#19 カートレースに出場
練習の日々が続き、ついにレースに出られる日がやってきた。マシンは中古でも、腕と気力でカバーしてやる。キミは、ヘルメットの下から、ライバルたちをにらみつけた。
タイムトライアルの予選が始まった。初心者が多いクラスのせいで、スピンするマシンが続出する。キミも、何度かスピンしかけたが、スピンしそうになると、尻がそれを感知し、事前にマシンを立て直すことができた。
予選は2位だった。予選1位は高校生だ。父親がレーシング・ドライバーで、つきっきりで指導している。性格も攻撃的だった。
ローリングが開始され、日章旗の合図でレースがスタートした。1コーナーで、予選1位の高校生のインを刺そうとした。しかし、インを押さえられる。コーナーというコーナーで仕掛けたが、抜かせてくれない。激しいデッドヒートとなり、トップ争いは2台になっていた。
「負けてたまるか……!」
キミはアクセルを踏みつけた。
1.続く