#143 名門チームに移籍


 キミは、キミのためのチームを離れ、名門チームに所属した。アラブ人のスポンサーも、それを快く了承し、気心の知れたメカニックたちまで移籍させてくれた。
 翌年、キミは、その名門チームで頭角を現し、ナンバーワン・ドライバーをおびやかす存在になった。しばしば予選でポールを奪い、ナンバーワン・ドライバーからのコース外での攻撃を受けたが、アラブの砂漠の中で死線を越えてきたキミは、そんなことにはたじろがなかった。
 その翌年、ナンバーワン・ドライバーは別のチームに移籍し、キミが名実ともにナンバーワンとなった。それに歩調を合わせるかのように、日本の自動車メーカーが、キミのチームにエンジンを供給することになった。パワフルなエンジンを得たキミは、向かうところ敵なしだった。
 そして、ついにその年のチャンピオンに輝き、その後も3年連続チャンピオンを獲得したのだった。
 
 おめでとう! いまキミは、チャンピオンの中のチャンピオンになったのだ!

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