#6 勉強に励む


「よし、成績が学年でトップになったら、カートを買ってやろう。レースに出るのも応援してやろうじゃないか」
 父が約束した。
「よおし……」
 キミは自分の部屋に飛び込むと、早速、教科書を開いた。
 だが、キミは、教科書を開くと10分とたたないうちに眠くなってしまった。この癖があるため、学校の成績も1か2なのだ。
「ほら、もう寝てる……。あなたの子なんだから、成績優秀になんかなれるわけないでしょ」
 ドアの陰から覗いた母が、横に立っていた父に言った。「あなただって、子供の頃からちゃんと勉強していたら、もっと出世してたでしょ」
「それもそうだな……、アハ、ハハハ……」
 父は力なく笑って頭をかいた。
 キミは机の上で眠りこけながら、F1の表彰台のてっぺんで、シャンペンシャワーを振りまいている夢をみていた。夢の中では、セナもプロストもキミの敵ではなかった。夢の中で、これは夢なんだということがわかっていた。でも、覚めてはほしくない夢だった。

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(自分の能力を見きわめることも大事です)