白くないものだ。え、こんな動機で投票するのは不謹慎だって?


    06月25日 あと一息

    「週刊小説」の原稿をメールで送信した後、架空戦記の最終章のゲラもFAXで届いたので、喫茶店に出かけてゲラに赤入れ。途中、眠気に耐えられなくなり、帰宅を決意。ボンヤリしていたせいで、老眼+乱視用の眼鏡をかけたまま喫茶店を出て、眼鏡ケースを置き忘れたことに気づく。あわてて喫茶店に戻ったおかげで、ベルトについていた万歩計の数字が1000ほど増えた。
     帰宅後、座椅子で少し仮眠をとり、シコシコとゲラの赤入れ。目が不調なので、早く寝て、続きは明朝……と思ったが、三宅島の噴火が気になり、つい朝まで起きてしまう。

    06月27日 あああ! コロッケうどんが消えた!

     結局、最終章の赤入れを残してしまったため、昼過ぎ、銀座の有楽出版社にゲラを届ける道すがら、電車のなかで赤入れ。途中、西武池袋駅地下の立ち食いコーナーに寄り、コロッケうどんを食べようと思ったら、立ち食いコーナーが模様替えされていて、食券を自動販売機で購入するシステムに。ところが自動販売機のメニューに「コロッケうどん」がない! 今日だって、ここでコロッケうどんを食べるのを楽しみにして、家では食事をとらなかったのに! ここのうどんは、麺はありがちのものだが、出汁は関西風……というか讃岐風で、けっこういける。コロッケうどんを食べ終え、おつゆを飲み干していくと、最後にトロッとしたコロッケのポテトと混じったものが残る。これがけっこう美味くて、しかも、この中にグリーンピースが残っていたりすると、何だか、今日1日、幸せに生きていけそうな気分になれたのに!
     しかたなしに天玉うどんを食べて有楽町線で東銀座まで。ゲラのチェックがすべて終わらないので、喫茶店に飛び込んで最後の追い込み。1時間弱でチェックを終えて、有楽出版社にゲラを届け、担当者と不明点の摺り合わせ。
     その後で編集部のMacをチェック。日曜日にメール送信のトラブルがあったのは、この編集部のMacのことで、AOLの通信ソフトを起動してもらい、内容をチェック。やはりメールの題名に使われている漢字の中にメタ文字でもあるようで、それが原因でバイトずれを起こし、メールの本文も読めなくなり、添付ファイルも勝手に「ZIP」の拡張子がついたファイル名になってしまっているらしい。こちらが送信した資料用のGIFファイルも、勝手にZIPになっていたが、コンテントタイプに「GIF」が登録されていないのかもしれない。
     AOLのような特殊な専用ソフトを必要とするプロバイダーだと、何か問題が起きた場合でも、SOSできる人が少ないので(会員は多いが圧倒的に初心者が多い)、汎用のメールソフトが使える別のプロバイダーに加入することをお薦めする。でも、Mac用のOutlook Expressをインストールしようとしたら、Mac OSのバージョンが古すぎたために使用できず。OSのバージョンアップが先のようだ。
     さらに別の女性社員が、見たいのに見られないというCD-ROMがあるというので、これもチェック。ファッション雑誌「Vogue」のジュエリーコレクションを紹介するCD-ROMらしい。イタリア語と英語のメニューがあるが、途中でストップ。その原因は、Quick Timeが入っていないせいだった。Quick Timeは同じCD-ROMに入っていたので、これをインストールして一件落着。
     有楽出版社を後にして、地下鉄銀座線で末広町へ向かい、徒歩で秋葉原のぷらっとホームへ。ここで自宅のLANに接続する小型のサーバーを購入。商品はホームページで確認してあったのに、老人力で固有名詞を忘れ、ちょっとアタフタ。社長がいたら、「東証マザーズ上場おめでとう」を言おうと思っていたのだが、アメリカに買い付けにいっていて留守だった。
     秋葉原デパートの1Fで、お好み焼きそばを食べ、JR京浜東北線で新橋へ移動。6時からは日本推理作家協会賞の授賞式。この会場で「週刊小説」の編集長から、昨日送った「すがやみつるの拝見!! 作家の電脳書斎」の原稿につけるイラストは、金曜日でもOKと言われ、そそくさと帰るつもりでいたのを延期。
     パーティーでは、ワイン2杯とシャーベットを1個食べただけだったので(これで会費1万円は高いけど、食事や飲食が目的ではないので。最初から食事できないのは覚悟の上で、お好み焼きそばを食べてきたのです)、新宿のホテルに戻る太田忠司さんと2人で、四谷のメキシコ料理店に寄り、メキシカンビールと軽い食事。隣の席が酔っぱらった若者たちで盛り上がっていて、もううるさいのなんの。耳も痛くなってきたので早々に退散。
     JRの快速に乗って新宿で太田さんと別れ、こちらは高円寺に寝酒を飲みに寄る。

    06月28日 ハブを買い足し

    「週刊小説」のイラストの締切が伸びたおかげで、久しぶりに8時間の睡眠。しかし、このところ多くても4時間くらいの睡眠が続いていたせいで、まだ寝たりない。
     とりあえず昨日購入した小型サーバーを設置しようと思ったら、ハブが足りないのに気がついた。しかたがないのでクルマで大泉のヤマダ電器までハブの買い出し。1個2000円もしないなんて、安くなったものですね。
     ついでに復活したトラックボール・レッツノートを触ってみたが、トラックボールが小さくなっていて、ちょっと使いづらい感じ。それよりもセキュリティ用のキーを差し込む場所の位置が悪い。ぼくの手の置き方だと、手首がちょうど当たる。ノートパソコンの縁に、手首をタコができるほど強く押し当てるので、これは、ちとツライかも。ついでに隣にあったスライドパッドのレッツノートを試したら、けっこう使える感じではないか。これだけスライドパッドも感度が良くなっているのなら、無理にトラックボールのレッツノートにする必要はないかも……。それよりも、いま使っているトラックボール・レッツノートAL-N2でも、テキスト主体の利用法では、まるで問題がない。とりあえず、もうしばらくAL-N2を使いつづけることにしよう。昨年の秋にキーボードも交換したばかりだし。
     帰宅後、LANの再設定をしていたら、Windows 98のCD-ROMが行方不明で家捜し。レッツノートにコピーしてあったWindows 98のCD-ROMの内容を、デスクトップに転送して、こちらから必要なファイルを読み込み、なんとか再設定に成功。
     シコシコとイラストを描き始めたら、メモリーが足りなくなってパソコンがフリーズ。悔しいので、今夜は寝ることにする。

    06月29日 パソコンを買い換えないとダメかな?

     今日は「週刊小説」のイラストに専念。「PaintShopPro 6.0J」のレイヤー機能を使って、デジカメで撮影した作家の方々の書斎の写真を下敷きに、その上に線画をトレスしていこうと思ったら、レイヤー部分の表示が遅くてイライライラ。Pentium 166MHzでは、こんな重い画像の処理には無理があるらしい。これでは徹夜しても完成しそうにないので、あれこれ考えた末、デジカメ写真をガンマ処理でぼかし、これをモノクロ2進の画像に変換。これを「PhotShop LE」に移動して、画像の上に線を重ねる方法で絵を描いていく。
     とりあえず3枚分のイラストができたのは午前8時。あとはネームを入れるだけなので、2時間ほど仮眠。

    06月30日 PDFが送れない?

     2時間の仮眠で飛び起き、完成した画像をTIFFファイルに変換して、これを「PageMaker 6.5J」に移し、吹き出しを重ねた上にネームを打ち込んでいく。これを「Acrobat」でPDF出力して完成……のつもりが、「Acrobat Exchange 4.0J」で読み込み、印刷したら、ネームの部分が白黒反転してしまっている。あじゃ、どうしましょう……と考えた末、ネーム無しのバージョンも作成して2通に分けて送ることに。
     1つのファイルが3MB以上になったため、@niftyでは送信できず(2MBまで)、@niftyの別のアドレスを使って送信(こちらは5MBまでOK)。送信した後で、ふと思い立って、ネーム入りのPDFファイルを「Acrobat Reader 4.0J」で読み込み、これを印刷してみると、あれま、キチンと印刷される。「Acrobat Exchange 4.0J」だと問題ありなのに、よく原因がわからん。
     なんとか「週刊小説」編集部でも「Acrobat Reader 4.0J」を使ってイラストをプリントできたが、こちらで打ち込んだネームに誤植があった。それを「PageMaker 6.5J」の上で打ち直して、再度PDFファイルを作成し直し、さらにデジカメで撮影した作家の皆さんの顔写真も添えてメールで送信。あちらにも「Acrobat Exchange 4.0」があれば、ちょっとしたネームの訂正もできるのだが……。
     とりあえずイラストが終了し、「ゲームセンターあらし」復刻版・最終第4巻につける「あとがき」にかかるが、頭がボケていて原稿が進まず。座椅子にもたれてグォー。途中で目が覚め、寝室に這って移動し、またバタングー。


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