#116 左足ブレーキング


 キミは、左足でブレーキを踏んだ。
 荷重がフロントに移る。そこですかさずステアリングを左に切りながら、アクセルを踏み続けた。
  ズリッ!
 リアが外側に向かって滑った。
  ガッ! ブレーキをゆるめると、トラクションがリアタイヤにかかり、マシンがストレートに向けて弾き出された。
 リアタイヤが、コンクリート・ウォールにブラックマークを残したが、クラッシュすることなく、キミは、ターンを立ち上がった。
 ピットで拍手が起きた。キミの妙技に、メカニックたちが感動してしまったのだ。
 キミはテストに合格し、晴れてCARTインディカーシリーズに参戦することになった。

 1.続く