#61 ふたりでフランスに


 病院から退院すると、きみは、ゆうこと一緒にレース活動を始めた。プロダクションレースからのスタートだった。
 ところが、どこのサーキットで走っても、ゆうこの方が速いのだ。レースでも、キミはいつもクラッシュ、リタイア。ゆうこが表彰台に立っていた。
 キミは、自分の才能の限界を感じていた。こうなったら、ゆうこの女房役になろう。
そう決めたキミは、マネージャー兼メカニックとして、ゆうこのバックアップをした。
 ゆうこは、女の子ということもあって、スポンサーもつき、順調にステップアップしていった。F3でも絶えず上位に食い込むようになると、フランスF3挑戦の話がきた。
 キミは、ゆうこについてフランスに渡った。

 1.続く