#130 包みをトイレに流す
キミは、包みをトイレの便器に落とし、水を流した。
しかし、包みは邪魔になって水があふれ出した。おまけに、水の栓も故障して、トイレから水があふれ出した。
あわてたキミは、便器の蓋を締めた。その上に尻を乗せて押さえようとする。
そのとき、ハワイに向かっていたジャンボが、突然、エアポケットに入った。
ジャンボが急降下し、機内に悲鳴が上がった。
ゴキッ! キミは、便器の蓋で、尾てい骨をイヤというほど打った。脳天まで痛みが走る。尾てい骨骨折だった。
キミは、その負傷で、SWCの第1戦を棒に振ることになった。
そんな不名誉な負傷を負うようなレーシング・ドライバーに、大メーカーのワークス・ドライバーが努まるはずがなかった。
キミは、トミタ自動車からクビを宣告された。メーカーから首を宣告されたドライバーを拾ってくれるような気のいいチームは、残っていなかった。プライベートチームも、トミタのNAエンジンの供給を期待しており、トミタの意向に逆らうことはできなかったからだ。
キミは、失意のうちにレース界から去っていった。
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