＃６４　ロンドン橋落ちた

　メキメキメキッ！
　シャッターを叩くと、異様な金属音が響いた。建物の鉄骨が腐食していたのだ。
　ガレージの建物がキミの方に崩れ落ちてきた。
「うわわあぁ！」
　キミは、逃げようとしてつまずいてしまった。
　グワシャシャシャーーーン！
　次の瞬間、キミは建物の下敷きになっていた。
　ロンドンのブリッジ・レーシングは、とっくに倒産し、オーナーも逃げ出して、ガレージが廃虚になっていたのだ。しかし、そんなことをキミが知るはずもなかった。
　キミは、異国の地で、短い一生を終えたのだった。

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