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■ 06年08月上旬の日記

01日 02日 03日 04日 05日 06日 07日 08日 09日 10日

08月01日(火)▼落語とゲラと……

 架空戦記のゲラが届いていたので、これを抱えてバスに乗って吉祥寺へ。吉祥寺で本を買い、その足で高円寺のノラやで開催される鈴々舎わか馬さんの落語勉強会「鐙の会」へ。本日のネタは、おなじみの「黄金の大黒」に「青菜」。
 ゲラが控えているので、打ち上げは、最初の乾杯だけビールをいただき、あとは、お茶。早めに帰宅して、ゲラのつづき。なんとか朝にはメドがつきました。

■今日、買った本

【関連書籍】
『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』
『Web2.0 BOOK』
『グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)』
『文系のための「Web2.0」入門』『文系のための「Web2.0」入門』(小川浩/青春出版社・青春新書/2006年8月/788円)........「Web2.0」とは、ある意味、ベンチャー投資家から資金を引き出すためのトレンド言語(流行語)になっている感があるが、こういう本だけ読んで、「ふむふむ、これがWeb2.0ってものか。なるほど、これがロングテールか……」なんて東海林さだお氏のマンガに出てきそうなオジサン風ナットクをするのなら、これで充分かも。たぶん「Web2.0」や「ロングテール」を日本でブームにした『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』(梅田望夫/筑摩書房・ちくま新書/2006年2月刊/777円)や、同じ著者の『Web2.0 BOOK』(小川浩/インプレス/2006年3月刊/1,890円)を読んでわからなかった、いわゆる「文系」の人たち向けの本でしょうが、このような本を見ると、「文系」とは、マスコミに取り上げられるトレンドの表層だけを知り、本質は知らなくてもかまわない、という人たちのように思えてきます。実際にGoogleを使い(検索以外のサービスも)、アマゾンで本を買ってみるだけで、Web2.0やロングテールも実感できると思うんですけどね。ボクなんか、自著のアマゾンでのランキングを見ているだけでロングテールを実感しています。10万位くらいまで落ちても、たぶん1冊か2冊で2,000位くらいまで上がってしまうからです。そのあと、ずるずると後退し、また1冊くらい売れると、数万位も順位が上がる……ということで、恐竜の胴体、あるいは蛇の鎌首部分の売れ線の本ってのは、あんまり多くないんだってこともわかります。  この分野に関心のある人は、『グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する』(佐々木俊尚/文藝春秋・文春新書/2006年4月刊/798円)あたりも一緒に読んでみてください。早稲田大学人間科学部eスクールで、この秋、専門科目の「情報と職業」を選択する人も、このあたりの本を読んでおくと、たぶんよいと思います。でも、やはり大事なことは、自分で試してみることでしょうね。

『偉いぞ! 立ち食いそば』『偉いぞ! 立ち食いそば』(東海林さだお/文藝春秋/2006年6月刊/1,150円)........東海林さだお氏の本は、最近、ほとんど文庫で買っていたのだが、この本はハードカバーを「ジャケ買い」。この表紙のイラスト、よくありません? ほぐほぐ、はふはふ、ずるっ……ってなオノマトペが聞こえてきそうで、しかも、このポーズ。左手をポケットに入れて……。しかも「立ち食いそば」。この本も、富士そばでコロッケうどんを食べた直後に書店で見つけ、反射的に買ってしまったのでありました。その富士そばについても書かれていたしい。寝る前のお楽しみ用なのだ。

08月02日(水)▼久しぶりに水泳

 昼前に起床し、ゲラの確認をしたあと、午後、編集者と喫茶店で会って、ゲラ渡し。
 アニメ映画『カーズ』を見にいこうと思ったら、近所のシネコンは吹き替え版ばかり。英語版でないと、ポール・ニューマンやミハエル・シューマッハーの声が聞けないではないか。で、英語版は、新宿や吉祥寺でしかやってない。しかも昼間だけ。夜は別の映画に変わってしまう。というわけで今日は断念し、久しぶりにフィットネスクラブへ。エアロバイクを30分漕いで、プールでウォーキング500メートル、水泳350メートル。久々の水泳で疲れて、帰宅後、居眠りしました。

08月03日(木)▼『カーズ』は傑作アニメだ! とりわけレースファン必見!

 昨日、見損ねた『カーズ』の字幕版を見るため、新宿へ。ちょっと時間が余ったので、新宿紀伊國屋書店で買い物。「紀伊國屋書店店長イチ押し!」のポップがついた『エトロフ発緊急電』(佐々木譲/新潮文庫/1994年1月刊/820円)が、文庫の売り上げランキングで9位に入っている。この作品が大好きなので、思わずココロの中で、「店長さん、エライ!」と叫ぶ。「ついでに、『ベルリン飛行指令』と『ストックホルムからの密使』のことも書いてくれればいいのに……」と思ったりもしたのでありますが。
 紀伊國屋書店には、ちょっと調べたいことがあって関連書籍を探しにいったのだが、思ったような本は見つからず、ついでに見つけた別の本を買ってくる。こちらは新企画のヒント用。ただし、まだ思いつき段階なので、実際に企画にまとめるかどうかは不明。
 紀伊國屋書店を出た後は、伊勢丹前のスカラ座で『カーズ』を見る。
 いやあ、傑作です!
 アメリカンレース、とりわけNASCARネクステル・カップの世界を知っていると、2倍も3倍も楽しめること間違いなし。
 日本のアニメは、すぐに作画がどうだとか動きがどうだとか……という話になるけれど、アメリカのファミリー向けアニメ――とりわけピクサーの作品は、アニメの技術以前に脚本がいい。シナリオのあとにストーリーボードを作り、ここで物語を練り込んでから作画にかかるのが『トイ・ストーリー』からの伝統でもある。変に作家主義に偏りすぎて、脚本もなしに(たぶん)絵コンテも未完成の段階で(たぶん)、公開スケジュールを優先させるために作画に入ってしまう某日本のアニメスタジオとは、心がけ(?)がちがう。
 アニメとしての表現でも、クルマの動きはアニメとして擬人化され、かつデフォルメされていても、おかしな動きはしていない。走りのシーンなどは、サスペンションの動きまで感じられるリアルさがある。とりわけレースシーンがいい。タイヤカスが飛び、転がって、もうリアルったらありゃしない。ピットや観客席、放送席の様子まで、アメリカでNASCARのテレビ中継を見ている人たちにとっては、そのリアリティ(実際の放送とアニメの差も含め)が理解でき、クスクスと笑えることだろう。
 そして、見捨てられた街で出会うクルマ(キャラクターたち)。ここでのキャラクターたちの設定が、最後にドカンと生きてくる。町医者でもある修理工場オーナーの秘密(よくありがちな設定ではあるが)、タイヤショップのコンビがイタリアンになっている理由。そんなところもおろそかにされていない(日本で見たレースを知らない人には、理解できないところでもあったらしい)。
 引退まぎわのチャンピオン「キング」の声は、なんと、NASCARウィンストン・カップ時代に7度のチャンピオンになったリチャード・ペティだし、重要キャラの声がポール・ニューマンなんだけれど、なぜ彼が、この役を……というのは、最後になってわかる。このキャラとタイヤマンのキャラは、最後のクライマックスで、もう、嬉しくておかしくて涙が出そう。でも、アメリカのレースを見ていないと、たぶん、このおかしさや感動はわからないだろうし、レースのルールがわからないと、なぜ、周回遅れを回避できたのかも理解できないだろう。
 昔、トム・クルーズ主演の『デイズ・オブ・サンダー』が公開されたとき、東京中日スポーツに頼まれて映画評を書いたとき、編集部の許可を得て、「なぜ主人公が勝てたのか」というネタバレを書いたことがあった。アメリカのレースのルールを知らない圧倒的多数の日本人には、このあたりのカタルシスが理解できないと考えたからだ。映画・マンガ・小説などの「モータースポーツもの」は、このルールの認知度や、どこまで説明していいのか……といったところにむずかしさがある。
『カーズ』についていえば、主人公の名前(ライトニング・マックイーン)からチョイ役の声優たち(マリオ・アンドレッティ、マイケル・アンドレッティ、デール・アンハートJr.……など)、そして街の情景や建物の名前といったディテールに至るまで、モータースポーツに対するトリビュートにあふれている。
 そして、競争の激しいアメリカで、勝ち負けとは別の価値判断があることも教えてくれる教訓ストーリーにもなっている(こんな子どもっぽいピュアな正義感、公正さが、ファミリー映画としては大事なポイント)。だからこそ家族そろって見られるし、見終わったあとに、なぜ、主人公は、レースであのような結末を迎えたのかを、家族で話し合うこともできる。
 ボクシングでチャンピオンになった亀田父子に見てほしい映画でもあった。

「人生で大事なことは『カーズ』からも教わることができる」のだ。

 大傑作! と、ふたたび絶賛しておきます。

 そういえば今日、はじめて映画館で学割をつかった。もちろん、学生証を見せて(笑)。

■今日、買った本

『橘花は翔んだ―国産初のジェット機生産』(屋口正一/元就出版社/2005年8月刊/1,890円)........企画のヒントに……。

08月04日(金)▼朝まで資料読み

 熱くてダラダラしています。新企画の資料を読まないといけないのに、暑さで、ついダラダラ。夜中になっても資料が読み終わらないので、自転車で外出し、ファミレスで読書。3時間ねばって午前4時になんとか読了。帰宅後、次の資料に取りかかる。

08月05日(土)▼ちょびっとライブ

 夕方、歌を習いたいという早稲田大学eスクールの先輩女性学生(ただし年齢は数十歳下)と待ち合わせし、知り合いのボイストレーナーを紹介。そのボイストレーナーのお弟子さんのライブを聴いたあと、こちらは所要で身内の家に。用事は10分ほどですみ、電車を乗り継いで帰宅するが、座席にすわって本を読んでいるうちに、前後不覚に眠り込み、本を落とした音で目が覚める。周囲の乗客の視線が感じられて、非常にカッコ悪かった。

■今日、届いた本

『火の山―山猿記〈上〉講談社文庫』『火の山―山猿記〈上〉講談社文庫』(津島佑子/講談社文庫/2006年1月刊/900円)........NHKテレビ小説『純情きらり』の原案。あらすじだけ読んで買うことにしたのだが、届いた本を開いて文章にたじろいでおります。

『火の山―山猿記〈下〉講談社文庫』『火の山―山猿記〈下〉講談社文庫』(津島佑子/講談社文庫/2006年1月刊/840円)........同上。

『電光石火の男―赤木圭一郎と日活アクション映画』『電光石火の男―赤木圭一郎と日活アクション映画』(末永昭二/ごま書房/2006年5月刊/1,500円)........赤木圭一郎の映画は小学生の頃、ほぼ見ている。そのせいもあって、ちょっと気になって。同じ著者の『貸本小説』という本も気になる。

『表現したい人のためのマンガ入門』『表現したい人のためのマンガ入門』(しりあがり寿/講談社現代新書/2006年7月刊/756円)........これまでのマンガ入門書とは、ちょっと異なるスタンスから書かれたマンガのガイドブック。『漫画で億万長者になろう』なんて本と、ちょっとスタンスが似ているところがあるのでは……と気になって購入。

『視点―認知科学選書 (1)』(宮崎清孝・上野直樹/東京大学出版会/1985年10月刊/2,730円)........早稲田大学人間科学部で「認知心理学」「教授学習過程論」を学んでいる宮崎先生の著書。バフチンの「多声性」など、いろんなアドバイスをいただいている。秋学期には「認知心理学」の実験調査研究法でお世話になる予定なのだが……。大学の授業だけでなく、マンガの表現技法を考える上の参考資料にもなることを期待して購入。

08月06日(日)▼サイクリングのちヤブ蚊との戦い

 家にいても仕事が進まないので、ファミレスにでも行こうと自転車で外出。せっかく自転車で出たので、30分ほどハイスピードで走りまわり、近くの駅前にあるハンバーガーショップへ。ここでハンバーガーとアイスコーヒーを飲食しつつ資料読みをしていると、ドアの近くだったせいか、プーンと羽音を立ててヤブ蚊が何匹もまとわりつく。短パンを履いていたせいで、足下にもまとわりついてくるため、ピシャンピシャンと退治。それでも腕や脛を刺され、かゆいため、早めに退散。帰るとき、テーブルの下を見たら、やっつけたヤブ蚊の死骸が10匹ほど落ちておりました。
 帰宅後はフジテレビ721でF1ハンガリーGPを観戦。このレース、アロンソとミハエル・シューマッハーが予選前から自滅してくれたのと、天候のせいで荒れた展開に。ホンダのバトンが勝って、非常によかったけれど、こんどはドライのとき、フェラーリ、ルノーとガチンコで勝ってほしい。
 しかし、雨のBSだったはずなのになあ……。どうした、ブリヂストン!?

08月07日(月)▼サイクリングのちファミレスでSOS

 今日は、午後、池袋まで映画を見にいくが、上映時間を確認していなかったため、着いたときは始まったばかり。次の上映まで2時間もあるので、ちかくで見つけた古書店に飛び込む。3冊210円という特価本コーナーで資料になりそうな本を何冊も見つけ、ドッサリと買い込んでしまったため、荷物が重くなる。映画館に持って行くのも面倒なので、今日は映画をあきらめ、引きあげることに。
 最寄り駅までもどったところでコーヒーショップに入って読書。帰宅し、テレビ(NHKスペシャル2本)を見たあと、また自転車で外出。1時間も全開にちかい状態で走りまわる。15kmくらいは走ったかも。3段変速シティサイクルであります。
 汗グッショリになり、汗を乾かすためと水分補給のためにファミレスへ。サラダとウーロン茶の食事をとり、持参した資料の本を読んでいたら、突然、レジの方角から電子音が。しかも、「ピピピ・ピーピーピー・ピピピ」という発信音の繰り返し。あーた、これ、「SOS」じゃないですか。
 レジのあたりを見ると店員もおらず、もしかしてレジ荒らしにでも遭って、レジスターが、そのことを告げているのでは……と思ったけれど、店内にいるお客は、電子音が小さいせいか、誰も気にしていない。
 でも、元アマチュア無線家でもあり、なまじモールス符号がわかってしまうために(といっても「SOS」やら「CQ」くらいしか覚えていないけれど)、その音が気になってしかたがない。読書にも集中できず、ドリンクバーのおかわりをよそおってレジの方角に歩いていくと、「SOS」を発しているのはレジスターではなく、もっと先から聞こえてくる。
 ドリンクバーのコーナーに行って、やっとこさ犯人が判明。電子音で「SOS」を発していたのは、なんと、コーヒーのドリップマシンであったのだ。
 小さな液晶画面に「No Milk」の文字が点滅していたところをみると、「カフェラテ」用のミルクが切れて追加を要請していたらしい。やっと店員が気づいて発信音を止め、牛乳を追加して、なんとか一件落着とあいなったのであった。
 でも、「SOS」に気づかない人(店内には20人くらいのお客がいた)が圧倒的多数ということは、それだけモールス符号もマイナスの存在になってしまったということか。
 こちらは、この「SOS」騒ぎで、資料読みの集中力も途切れ、すごすごと帰宅したのであった。
 [参考]

08月08日(火)▼菅谷さんとの会話

 フィリピンから一時帰国した従兄から、ノートパソコンが不調なので見に来てほしいとのSOSがあり、電車とタクシーを乗り継いで初台にある従兄のマンションに向かうことに。西武新宿線・中井駅からタクシーに乗り換えたのだが、乗ったタクシーの運転手さんの名前が菅谷さん。
「茨城か千葉のご出身ですか?」と尋ねると、やはり銚子に近い千葉東部とのこと。水戸に近い那珂市を通るJR水郡線には、上菅谷、中菅谷、下菅谷なんて地名もあって、どうやら、このあたりが菅谷一族(?)の発祥の地であるらしい。その関係か、東京で出会う菅谷さんの大半は、茨城か千葉の出身である。
 ただし、ぼくの先祖は、駿河国富士郡の農家だったようで、明治になって名字をつけることが許されたときに菅谷になったそうで、茨城の菅谷一族とは関係がないらしい。また、ぼくの父は、菅谷家に婿養子として迎えられたのはいいが、すぐに嫁さんと死別。父は、そのまま菅谷家に残り、新たに嫁さんを迎え、離別一回を経た後で、ぼくの母と再々婚した。そんな関係でDNA的には菅谷一族とは血縁関係がない。もっとも生物学的にはDNAや遺伝といったものにも興味があり、昨年も「発達生物学」という科目を大学で受講したくらいだが(SFのネタにならないかとも考えて)、血縁だとか家だとかといったものには、ほとんど興味がない。親類や親子関係なども、どちらかというと社会的な環境が決定するものだと考えているからだ。
 それはさておき、タクシー乗務員の菅谷さんとは、「菅谷の『菅』の字が、いつも『管』と間違えられる」とか、「『クサカンムリに官庁(カンチョウ)の官(カン)』と説明しても、『官庁』という単語が通じなくなってきている」とか、「菅谷を手で書くと、実にバランスとれなくて書きにくい」とか、菅谷同士の悩みを打ちあけ合って(?)盛りあがったおかげで、渋滞区間も退屈せずに通過できたのであった。

 従兄のノートパソコンのトラブルは、書きためていたWord文書が開けなくなったというもの。正確にいうと、開けても、最後までスクロールしてくれないというものだ。バイト数を確認すると、それほど大きなサイズではないのだが、確かに最後までスクロールさせようとするとフリーズしてしまう。USBメモリーを使って持参したこちらのノートパソコンに文書をコピーしたが、やはりWordで読み込むと症状は同じ。たぶんメモリーが足りないのだろう。
 ためしに一太郎でWord文書を読み込んでみると、こちらは最後までスクロールできた。そこですかさず文書を分割し、名前を変えてセーブ。でも、一太郎でWord形式の保存をしたら、ファイルのサイズが数倍になった。ただし、分割したファイルをWordで読み込み、「上書き保存」すると、サイズは一気に縮小。どうなっているのだろう?
 この方法で、保存されていた文書の読み出しも可能になり、USBメモリーで従兄のノートパソコンに書きもどしたあと、CD-RWにもバックアップとして保存。これで作業を終了する。

 時刻は午後7時になっていたため、急いで初台の駅に向かい、京王線・都営新宿線を乗り継ぎ、新宿三丁目で下車して、紀伊國屋書店新宿本店へ。途中、地下街で500円の映画DVDを1枚購入したが、それでも紀伊國屋書店には午後7時30分に到着。
 エレベーターで5Fへ直行したが、事前にネットで検索して「在庫僅少(つまり1冊)」となっていた目的の本が見つからない。念のため、店内の検索端末装置「キノナビ」でも調べるが、在庫の結果も本の売り場も同じ。しかたがないのでレジ横の検索担当者に尋ねると、すぐにリアルタイム(?)の在庫管理システムで検索し、「在庫あり」を確認。お持ちしますからという店員のあとをついていくと、先ほど見つけられなかった書棚の下にあった引き出しの奥から、目的の本(『「はだしのゲン」がいた風景―マンガ・戦争・記憶』)を出してくれた。こんなところにしまわれていたのでは、見つけられるはずがない。やはり、問い合わせして正解であった。
 でも、閉店時刻は午後9時だったのね。午後8時かと思って焦ってきたのに。
 1Fに降りると、あちこちに佐々木譲氏の『エトロフ発緊急電』の文庫が並べられている。「紀伊國屋書店店長のイチオシ」という帯がつき、店長の推薦の言葉を印刷したポスターも貼られている。その効果なのだろう、この作品、紀伊國屋書店新宿本店では、文庫部門で第8位(先週は第9位)。好きな作品なので、ついニンマリ。

 気分がよくなったついでに、佐々木氏の『新宿のありふれた夜』(旧題『真夜中の遠い彼方』)の映画化&舞台化作品『われに撃つ用意あり』の両方に出演していた役者のYさん夫妻が経営するゴールデン街のお店に寄り、生ビールと焼酎を少々。夕食がわりに冷麺をつくってもらって食べる。
 ここで勢いがつき(?)、高円寺で途中下車。S船にいくと、なじみの映画関係者Sさんが、全国公開が決定した映画の監督をすることに決まったそうで、実にめでたい。Sさんと映画の話などして、一緒にお互いの最寄り駅である吉祥寺まで最終電車で移動。立ち飲みの店で生ビールを1杯ずつ飲んでからタクシーで帰宅。ノートパソコンでたまったメールの返事など書いているうちに、いつのまにか座椅子にもたれて眠りこけていたのでありました。

■今日、買った本・DVD

『「はだしのゲン」がいた風景―マンガ・戦争・記憶』『「はだしのゲン」がいた風景―マンガ・戦争・記憶』(吉村和真&福間良明・編著/梓出版社/2006年7月刊/2,520円)........このマンガそのものの研究ということではなく、目次の『第四章 マンガを「言葉」で読む―計量的分析の試み(大瀧友織・樋口耕一)』を読みたくて購入。ここで言葉の分析に使われているソフトを入手したのだが、実際に、どのように使われているかをチェックしてみたかったので。今後、大学でのゼミや卒論で、このソフトのお世話になる機会が多くなりそうな予感がしているためである。マンガの評論や批評も、こんな手法がとられることで幅が拡がるのかもしれない。ただし、熱気優先の「おもしろい批評」があってもかまわないとは思っている。

『フライング・タイガー』(ジョン・ウェイン主演)........文字どおりの戦争映画DVD。これから書く予定の新作架空戦記の参考資料。

08月09日(水)▼自転車で吉祥寺まで

 夕方、また自転車で外出。試しに吉祥寺との間を往復。最短距離だと片道5.1kmだが、三鷹方面から遠回りして吉祥寺に侵入。帰途は西荻窪方面から帰還し、途中のファミレスで食事をしながら食事。1時間ほど走りっぱなしで、かなり汗もかき、いい運動になった。でも、体重は減らない……。

 帰宅後、急ぎの原稿をまとめ、深夜、昨日購入したDVDの映画『フライング・タイガー』を見る。ジョン・ウェイン主演の1942年につくられた作品。この映画、フライング・タイガーのカーチスP‐40と日本軍機の交戦が、真珠湾攻撃以前になっているけれど、実際の交戦は日米開戦後のはず。それでも戦時中に、娯楽要素(西部劇的要素)たっぷりの映画を製作してしまうアメリカの底力を見せられた感じ。

 そのあとは、ケーブルテレビの「ヒストリー・チャンネル」で「太平洋のD−デイ/#3 最後の墓場」を見る。硫黄島、沖縄戦の記録。

08月10日(木)▼自転車でファミレスへ

 Flashアニメが自作できるフリーソフトを見つけたので、ちょっと『ゲームセンターあらし公式サイト』の入り口で試してみました。もっと色んなバリエーションがこなせるようなので、この先、ゆっくり試してみて、使えそうなら有料版に乗り換える予定。
 夕方から自転車でファミレスに出勤。料金が安いので有名なSに行ったら、入ったときは空いていたのに、みるみるうちに満席に。しかも大半が中学生、高校生で、うるさいのなんの。資料を読む予定だったが、早々に退散した。

 家にもどって資料読みのつづき。午後11時からはNHK-BS2で『BSアニメ夜話・番外編「アニメの時間よ永遠に」〜脚本家 辻真先 1500本のテレビアニメ〜』を見る。辻先生は、日本のアニメの歴史そのものであり、『仮題・中学殺人事件』から手がけた多数のジュブナイル本格ミステリーによって、現在、プロとして活躍するミステリー作家を多数育てた「新本格ミステリ育ての親」でもある。さらにトラベルライターとしても活躍し、本当にもう八面六臂とは辻先生のためにあるような言葉だ。すごく憧れているのだが、足下にも及ばない。


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