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  • 04年04月上旬の日記

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    04月01日(木) 小説家はエイプリルフールでなくてもウソをつく

     4月になってしまった。本当なら、もう原稿が上がっていていいはずなのに、まだ終わっていない。ああ、また編集者にウソをついてしまった……。
     マンガ家時代には、何人もいたアシスタントを遊ばせておくわけにはいかないので、ゆとりをもったスケジュールを立て、締切前に原稿を上げていた。「コロコロコミック」あたりでは、原稿が遅れた新人のかわりに、締切を前倒しにして上げたりもしていたものだ。
     それなのに、小説を書くようになったら締切が守れない。締切が迫るまで、イジイジと何度も書き直ししてしまうからだ。書き直ししても、そう大きく変わるわけではないが、パソコンで原稿を書いていると、簡単に直しができるのがイケナイのだ。マンガは、直しが面倒なため、いちど描いた原稿は、よほど大きな問題がない限り、直すようなことはしなかった。
     イジイジしていて原稿が進まず、家にいると雑用が多いこともあって、逆上してホテルに逃げ込んで、自主カンヅメするのも、いつものパターン。
     今回も、ついに限界点を超え、頭に血が昇ってカンヅメに出かけようと思ったのだが、いつも使っているホテルは満室でダメ。インターネットで検索したが、年度替わりの季節のせいか、都心の高いホテルか郊外のビジネスホテルくらいしか空きがない。こうなったら飯能か秩父あたりでもかまわないと思ったのだが、念のためにと阿佐ヶ谷のビジネスホテルをチェックすると、なんと今日から空きがあるではないか。3日ほど前にチェックしたときは、平日は満室だったのに。しかもインターネットで予約できるホテルは、ほとんどが前日までで締切なのに、当日の予約もOK。というわけで即座に今日から3泊を予約し、荷物をまとめて阿佐ヶ谷駅前のビジネスホテルへ。
     ホテルのロビーには、リクルートスーツ姿の若い女性がいっぱい。どこかの会社の入社式に出席したか、あるいは研修にでも参加した新入社員のような印象。春ですねえ……。
     このホテル、駅前も駅前、窓を開けるとホームというすごいロケーション。チェックインした4階の部屋は、カーテンを開けていると電車やホームから室内が丸見えだ。電車の乗客と目が合ってしまいそう。これでは落ち着いて仕事もできないため、カーテンを閉めっぱなしにして、すぐさま原稿に取りかかる。
     夜になって空腹を覚えたので、せっかく阿佐ヶ谷に来たのだからと、讃岐うどんの「はなまるうどん」へ。ちくわの天ぷらとコロッケをトッピングに、かけうどんの中を注文。いつもは小でトッピングは1つだけなのだが、カンヅメに備えてスタミナをつけようとこんなメニューに。しかし量が多すぎました。胃袋がふくれて苦しくなり、睡眠不足だったこともあって仕事をする気力がなくなる。そこで高円寺に行き、ちょこっと寝酒を飲んで、1時間ほどでホテルに帰還。風呂に入ってバタンギューで寝る。カンヅメの1日目は、たいてい睡眠不足解消のために寝るだけなんだよな……。
     食事と風呂の時間を利用して、先日、ざざっと読んだ『「超」英語法』野口悠紀雄/講談社/2004年4月刊/1,500円+税)をあらためて読了。ウンウンと、うなずくことばかりで首が痛くなった(?)。

    04月02日(金) カンヅメは続く……

     昨夜、早く寝たせいで、午前6時半に起床し、コンビニで買い込んであったヨーグルトやコーヒーで目を覚ましながら原稿。午前10時過ぎから近所のハンバーガーチェーン、喫茶店をハシゴして原稿。バッテリーがなくなったところでホテルに戻り、充電しながらまた原稿。少し昼寝して、バッテリーが満タンになったところで、また喫茶店をファミリーレストランをハシゴして原稿。エンジンが暖まったのか、枚数が進む。
     午後9時過ぎまで原稿を書き、知り合いの女性がやっている阿佐ヶ谷の小さな飲み屋に。初めて出かけたのだが、知り合いの女性イラストレーターが、旦那さんや可愛い娘さんとやってきたりで、子供を相手に息抜き。その後、ホテルにもどって風呂に入り、午前3時まで原稿を書いてから寝る。

    ■今日、読んだ本

    『荒鷲デス・アタック』(松岡弘一/光文社文庫/1999年12月刊/620円)......食事と風呂と寝る前のベッドの中で集中的に読む。こういう作品が書けるのではないか……と某社の某氏からナゾをかけられて読んでみたのだが、なるほど極めて劇画的で面白い。しかも仮面ライダーみたいでもある。ぼく向き……というナゾかけは、このあたりのことを言っているのだろう。架空戦記小説でも、「元マンガ家らしく、派手なドンパチを……」というようなことを言われてばかりだしなあ。ただしぼくは、肉体を使う格闘技的なアクションよりも、自動車や銃器などの道具(メカ)を使ったアクションの方が好きだなあ。大藪派なんです、ぼくは。

    04月03日(土) カンヅメは続く

     今朝も午前6時半に起床。9時まで部屋で原稿を書き、清掃のタイミングを見はからって外出し、スターバックスでコーヒーを飲みながら原稿。さらに喫茶店を回って原稿を書き、コンビニでサラダとカップヌードルとオニギリを買ってホテルにもどり、室内で朝食兼昼食。1時間ほど仮眠をとった後、午後9時過ぎまで原稿。空腹を覚えたので外に出て、書店に寄った後、焼き鳥店に入って焼き鳥のコースと鳥ワサに生ビール。ついでに書店で買ってきた落語の本を拾い読み。
     食後、風呂に入って眠気をさまし、原稿を書きつつF1バーレーンGPの予選をフジテレビで艦戦。結果は知っていたのだが、それにしても佐藤琢磨の5位は大健闘。明日の決勝が楽しみだ。このホテル、週末は部屋が空いていそうなので、明日も泊まろうかと思っていたのだが、佐藤琢磨の予選5位でチェックアウトを決める。家に帰ってフジテレビ721で、バーレーンGPの決勝レースをライブで見るためだ。

    ■今日、買った本

  • 『古典落語』(興津要・編/講談社学術文庫/2002年12月刊/1,313円+税).....1972年に講談社文庫から刊行された同名の本の再文庫化。ずっと大事に持っていたはずなのに、何度か引っ越しする間に行方不明になってしまった。落語の基礎教養のために購入。
  • 『古典落語(続)』(興津要・編/講談社学術文庫/2004年3月刊/1,313円+税).....上に同じ。正が出てから1年4ヶ月後に続が出て、とりあえずはめでたい。お馴染みの話が多いので、焼き鳥を食べつつニヤニヤしながら読む。
  • 『信長と天皇』(今谷明/講談社学術文庫/2002年9月刊/945円).....「信長の最大の敵は正親町天皇だった」という仮説を証明する本。いずれ書く予定の伝奇小説の基礎教養書。
  • 『秦の始皇帝』(吉川忠夫/講談社学術文庫/2002年2月刊/945円).....これもいずれ書く予定の伝奇小説の基礎教養書。
  • 04月04日(日) カンヅメからの脱出

     寝たのは午前4時。目覚ましは午前9時にセットしてあったのだが、地震で目が覚める。そのまま起床し、ホテルをチェックアウト。総武線で帰ろうとしたら信号故障でストップしていたため、バスで鷺宮に出て、西武新宿線で最寄り駅まで戻る。駅前の喫茶店で原稿を書き、正午近くになってから帰宅。座椅子にもたれて仮眠を取り、午後2時半から全日本GT選手権の第1戦。フォーミュラ・ニッポンも面白いが、GTは、もっと面白い。その面白さは、ルールなど知らなくても、見ているだけ伝わるわかりやすいもの。客が入るのも当たり前だ。ルールは面倒にしてはいけない。
     原稿を書きつつF1のスタートを待つ。午後8時半(日本時間スタート)のバーレーンGPは、フェラーリの1〜2にBARのバトンの3位と、マレーシアGPとまったく同じ。佐藤琢磨は、まだ落ち着きが足りないかな……。

    04月05日(月) マンガ&ネット喫茶初体験

     昼過ぎに起床し、30分ほど歩いて大泉学園まで出かけ、喫茶店でパスタの食事をとりつつ残った原稿。2時間ほどで切りあげ、今度はマンガ&ネット喫茶に初挑戦。個室風に仕切られているところが多いので、原稿を書くのにいいのではないかと思ったのだが、ちょっと甘かった。というのは椅子がリクライニング式の寝そべるタイプで、机にノートパソコンを置いて原稿を書くのには、ちょっと不向き。1時間ちょっと頑張るが、腰が痛くなりそうなので中断。しかし、平日の昼間からマンガの本を積み上げて、読書(?)にふけっている人の多いこと。それにしてもマンガが売れなくなるのは、よくわかるなあ……。
     途中、書店でXMLの参考書を物色。といっても種類が少ないため、選ぶのに困る。これならAmazon.co.jpで買ったほうがいいや……と購入を断念。
     電車で最寄り駅にもどり、喫茶店で原稿のつづき。バッテリーが切れたところで徒歩で帰宅。その後も原稿。

    ■どの本がいいのかな?

    04月06日(火) 喫茶店のハシゴ

     寒いせいで家から出るのに覚悟が要る。やっと覚悟ができたのは午後6時を過ぎてから。吉祥寺までバスで出て、吉野家で豚キムチ丼の夕食をとったあと、喫茶店をハシゴしながら原稿。深夜、夜食の味噌ラーメンを食べてタクシーで帰宅。

    04月07日(水) 家に籠もる

     外に出かける時間も惜しくなってきたので家に籠もる。新しく買ったクルマが届けば、また夜中までファミレス巡りをしながら仕事ができるかも。ただしファミレスでは、つい食事をしてしまうため、コレステロールと中性脂肪が溜まるのが怖い。
     久々にデスクトップPCで原稿を書いたが、Windows XPのフォントに慣れていると、Windows 98のフォントが汚く見えてイラツク。デスクトップをWindows XPのマシンに買い換えれば、自宅で仕事をする気になるかなあ……。

    ■今日いただいた本

    04月08日(木) クルマが届く

     昼過ぎ、新しく買ったクルマが届く。1,500ccの国産セダン。5分ほど近所を走ってみるが、すぐに帰宅し原稿。睡眠不足で運転する気になれなかった。原稿も、なんとか目鼻がついてきてはいるのだが……。

    04月09日(金) クルマでファミレスへ

     せっかくクルマが来たのでファミレスに出かけて原稿。短い距離しか乗っていないのに運転疲れ。まだ慣れていないせいだな。
     ファミレスで原稿を書いている途中、PHSを使ってメールのチェックをすると、ウィルスメールが何通も届いている。昨日も来ていたのだが、メールのヘッダを解析した結果、アドレスを偽装していても、昨日と同じ人が発信したらしい。ウィルスに感染していることに気づいていないのだろう。
     こちらはホームページや掲示板などの公開の場にはメールアドレスを掲載しない方針で、ホームページからのメールによる連絡も、CGIを使ったフォームメールにさせてもらっている。メールを送る人には不便だが、フォームメールに統一して以来、ウィルスメールもスパムも皆無に近い状態になった。たまにウィルスメールが届いても、それは発信者のメールソフトかアドレス帳に残る当方のアドレスが使われていることになる。ということは過去にメールの交換をしたことがある人に限定されるというわけだ。
     今回は、一般に公開していないメールマガジン用など複数のアドレスが使われていた。ということはウィルスメールの発信者も絞り込みも容易になる……というわけで原稿の合間に、ウィルスの警告を報せるメールマガジンを発行。
     帰宅後、睡眠不足のせいで午後9時にダウン。目が覚めると午前0時。それから朝まで原稿。

    04月10日(土) またクルマでファミレスへ

     3時間ほど寝て起きると、またウィルスメール。送信者は昨日と同じ人と思われる。面倒なのは、こちらのアドレスを騙って送信したものの、宛先に該当アドレスがないためにリターンされてきたり、ウィルス検知ソフトに引っかかって差し戻されるものまで含まれていること。当方のアドレスでウィルスメールが届いても、それはこちらのせいではありません。
     昨日、メールマガジンでウィルスのことを報せたせいで、不安になった人たちから何通か問い合わせのメールがあったので(「Macでもウィルスに感染するのか?」といったこと)、その回答や、ウィルス、スパムを避ける方法などをまとめて、またメールマガジンを発行。このウィルス騒ぎのせいで、かなり原稿が遅れてしまった。
     あわててクルマでファミレスに出かけ、必死に原稿を書くが、土曜日のせいで夕方になると店内が満員。待っている人も出てきたため、4人がけの席を1人で使うのに気が引けて、そそくさと撤退。自宅で原稿を書くが能率悪し……。


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