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■ 04年11月中旬の日記

11日 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19日 20日

11月11日(木)▼原稿あがる……

 3時間の睡眠で起床し、原稿に取りかかるが、昼前になって眠気に襲われ、30分だけ仮眠をとることに……のはずだったのが、気づいてみたら2時間も寝てしまっていた。30分の仮眠では、たぶん頭がボーッとして、結局、原稿の進みも悪かったはず……と勝手に納得して原稿の再開。今夜は、日米野球で松坂が投げるので、それまでに原稿を上げて、なんとかテレビを見たい。
 ところが、こんな日に限って家族が留守で、おまけに宅配便やら書留郵便やらで玄関のチャイムがピンポンピンポン。まちがい電話も2本ほどかかってきて、仕事に専念できないことおびただしい。
 夕方、なんとか完成をみたが、最後のヤマ場で、またVT信管についてゴタクを並べている。ここはアクション、アクションで押さなくてはならないところなのだ……と思いきってトリビア(ウンチク)部分をバッサリと削除。そうしたら、こんどは枚数が足りなくなって、アクションシーンの追加。編集者から催促の電話がかかってきて、時計を見たら、もう午後8時。ちょうど原稿も完成したところだったので、メールに添付して送信し、長かった書き下ろし架空戦記の原稿も完了。
 夕食もすませて著者のことばの原稿も書き、居間のテレビの前に座ったら、日米野球は最終回の9回裏ツーアウト。最後のバッターがライトフライに倒れ、松坂の完投勝ちでありました。球数が少なく、三振も少なかったので、打たせて取る投球だったのかも。
 そういえば、ここ数日、新聞を読んでいなかったので、とりあえず今日の新聞を開くと、午後9時からテレビ東京で、ジュード・ロウ主演の戦争映画『スターリングラード』を放映中ではないか。公開当時に見た映画だが、ジュード・ロウの声は、ちょびっと知っている竹若拓磨クンがやっているので、チャンネルを合わせて途中から見る。吹き替えだと映画の印象も変わるなあ……。で、あのラブシーンが見られなかったのが、ちょっと残念。

11月12日(金)▼息抜き……

 原稿が終わったので今日は寝坊するつもりだったのに、なぜか睡眠4時間で起床。次の原稿が気になって、いちど目が覚めたら、もう眠れなくなってしまったのだ。しかたがないので布団から抜け出し、そのままノートパソコンで次の原稿。
 せっかく原稿が終わったところなので、夜はオフにして高円寺へ。マンガ家のNさんを呼び出し、熱燗を呑みながら歓談。睡眠不足なので早めに切り上げ帰宅しようと駅に向かったら、呑み仲間のKさんと遭遇し、別の店に拉致される。結局、電車のあるうちには帰れず、ならばと運動不足解消のために、できるだけ歩くことにする。ところが今夜は寒いことこのうえない。あとでわかったのだが、冷たい風は木枯し一号だった。それでも下井草まで歩いてからタクシーを拾って帰宅。3キロ以上は歩いたはず。

11月13日(土)▼VT信管ふたたび

 久々に8時間寝て、午前11時に起床。そのまま原稿にとりかかり、午後、喫茶店へ出撃して資料読みと原稿。帰途、フィットネスクラブに寄って水泳800メートル、ウォーキング500メートル。

 一昨日、書いたVT信管のことについて、半導体デバイスの設計をしていた方からメールをもらいました。いまは原稿書きをしている人です。

 VT信管の回路図みてしまいました!
 ハイライトシーンを書いているところなのにぃ!

 回路図では、3極管の発信器と5極管の二段増幅になっていますが、5極管で発振させておいて、ゲインが充分あれば、二段増幅する必要はなく、Thyratron 3極管のスイッチを動作させることができると思います。したがって、おそらく、V1/V4が双3極管ではないような気がします。

 回路図からは、ビートを発生させると言うよりも、通常の送信波形だけではV4のBT1による負バイアスでV4がオフになっているところ、ターゲットに近づいて受信する反射波が発信波形と重なって強まり、かつ同じ位相で強めあうと、V3の出力が大きくなり、BT1のバイアスの閾値を超えてV4がオンになり、起爆装置を働かせる、という仕組みのように思います。
 Virtual Valve Museum では、ビルトイン・ドップラーレーダーという言い方をしていますが、ドップラーシフトというより、瞬間的に、

 1)反射波のピークが原発振と一致して
  かつ
 2)それによって原発振と反射波が重なったV3の出力がV4のグリッドバイアスできまる閾値を超える。
 
 という条件が成立した場合に起爆する、という仕組みであるように思います。

 というのは、ターゲットに等速度で近づくときにはドップラーシフトは一定ですし、回路自体はビートを検出しているわけではなく、波形のたった一個のピークが条件を満たせば起爆するので。

「距離が近づくと、周波数は発信周波数から接近速度に応じて一定の周波数上がっているものの、速度が変化しない限り変化せず、距離によって反射波の強さと位相が変化する。このとき、上の条件が満たされれば爆発する」

 だと思います。

 この原理だと、爆発距離は、発信周波数とバイアスBT1の電圧により、ある程度自由に設定可能で、しかも周波数安定度はあまりよくなくともいいので、回路が簡単になるエレガントな方式だと、ちょっと感動。

 Virtual Valve Museum を見ると、発射加速度に小型真空管が耐えられるように、信管の電気回路全体が WAX で固めてあるようですね。
 多分、WAXは衝撃が加わった瞬間に圧力でわずかに溶けるので、十分なダンパーの役割をするのでしょう。
 真空管の足が長いのも、このときガラスに直接力がかからない工夫だと思います。
 なるほど、よくできている。

 とのことでした。ただし、完全に正しいかどうかは自信がないそうです。

11月14日(日)▼脱力しつつ原稿

 長篇が1冊終わって脱力状態。長年の懸案になっているノンフィクションの原稿に手を入れ、さらに未完成の部分の概要をまとめていたら、これだけで1日が終わる。

11月15日(月)▼まだ脱力中

 ノンフィクションの原稿をまとめ、出版社に送る。別の仕事の企画が出ていたのだが、そちらの企画を進めていくのは、時期的にむずかしそうなため、こちらの原稿を代替案として提出し、とりあえず編集者に読んでもらうことに。

11月16日(火)▼ワインを楽しむ会

 先週、書き上げた架空戦記のゲラが届き、今日から赤入れ。喫茶店をハシゴしつつゲラを見て、夜は都内某所でワインを楽しむ会。編集者、ライター、カメラマン、落語家などが集まり、ワインを楽しむ。その後は、ひとりで、ごぶさたしている店へ。つい先日、そこのマスターとバッタリ出くわし、たまには来てよといわれていたため。同い年のマスターと近況など話していたら、いつのまにか午前4時すぎ。すでに動き出していた電車とタクシーで帰宅。

11月17日(水)▼二日酔い?

 昨夜のワインが効いたのか、午後1時までグッスリ。夏目房之介さんのblogで話題沸騰中(?)のマンガにおけるスクリーントーンの歴史について、あれこれ書き込んだあと、あわててクルマで駅前のコーヒーショップへ。某代理店の方と昨年から進行中の某企画についての打ち合わせと確認と。
 打ち合わせ終了後、すぐさま帰宅し、ゲラの赤入れをシコシコ。

11月18日(木)▼ゲラ終了

 昨夜はゲラの赤入れが残り1章まで進んだところで、眠気に襲われダウン。午前9時に起床し、パジャマ姿のまま残っていたゲラをチェックし、なんとか昼過ぎには終了。
 午後2時、駅前の喫茶店に出かけ、有楽出版社のMさんに『超零戦、飛翔せよ!』第2巻のゲラを渡し、次のスケジュールの打ち合わせなど。
 帰宅後は決算のことで会計ソフトを動かし、データをCD-Rにコピーして会計事務所に送付。これで次の仕事に取りかかることができる……と思ったが、夕食後、眠気に襲われ30分ほど居眠り。
 目が覚めたあと、少しBlogについて研究。とりあえず、この日記からトラックバックを送る実験をしたり……。明日からは某社ムックに掲載予定の短編マンガに取りかかる予定。

 楠木誠一郎さんの新刊『真説の日本史365日事典』(文春新書)が到着。詳細は後ほどBlogにて。

11月19日(金)▼洋書と映画と落語で満腹

 睡眠4時間で起床するとAmazon.co.jpからの宅配便が届いている。一昨日の深夜に注文した『Alex Zanardi: My Story』が、もう届いたのだ。ペーパーバック版の『My Sweetest Life』は、まだ届いていないのに。パラパラとページをめくりはじめたが、つい読みふけってしまう。英語にバリバリ堪能なら、翻訳してみたい内容だ。
 メールで架空戦記小説に挿入する地図のファイルが届き、内容の確認をしようと思ったら、あらら、これ、Macの圧縮ファイル(StuffIt)じゃありませんか。うちはWindowsなので解凍ソフトがない。ということでWindowsでもStuffIt形式で圧縮されたファイルを解凍できるソフトを検索し、Aladdin Expander 5.1Jというフリーソフトをダウンロード。このソフトを使って解凍したところ、ファイルはいずれも文字化け。Macで描かれた画像ファイルなので、おそらくEPS形式だろうと見当をつけ、ファイル名を変更。これがピンポーンで、なんとかPhotoShopで見ることができました。1つだけ問題点を発見し、出版社に連絡。
 小雨の中をカミサンと自転車で西武新宿線の最寄り駅まで出かけ、電車で新宿まで。電車の車内では『Alex Zanardi: My Story』を読む。
 新宿に出かけたのは、映画『笑の大学』を見るため。上映館は新宿文化シネマのはずだったのに、新宿スカラに変わっていて、ちょっとあわてた。
 場内はガラガラに近い状態で、しかも観客の年齢層が高い。これも映画の内容によるものか。面白くて笑えるし、テーマもよくわかるがが、これ、もともとが舞台劇のせいもあってか、やっぱりナマの芝居で見たほうが面白そう。役所広司が良かったが、稲垣吾郎は、滑舌(かつぜつ)を含む芝居の基本がいまひとつで、ちょっとイライラしたかも。
 同じ三谷幸喜作品の映画としては、『ラヂオの時間』のほうが、ストーリーも含め、喜劇としては、ずっと面白かった。ラストも予定調和というか、予想どおりだったしなあ……。これも舞台だったら、さほど違和感がなかったのかもしれないが。この映画、井上ひさし原作といわれても納得してしまったかも。

 映画のあと、カミサンと別れて、三越の7〜8Fにオープンしたジュンク堂を探索。映画関連の本を数冊買う(購入した本についてはBlogに記載予定)。
 つづいて新宿駅から電車で中野駅へ。中野小劇場で開催される橘家文左衛門、川柳つくし、鈴々舎わか馬さんの3名による落語会鑑賞のため。少し時間があったため、久々にブロードウェイの中を散策したが、ますます、オタク度が高まっている。ただし、一時に比べてお客の数が少ないような……。秋葉原に客を取られているのかも。
 午後7時からは3人の落語家による落語3席、ボーイズ(ガール1名含む)、3人落語(「青菜」)をワハハハハ……と堪能。
 落語終了後は高円寺で打ち上げ。雨が降っていたので高円寺からタクシーで自転車置き場までもどり、自転車で帰宅。

11月20日(土)▼読書三昧

 マンガの仕事に取りかからないといけないのに、昨日、買い込んできた本が気になって、つい読書(買ってきた本、読んだ本についてはBlogにて)。
 午後、フジテレビ721でマカオGPの予選レースを見たが、中嶋一貴がスタートでストール。追突されておしまい――でガックリ。
 夕方、水泳に行く準備をするが、やはり本が気にかかって水泳も中止。結局、朝までに3冊ほど読破。ちなみにBlogには、仕事に直接関係のある本などは紹介していません。


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