#139 SWC鈴鹿、そしてF1へ


 キミはSWC鈴鹿に参戦した。ここでキミは、強豪のベンツを破り、ついに優勝した。
 しかし、スポーツカーレースの場合は、ドライバーよりも車やメーカーの名前が優勝する。新聞の見出しだって、「トミタ、SWC鈴鹿を制覇!」なのだ。
 キミは、ルマンでも2位に入り、名を上げた。だが、キミの胸の中にはフラストレーションがたまっていった。
「どうしてもF1をやりたい!」
 キミは、トミタから申し出のあった来年の契約を蹴った。そして、弱小F1チームにコンタクトをとり、ついにシートを確保した。
 翌年、予備予選組のチームからF1に出たキミは、全レース予備予選落ちを味わった。その横で、トミタがエンジンをサポートした新チームが、毎回、予備予選を通過。ポイントも獲得して、予備予選組から脱出していった。
 キミは、トミタに乗せてもらえないかと交渉した。だが、足蹴にされたトミタが、キミを迎え入れるはずもなかった。キミは、翌年のシートの確保もできないまま、SWCの2流チームで走ることになった。いつの日か、F1のシートを確保できることを夢見ながら……。

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