■ 06年07月中旬の日記
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午前9時すぎ、睡眠時間2時間で起床し、すぐさまチェックアウト。午前10までにチェックアウトしないと、1時間ごとに1,050円の追加料金をとられるのだ。そのまま自宅にもどり、デスクトップPCで原稿のつづき。夕方、少し仮眠をとって、また朝まで仕事。 ■今日、届いた本
『マンガは欲望する』(ヨコタ村上孝之/筑摩書房/2006年7月刊/1,900円+税)..........マンガの表現についての評論集。これまで構図として捉えられることが多かったマンガのコマと絵に、「視点」の概念が入りはじめている。この本も、そのひとつ。 拙著『マンガでわかる小説入門』は、小説の「視点」を「マンガ」で解説した本だが、そのシーンの描写の主体としての「視点」について、マンガ評論では、あまり語られてこなかった。「視点」という言葉が、カメラアングルやカメラアイとは異なる意味で使われはじめたのも、つい最近のことではなかったか。 表紙のカットは『罪と罰』(ドストエフスキー・原作/手塚治虫・マンガ)の1ページだが、ここでの主人公の「内面」を読者に提示する表現技法は、手塚治虫(敬称略)が、饒舌な独白の中に、さらに独白が入るような多重性(評論家のミハイル・バフチンは、これを「多声化(ポリフォニー)」と表現)の表現を再現しようとした結果ではなかろうか。 この本の著者は、アメコミの影響によるものと書いているが、原作(翻訳)を読んで比較してみると、手塚は「ドストエフスキー(の表現)に挑戦」していたのではないかと思えてくる。たとえば江川卓・新訳版の原作では、カッコの種類を替えて、ココロの声や実際の声、ココロの声の中でまたココロの声……といった多声化表現をしているのだが(いまとなっては直裁的すぎて稚拙にも見える表現でもある)、このカッコの種類の違いが、吹き出しの種類の違いにも対応しているような感じもしないでもない。夏休みになったら、おそらく手塚が読んでいたであろう中村白葉・旧約版とも比較してみたいと思っている。 (自分で原作を読んで比較してみてわかったのですが、マンガ『罪と罰』の技法について触れている文章は多いわりに、原作と比較したものは少なかったような点) バフチンは、ドストエフスキーの作品について、多声化による表現(女性週刊誌の談話・コメントによる「立体構成」とか、ワイドショーの「再現ドラマ」的な構成でもある)とともに、「カーニバル性」も特徴としてあげていた。最後にドンチャン騒ぎ的な「お祭り(カーニバル)」がやってくるというものだが、もしかすると、こちらの方が、手塚マンガに大きな影響を与えているような気がしませんか? 昔の手塚マンガには、「芝居」の大団円〜って感じのラストが多いので、そんな印象を受けるのでありますが。 『罪と罰』を何十回も読んで、『罪と罰』の芝居にも出たという手塚治虫が、ドストエフスキーの作品に「マンガで挑む」というチャレンジ精神、実験精神を持っていたとしても、少しもおかしくないように思えてくる。このあたりの原作とマンガのちがいを、「インストラクショナル・デザイン実験調査研究法」で学習中の分析手法を使って、比較検討してみたい気もしている。そのためにも、もう少し力を入れて分析法を勉強しないと……。 「視点」が気になったのは、やはり「小説推理」連載の「推理日記」(佐野洋)によってだったが、そのせいで、駆け出しのマンガ家だった時代から、マンガの「視点」についても、つい気になってしまったりするのだ。 それから手塚治虫の本格長編デビュー作『新宝島』も、講談社全集版ではあるが、あらためて読んで見ると、これはマンガというよりも、「まるまるアニメの絵コンテ」ではないか。古いディズニーのアニメみたい……と思ったのも当然だったのかもしれない。 『日本沈没 第二部』(小松左京・谷甲州/小学館/2006年7月刊/1,890円)........先日、谷さんに会ったときは、もう死にそうにヘロヘロでした。小学館の宣伝担当者に会ったときも、この本が間に合うかどうか、キリキリ状態でした。とにかく刊行できたようで、おめでとうございます。『日本沈没』は、小松SFで一番好きな作品なので、ココロして読ませていただきます。 【NEW】 (Last modified:2006/07/31 05h26)
「週刊実話」の創刊2,500号記念号が届く。編集部からの依頼で『ゲームセンターあらし』の色紙を提供した関係で贈呈してくれたもの。なかなか自分で買う機会のない雑誌だけに、広告までしみじみ(?)目をとおす。大熟女が出演するアダルトDVDのシリーズタイトルが『老婆の休日』だったりして、奥が深い(?)。
カンヅメから脱出してきたものの、仕事もレポートも進まない。少しヤケになって、深夜、自転車で30分ほど走り回ったあと、Mバーガーへ。汗をかいたせいか、身体が少し軽くなった感じ。自転車で走ったのは、たぶんこの本の影響。
夕方までシャカリキに仕事をして、高校の同級生との飲み会へ。駅に向かって歩いていると、正面からどこかで見たことのある人が。あらら、吾妻ひでおさんじゃないですか。数日前に新刊の『うつうつひでお日記』(吾妻ひでお/角川書店/2006年7月刊/1,029円)を読んだばかりだったので、ビックリ。「新刊、読みましたよ」と話すと、吾妻さんんも、ぼくと竹熊健一郎さんの対談を読んでいてくださったそうで。吾妻さんと会って話したのは、13年ぶりくらいかな。家は徒歩2分ほどの近所なのに。
息抜きをしてしまったので、また仕事にもどる。仕事の合間に大学のレポートを2本。
架空戦記の原稿のつづき。
原稿もピンチなんだけれど大学のレポートもピンチ。月末までに残っているレポートは、「感覚情報処理論」×3本、「教師学概論」×1本、「教授学習過程論」×2本、「インストラクショナル・デザイン実験調査研究法」×1本、「職業社会学」×1本、「フランス文化論」×1本。本当に終わるのかな? ちょっと不安になってきた。粛々と進めるしかないな。
とある若者に人気のデザイナーズ・キャラクターと『ゲームセンターあらし』がコラボレーションしているイラストを描く。某雑誌に掲載の予定。
レポート「感覚情報処理論」×3本(A4×5枚)を終了。原稿もつづける。
変化がないなあ。夜中、自転車でファミレスへ行き、ひたすら原稿。 日記一覧に戻る |