#36 カートレースに出る


 ヤマトのチーム内での選考レースが始まった。そこでキミはブッチギリで優勝した。
そして、世界選手権への出場資格を賭けた国内トーナメントに参加することになった。
 カートの世界選手権。それは、セナや鈴木亜久里も通ったF1への道の一つでもある。そこで名前を売ることは、海外のF3チームなどにも印象を植え付けることになる。同時に、世界選手権に出場すれば、それだけで、4輪のレースに行ったときに、スポンサーを獲得しやすくなる。一つでも勲章は多い方がいいのだ。
 キミは、国内最終選考でもあるトーナメントに出場した。チームの先輩が、マシンの面倒を見てくれた。だが、先輩は、マシンに小細工をしていた。レースの途中でブレーキのワイヤー切れ、キミは、タイヤバリアに真正面から突っ込んだ。
 打ちどころが悪かった。キミは頭を打ち、脳震盪を起こした。
 その衝撃が元で、キミは、スピードドランカーになっていた。動くものに乗ると、吐き気がして、乗っていられなくなるのだ。これでは、F1への道もあきらめざるをえなかった。

  【END】Topへ