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  • 2000年03月下旬の日記
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    03月21日 一家で芝居見物

     このところ腰の痛みで目が覚める毎日で、慢性の睡眠不足が続いている。夕方から家族全員を車に乗せて観劇に出かけないといけないのに、睡眠不足では運転が危ない。無理に目を閉じて30分ほど昼寝し、なんとか芝居見物に出発。
     芝居を見るのは恵比寿にあるテアトル・エコーの劇場だが、付近に駐車場があるかどうかわからないので、新宿の地下駐車場に車を置き、小田急デパートの上にあるソバ屋で食事をすませ、山手線で恵比寿に移動。少し早く着きすぎて劇場前で、しばし開場を待つ。
     芝居は、幼い頃、我が家の一員のようにして育ち、いまは女優・声優になっている石津彩の出演している「にぎやかな楽園」という4幕のオムニバス。ちょっと筒井康隆さんっぽいシュールな一面もあるコメディで、途中で寝てしまったらどうしようかと不安になったが、面白かったので持ちこたえることができた。
     芝居がハネた後、母とカミサンが石津彩に会うために楽屋に押しかけたため、戻ってくるのを娘たちと外で待つ。以前、こちらも一緒に楽屋に出かけていったことがあるのだが、女優さんたちが着替えしているところにぶつかりバツの悪い思いをしたので(あちらはヘッチャラだったが)、今回は外で待つことにした。
     その後は、再び山手線で新宿まで戻り、車で裏道を抜けながら家路につく。家に着いてメールをチェックしたら、『ゲームセンターあらし』復刻版が、明日あたりから書店に並ぶという連絡が入っていた。発売日は、もっと後だと思っていたのに……。

    03月22日 『ゲームセンターあらし』復刻版の解説に涙

     朝から『まんがでわかるネット株入門』(これが正式タイトル)の再校で直すデータのチェック。証券会社のインターネット取引の手数料などのデータは、証券会社同士の競争によって激しく変化するため、最後の最後に見直しをすることになっていたが、これが予想外に大きく変化していて、結局、各証券会社のホームページをひとつひとつチェックし、データをすべて入れ替えることにする。
     この作業の途中、宅配便で『ゲームセンターあらし』復刻版第1巻の見本が届く。850ページというのは、さすがに厚い。『あらし』の担当編集者だった武田さんが書いてくれた解説を読み、ちょっと涙腺がゆるんでしまった。いま、こうしたマンガ家(小説家も)と編集者の関係って、あまりないですもんねえ……。
     そういえば最近は、近所のファミレスでも、夜中に打ち合わせをしているマンガ家と編集者も見かけなくなった。10年頃前までだと、午前1時、2時でも、ファミレスに出かけると、たいていマンガ家と編集者がネーム用紙を挟んで打ち合わせしていたものだったけど。もしかすると最近のマンガから熱気が失せているのは、こんなところにも原因があるのかも……。
     夕方、ロン毛状態になっていた髪が邪魔くさいので、理容店に出かけて短くしてもらい、そのあとで某メールマガジンで連載がスタートするコラムの原稿。すでに何本かできているのだが、テーマも長さも自由ということで、かえって焦点が定まらなくなってしまった感じ。家で仕事していると眠気に負けそうなので、午後11時を過ぎてから、エイヤッと気合いを入れて車でファミレスに出撃。パワーバッテリーを持っていくのを忘れたので少しヒヤヒヤしたが、環境を変えたら一気に原稿が進み、バッテリー切れになる前に原稿が終了。即座に帰宅して、なんとか締切前に原稿を送信。

    03月23日 雑誌の取材でインターネットの未来について語る

     なんだか最近すっかりジャストシステムづいているのだが、今日もまた同社の雑誌「ジャストモアイ」の取材を受ける。インターネット特集の中で、インターネットをどのように使っているか、インターネットのこれからはどうなるか……といったことについてインタビューされる。
     インターネットの未来については、ますますテレビ化するだろう……というのが、ぼくの考えだ。高速回線が当たり前になれば、新しいテレビとなっていくのが必然のはずだ。

    03月24日 またBASICのプログラムに手を出す

     今夜からF1ブラジルGP。第1戦のオーストラリアGPは、株のマンガの締切で、@nifty・オートレーシング情報フォーラムの速報をサボってしまったため、今回は罪滅ぼしに、深夜の更新を担当する予定。
     しかし、この速報が、けっこう大変なのであります。以前、DOS時代のPC-9801を使っていた頃は、フォーラムのメンバーが作ってくれた「りざると君」というレース結果作成ソフトがあって、とても便利だったのだが、Windows 95以降は、しこしことエディターで日本語の結果表を作成。これでは時間がかかってしかたがないので、またもBASICでプログラムを組むことにする。なんとかわかるプログラム言語といったら、これしかないのだからしかたがない。
     英語版で送られてくる結果表の順位とゼッケンを読み込み、それと対応した日本語のドライバー&マシンのリストを並べていくものだ。タイム差や平均時速の計算もさせたかったが、時間切れで次回にまわすことに。
     夕方までに何とかプログラムができたので、夕食をとった後で、運動不足の解消も兼ねて徒歩で書店へ。マンガの売り場で『あらし』の復刻版が1冊あるのを見つけたが、入荷は1冊だけなのか、セロファンでくるまれて、多数の新刊の中で背表紙が見えるだけ。知人、友人の本だと平気で目立つ場所に移動するのだが、自分の本だと恥ずかしくてできない。売れてくれ……と祈りつつ、第11回「日本ファンタジーノベル大賞」優秀賞受賞作の『BH85』(森青花・著/新潮社/1,300円/装丁・吾妻ひでお)と「朝日クロニクル・週刊20世紀」(将来書く予定の歴史ミステリーの資料)の1905年の号を購入してからモスバーガーへ。ここでメールマガジン連載予定のコラムを1本書き上げ、午後11時過ぎ、徒歩で帰宅。
     すでにF1ブラジルの第1回フリー走行は始まっていた。「F1倶楽部」のF1関連サイトを紹介する連載記事では、次回、F1関連の速報サイトを紹介する予定なので、サブノート・パソコンで、同時に2つの速報サイトを開き、リロードされてはタイムやニュースが更新されていく様子をチェック。明日の予選では、3つのサイトを同時にチェックの予定。
     フリー走行の終了と同時に英語版の結果表をゲットして、これを昼間作ったBASICのプログラムで日本語の結果表に変換する。ほんの1分ほどで結果表は完成。昨年までに比べると大幅な合理化が達成できたことになる。
     これを@niftyオートレーシング情報フォーラムの会議室とホームページに掲載し、さらに、その後に入ってきたフリー走行のニュースを訳しているうちに、早くも午後のフリー走行がスタート。午前はバリチェッロがトップだったが、午後はハッキネンが一番時計。アロウズのデ・ラ・ロサが5位に飛び込んでビックリ。フェルスタッペンも7位とあっては、アロウズとの契約をやめて日本に戻ってきた高木虎之助選手も悔しいだろうなあ……。
     2回目のフリー走行タイムとニュースの訳を掲載し、本日のお役目は終了。別の翻訳スタッフとバトンタッチして、CART第1戦マイアミのライブタイミングを覗く。ありゃ、こちらは上位がすべてフォード。ホンダはどうした? 中野信治は17位(Tカーが走っているので実質15位くらいか)。黒澤琢弥は後方に沈んでいるが、チームの体制も違うし、こんなところが妥当か。黒澤には、切れないで走ってほしい。オーバルのレースは、体力1割、精神力が9割だというからなあ……。

    03月25日 「クイック・ジャパン」の取材を受ける

     CARTの練習走行をWebサイトで見ていたおかげで、結局、寝たのは午前8時過ぎ。またまた腰痛に苛まれ、昼過ぎには起きてしまう。
     午後3時、「ゲームセンターあらし」完全復刻版を出してもらっている太田出版の編集者と、わざわざ大阪から来てくれたライターさんと待ち合わせ、喫茶店で太田出版から発売されている「クイック・ジャパン」誌用のインタビューを受ける。ライターさんは、「あらし」完全復刻版の間に入っているゲームについてのコラムも書いてくれた人で、やはり、あらし世代とのこと。「あらし」を執筆することになった経緯などを2時間ほど話す。
     インタビュー終了後は急いで帰宅し、フォーミュラ・ニッポンとF3第1戦の予選結果を@nifty・オートレーシング情報フォーラムからゲット。英語版の結果表を作成して、CompuServeのモータースポーツ・フォーミュラにアップ。さらにコラムの原稿を書きつつ午後10時過ぎからは、F1ブラジルGPのフリー走行、予選の速報を@nifty・オートレーシング情報フォーラム(FMOTOR4)に送る。
     ブラジルGP予選は、看板が落ちて3回も赤旗中断。さらに雨が降って予選終了時刻が遅れ、予選のリポートが入ってくるのも遅くなる。やっとこさ予選リポートが入ってきたのは午前3時過ぎ。半分、居眠りしそうになりながら訳して、これもFMOTOR4にアップ。寝る前にCART第1戦の予選結果を見たら、中野信治は15位。初のオーバルで、この順位は立派。

    03月26日 眠い〜!

     今日も恒例の腰痛で午前中に起床。ケーブルテレビの試用期間で無料で見られるスカイスポーツでは、鈴鹿のレースを生中継。F3レースは間に合わなかったが、ついスーパーバイクとフォーミュラ・ニッポンの決勝レースを見てしまう。フォーミュラ・ニッポンの決勝は、雨のせいもあって赤旗中断。2パート制になってしまったが、いやあ、久々に高木虎之助が速い速い。F1に行く前、F3000やフォーミュラ・ニッポンに乗っていた当時の、まるでカートみたいにマシンを自在に操るトラが戻ってきた。
     テレビの画面にはトラ父の高木政巳さんの姿も。15年ほど前、レースのチームを運営していた頃は、よく一緒にレースに出かけていた。富士のレースに出るために、マシンを借りたこともあったっけ。その頃、小学生だったトラちゃんも、いつもサーキットに来ていたけれど、F1に行く前と同様に、実に無口で何も話さない子供でした。
     今夜もF1ブラジルGP決勝レースの速報をしないといけないので、夕食後、座椅子にもたれて仮眠を取り、午後9時30分からブラジルGPのウォームアップの速報。決勝レースは午前2時からフジテレビでナマ放送。フォーミュラ・ニッポンの録画中継は0時55分からなので、夜更かしのレースファンは、ぜひご覧ください。

    03月27日 結局、朝まで生テレビ

     今朝は眠くてたまらなかったのにスポーツi・ESPNでライブ中継されていたCART第1戦マイアミが、トップに立ったマシンが次々と脱落という思わぬ展開となったため、つい目が離せず最後まで見てしまう。中野信治選手は、後半になってやっと画面に映ったが、途中はサッパリ。しかし、ライブ計時を見ていると、ラップタイムもコンスタントで、上位にひけをとっていない。クリスチャン・フィッティパルディを追い回したりで、実に安定した走行。結局8位でフィニッシュしたが、初のオーバルでこの成績というのは最高の結果だろう。クレバーなドライバーだけにオーバルには合っているのかも。
     途中、何度かF1ブラジルGPの正式結果を入手しようとしたが、こちらはさっぱり入ってこないため、あきらめて寝てしまう。
     で、昼過ぎに起きてからF1関連サイトを巡回すると、なんと、デビッド・クルサードのマクラーレンが再車検に引っかかって失格だと。あわてて@niftyオートレーシング情報フォーラムに失格の経緯を掲載し、つづいて「クイック・ジャパン」のインタビュー記事のチェック。その途中で次の架空戦記小説の催促の電話。こちらも急がねばならないが、まだコラムの原稿が終わっていない。このコラムの原稿でamazon.comのことに触れている関係で、確認のためアクセスしたら、お薦め本の中にアメリカ海軍のニミッツ大将とハルゼー中将の伝記が。前に検索したときは、いずれも品切れで購入できなかったもの。あわててショッピングカートに入れて注文。

    03月28日 久々のプールで足腰ガタガタ

     あまりにも腰痛が激しいので、難航していたコラムの原稿も終わったことだし……と、土砂降りの雨のなかをクルマでプールへ。水中ウォーキングの腰痛防止メニューに従って300メートル歩き、その後でクロールとバタフライで300メートル。数カ月サボっていたせいで、もう足腰ガクガク。帰途、ファミレスに寄ってコーヒーを飲みながら資料読み。

    03月29日 久々のプールで筋肉痛

     うー。情けないことに、昨日、プールでちょこっと泳いだだけで、筋肉が悲鳴をあげている。もう少しコマメにプールに行こう。資料読みで仕事が進まず。

    03月30日 今日も資料読み

     ふと思い立って10年前に作ったテキスト・アドベンチャー・ゲームをHTML化する。とはいっても、そのまま作ると140以上ものファイルになる長いテキストファイルを、シコシコと手打ちのタグでHTML化していくのは大変だ。そこで例によってBASICでプログラムを書き、1個1個のHTMLファイルにして吐き出させることにする。
     先にエディターの置換機能を使ってリンク部分にタグを埋め込んでおいてからプログラムを走らせ、数回のエラーとバグ潰しの後、なんとか「レーシング・アドベンチャー」というテキスト・アドベンチャー・ゲーム」が完成。14歳の少年がF1ドライバーをめざして苦難の道を歩く(?)物語だ。ひとつひとつのファイルが小さいため、iモードでも遊べるが、すべての選択肢を試すとパケット料金が330円になる。パソコンでのアクセスでも、テレホーダイタイムでないとむずかしいだろうなあ。
     一応、●ここ●に登録してありますが……あ、いま思いついた。パソコンなら自分のハードディスクにコピーして試せば、電話代もかからないではないか。
     というわけで圧縮ファイル(lzh)にしたものを★こちら★に登録しておきますので、よかったら試してみてください。

     あ、こんなことをしていないで仕事せねば。5月からスタートする新聞の連載や、「F1倶楽部」連載の原稿の催促も来てしまった。

    03月31日 今日も資料読み

     すでに次の架空戦記小説に着手していなければならないのに、いまだ資料読み。英語の本が多いのが、資料読みの進まない一因でもある。早くプロットを作り上げないと……。
     そういえば霧島那智さんのホームページの掲示板で、架空戦記に関する論議があったけど、架空戦記バブルという状況は、すでに弾けているのではないのかなあ……。
     ぼくの本にも「シミュレーション戦記」と明記してあるけど、これはぼくも変えてほしいと要求しているが、さっぱり変えてもらえないのが実状。ぼくの作品でいえば、「痛快架空戦記アクション」あたりがふさわしいと思っているんだけどなあ。マンガのイメージが強くて、「シミュレーションなんか似合わない」のだそうで、それならば……と、最近の架空戦記で意識しているのは「講談小説」。文体も、昭和30年以前の講談調時代小説を参考にしながら、講釈師が張り扇を叩きながら語っているような調子を心がけている。そのせいか、大先輩の時代小説作家さんから、「お前、最近、文章がうまくなったな」といわれてしまった。思わず「皮肉ですか?」と問い返してしまったけど(笑)。

     最近、架空戦記の歴史に関する意見もいろいろあるようだけど、SF系では豊田有恒さんの『タイムスリップ大戦争』や『パラレルワールド大戦争』(最近ハルキ文庫から復刊された『退魔戦記』などを入れる人もいる)や、高木彬光氏の『連合艦隊ついに勝つ』などをあげる人が多いが、ここに『空母プロメテウス』(岡本好古・作/「小説現代新人賞」受賞作/直木賞候補作)も加えてほしいなあ。舞台はベトナム戦争で、仮想・架空戦記とは、ちょっと違うのでありますが。系譜としては大石英司さん、鳴海章さんに続くといった感じでしょうか。
     とりあえず昭和30年代の戦記マンガとプラモブームの中で育ったこちとらは、零戦とグラマンのプラモを両手に持って「ギュイーン、ドガガガガ」と空中戦ごっこをしていた頃のノリが出れば……と思いつつ、新作の架空戦記に専念することにします。ぼくの架空戦記小説を買ってくださる人たちの多くも、やはり、こんな世代の方が多いらしく、『ゼロ戦レッド』や『ゼロ戦はやと』『大空のちかい』『紫電改のタカ』『あかつき戦闘隊』といった戦記マンガを重ね合わせて読んでくださっているみたいでありますので……。


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