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  • 03年10月中旬の日記

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    10月11日(土) F1日本GP予選

     今日も朝から起きてF1日本GPをチェック。佐藤琢磨は気負いすぎて2コーナーでミス。ラスト5人になったところで雨が降り出して、予選結果は大番狂わせに。明日の決勝は、スタートが危ないぞ……と心配になる。
     F1の予選後、「漫画原稿を守る会」の漫画家・作家の賛同者のうち、インターネットをやっていない人たち向けにFAXマガジンを送信。その数、約80通+アルファ。もちろんパソコンからFAX モデムを通じての送信だが、ノーマルモードでも4時間半ほどかかる。
     その間コツコツと仕事していたが、あまりにも腰が痛いため、夜になってプールへ。しかし時間帯が悪かった。レッスンでコースがふさがっていたため、水泳は250メートルで切り上げ、あとは水中ウォーキング500メートル。体重は200グラムしか減らなかった。
     帰途、ファミリーレストランに寄り、サラダとパンの夕食をとりながらノートパソコンで原稿。でも外付けキーボードに馴れてきたせいで、ノートパソコンのキーボードではミスタイプばかり。また胃が痛くなってきた。
     夜遅く、ちばてつや先生から「漫画原稿を守る会」FAXマガジンのコメント修正依頼が届く。ボイスレコーダーで録音してあった内容を文にまとめたのだが、少し勘違いがあったらしい。ホームページのものは、ただちに修正し、FAXマガジンは、明日の昼間、修正分を送信することにする。
     こちらのミスではあるのだが、ちば先生は、そんなことも気遣ってくださって、ひたすら恐縮するばかり。
     そういえば昔(1969年おわりか1970年はじめ)、編集プロで働いていたときのこと、講談社から出た『あしたのジョー』の豪華カラー版単行本用のカバーの校正刷りをチェックしてもらうため、ちば先生のお宅を訪問したことがある。
     色校正などは編集者におまかせのマンガ家が多いなか、ちば先生は、じっくりと原画と校正刷りを見くらべて、色の調子などを実に細かくチェックされた。当時はデザイナーが変わったレイアウトをするのが流行した時代で、背景の色が原画の色とは異なっていたりしたのだが、そのことについての疑問も提示されたが、その疑問は編集部に伝えることにして(立場としては、ただのお使いさんだった)、校正刷りを持って引きあげたことがあるが、ほかの先生方が皆さん、おまかせだったので、丁寧なチェックにビックリしたものだった。しかも、ただのお使いさんにかかわらず、応接間に通していただいて、目の前で先生が校正のチェックをされた。
     また、「増刊少年マガジン」で『あしたのジョー』の総集編を編集したときにも、ちょっと驚いたことがあった。総集編に掲載する前に、「少年マガジン」掲載時に空いていた縦1/3の広告スペースを絵で埋めてもらう作業があるのだが、縦1/3ページのスペースを、背景だけのコマで埋めておしまいにするマンガ家が多いなか、ちば先生のところでは、すでに描かれていた2/3ページ分の原稿用紙をカッターで断面が斜めになるように切断し(分厚い画用紙を使っていた)、これを別の画用紙の上に重ねて貼ってから、コマの枠線を左右に延長して1ページ分の幅にし、そこに新たな人物や背景を足していく面倒な方法を取っていた。原稿用紙を斜めに切断するのは、別の原稿用紙と貼り合わせたとき、影が出ないようにする工夫だったのだ。
     こうして修正されたページは、ちょっと見には、広告スペースのあったページとは思えなくなっていた。このあたりが実にプロフェッショナルで、マンガ家になれたら真似しようと思ったものだった。しかし、いざ自分がマンガ家になって、コミックスを出してもらえるようになると、忙しさが先に立ち、広告スペースなどはアシスタントまかせにできる安易な手段に逃げがちだったのも事実。でも、ときには、新たにページを起こして描き直したものもある。そのときには、確かに、ちば先生のことが頭にあった。
     寝る前に、ちば先生のメールアドレスを探し出し、今日の件についてのお詫びのメールを送る。そのメールでは、もう34年も前になるが、ぼくがアシスタントをしていたとき、マンガ家チーム同士の野球の試合に助っ人に駆り出されて2塁を守っていたとき、ヒットを放って猛然と1塁をまわって猛然と滑り込んできた、ちば先生に、左手をスパイクされて出血した思い出も書き添えた。そのとき怪我の手当てをしてくれたのは、ちば先生のアシスタントをしていた、あべりつこさんだった。救急箱のクスリで手当てを受けたのだが、とても感じのいい女性で、包帯を巻いてもらいながらドギマギしたことを覚えている。
     先日の「漫画原稿を守る会」のミーティングでもそうだったが、昔のエピソードを思い出しながら、ちば先生は、本当に、誠実のかたまりのような方だということを改めて実感。ベテランのマンガ家には、そんな方がけっこう多いように思う。

    ■今日とどいた本

    『中年宮本武蔵』鈴木輝一郎/双葉社/2003年10月刊/1,700円+税)......『三人吉三』につづくスーパー時代小説。『三人吉三』は芝居になるらしいが、いったい、アレをどうやって出すの?

    10月12日(日) F1日本GP決勝

     午後、F1日本GP決勝。いやあ、予選順位が番狂わせだったせいで、決勝レースも波乱続出となって、今年一番のおもしろいレースになった。面白さの半分は、やっぱり日本人が走っているせいか。
     F1を見ながらFAXメールの修正分を送信。ちば先生からご丁寧な返信をいただき、またまた恐縮。その後は、ひたすら原稿書き。

    10月13日(月) ただ原稿

     終日、家に籠もって原稿。特記事項なし。

    10月14日(火) 今日も原稿

     早起きして原稿。午前中に完成した分をメールで送信。引きつづき残りの原稿。

    10月15日(水) 健康診断

     本当は、昨日で原稿が終わっている予定で、今日は朝から健康診断の予約を入れてあった。原稿は終わっていないが、予約をキャンセルするわけにもいかないので、一緒に予約したカミサンと自転車で病院へ。眼底検査に血液と尿の最終に内科の触診に心電図に胸部レントゲン検査で50分ほど。血圧133は少し高め。もっと待たされると思ってノートパソコンを持っていき、待ち時間に原稿を書こうとしたのだが、ほんのちょっぴりしか書けず。
     帰途、昼間3時間だけやっている近所のうどん屋へ。手打ち麺を生から茹でてくれるので、少し時間はかかるが、うまい、うまい。血液検査に備えて、昨夜から絶食していたせいもあるかもしれないが。こちらは釜揚げのちらし肉うどん、カミサンはきざみうどんで満足、満足。おみやげに出汁つきの生麺も買ってくる。
     寝不足状態だったので、夕方、少し昼寝をしていたら、地震で起こされてしまう。そのまま起きて原稿を書いたあと、腰が痛くてたまらずフィットネスクラブに出かけ水泳800メートルと水中ウォーキング500メートル。仕事が気になるので、いつもより早いペースで消化し急いで帰宅。でも血圧は99だった。朝は少し高すぎ、夜は低すぎ。たぶん機械のせいだろう。帰宅後、自宅の血圧計で測ると124。ま、こんなものだろう。

    10月16日(木) 幸運の越乃寒梅

     午前中に起き、ノートパソコンに向かって原稿。もう青息吐息でゼエゼエ。
     午後、友人の女性漫画家が自転車で来訪。先日、あちらの夫婦&息子とウチの夫婦で食事したとき、あちらの高校生の息子がサービスのクジ引きを引いたら、なんと特等! 賞品は「幻の名酒」といわれた時代もある「越乃寒梅」が1升。一緒に食事したときに当たったものだからと、この酒を律儀にも半分に分けて持ってきてくれたのだ。特賞を引き当てた息子の運も分けてもらうつもりで、ありがたくいただいた。さっそく今夜の寝酒にしよう。
     彼女の相手はカミサンにまかせ、こちらはヒイヒイと原稿。ただキーを叩くのみ。はあ……(タメイキ)。

    10月17日(金) 編集者の退職パーティー

     午前中に起床し必死に原稿。夕方、シャワーを浴びてからジャケットを着て竹橋まで久々の外出。行きの西武新宿線の電車は、空いている各停を選んで座席にすわり、ノートパソコンを広げて原稿。高田馬場から乗り換えた地下鉄東西線は、座ることができたが隣にも乗客がいたため原稿書きは残念。高田馬場駅売店で購入した「週刊新潮」に読みふけっていたら、降車予定の竹橋を乗り越し、次の大手町でUターン。情けないったらありゃしない。
     午後6時半からホテルの宴会場で、小学館を定年退職する女性編集者のお別れパーティー。「コロコロコミック」時代、コミックスなどを一手に取りまとめてくれていた方で、返却されてきた原稿の整理のみごとなこと。「漫画原稿を守る会」の関係で、原稿を適当に扱う編集者のことが問題になっているのだが、この女性編集者は、その対極にある。ほかの漫画家も、原稿をもっと大事に扱わないといけないということは、この女性編集者の仕事ぶりから教えられたとスピーチしてました。
     漫画家も編集者も、ひさしぶりに会う人が多く、ほとんど同窓会。二次会にも顔を出したが、仕事があるので早々に引きあげ、帰宅後も朝まで原稿。パーティーの途中、予期せぬ朗報が携帯電話に飛び込んできたのだが、詳細は、また後日。

    10月18日(土) 引き籠もり

     いよいよ原稿も大詰めで、ひたすら家に籠もって仕事しています。昨日の外出で、どうやら風邪を引いたらしい。風邪薬を飲むと、ガマンできないほど眠くなるので、タイツを履いて、綿入れの半天を着て、からだの保温に気づかいながら仕事。ケホン、コホン。

    10月19日(日) 引き籠もりつづく

     4時間の睡眠で起床。シコシコと小説の原稿を書き、午後2時半からフォーミュラ・ニッポン第9戦もてぎの決勝スタートだけテレビでナマ観戦後、また原稿。途中、燃料給油のあたりで10分ほどテレビを見て、ついでに10分ほど仮眠。ハタと飛び起き、また原稿にもどり、ゴールの瞬間だけ、またナマ観戦。あとはまた書斎(?)に籠もって仕事。昨年まで母が使っていた部屋に机を入れ、椅子に座って仕事するようになってから、テレビもラジオもないせいで、世の中の動きもわからぬ引き籠もり状態。夜食もとらなくなったせいか、この1ヶ月で体重が3kg減。

    10月20日(月) 引き籠もり終わるか?

     3時間の睡眠で起床し、必死に小説の原稿。本当は寝る前にアップしたかったのだが、眠気は大丈夫でも目がダメ。老眼と乱視で目が疲れると、たちどころに焦点が合わなくなる。しかも部屋が暗いせいか、メガネがはなせなくなった。
     途中、急激に眠くなり30分ほど仮眠。それでも能率が上がらず、結局、原稿がアップしたのは午後9時。速攻でメールにして送信。
     本当は一息入れたいところだが、次のマンガの仕事が切羽詰まっているため、休むこともできず。このマンガが掲載されるのはムックなんだけれど、もう予約もはじまっているんだよね。本当にアセります。アセアセ。

    ■今日とどいた本

    『家族同時多発介護』(鈴木輝一郎/河出書房新社/2003年10月刊/1,400円+税)......鈴木輝一郎さんのエッセイ本。うちも昨年、母を介護した末に看送ってるので、リアリティをもって読めそうです。先にカミサンに持ってかれてしまいましたが、うちのカミサン、鈴木さんのエッセイ本のファンになっているようで、いま、ムサボるように読んでます。うちのカミサンのお気に入りはコレ
    222222 Hit
    ■おめでとうございます!! 「222222」のゾロ目を自分で踏んでしまいました。

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