#95 フォークリフトの話をことわった
キミは、フォークリフトの指導員になるのをことわった。レースで勝てば、スポンサーだって自然についてくる。レースでがんばればいいのだ。
そう決意したキミだったが、マシンを預けてあるカトレア・モータースに出かけて、目を丸くした。キミのF3が、大改造を受けているのだ。
「バットマン・デフューザーをつけたし。ノーズを上げてフロントウイングは逆ガル型にしたし。最先端のF1マシンと同じになったぞ、イヒヒ」
古似倉は、マシンを改造しながら、一人喜んでいた。
さらに改造は進み、ついには、表面冷却のラジエーター、シャシー下面の空気を吸い出すファンまでついた。
そのうえに、シャシーの下から火花が出ないと面白くないと、リモコンで点火できる花火までつけたのだった。
もちろんキミのF3は、レースに出る前に車検で落ちていた。
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