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  • 03年08月上旬の日記

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    08月01日(金) 吉祥寺へ買い出し&回転寿司

     法事の準備のため、吉祥寺まで家族でクルマに乗って買い出しに。買い物をすませた後、「少女漫画家達による手作りグッズ展示・即売会」の会場に寄って、先日、売約済みにしてあった水樹和佳子さん製作のお花と、予約してあったたらさわみちさん作の手描き扇子を受け取ってくる。
     買い物の後は、吉祥寺・回転寿司戦争で話題になった吉祥寺駅地下の「まぐろ人」へ。並んでいたら別の店に……と思っていたのだが、座るところがあったので、そのまま入店。郊外型の回転寿司と比べて少し値段は張るけれど、何よりもネタがいい。3人で5,000円ちょっとだったが、この値段で、新鮮な中トロや関アジなども食べられて満足。
     帰宅後は、ホームページ作りの後、深夜、ケーブルテレビの「日本映画専門チャンネル」で「ハワイ・マレー沖海戦」(1942年東宝)を見る。監督は山本嘉次郎、特技監督は円谷英二。途中まで見ていたが、ハワイに向かって攻撃隊が空母から発進するあたりで座椅子にもたれままグー。ハッと気づいたら、「ハワイ・マレー沖海戦」は終わっていた。

    08月02日(土) 夏きたる

     やっと梅雨が明けたと思ったら、いきなりの猛暑。ノートパソコンも熱を持って、キーを打つ手が熱くなる。来週から原稿に専念しないといけないので、頼まれているホームページの修正や作成を急ぐ。でも、画像の編集などで、やっぱり時間がかかるなあ……。
     午後9時からはF1ドイツGPの予選。ホッケンハイムは、ちょっと迫力がなくなったかも。ホームページのファイルをいじりながら午前5時に就寝。

    08月03日(日) 母の一周忌

     まだ就寝中の午前9時、静岡から親戚一同がレンタカーの大型ワゴンで到着し、大あわてで起床。午前11時、母が眠る霊園付属の施設で一周忌の法要。墓参りをすませた後、近くの料亭で食事。午後3時に帰宅し、スカイスポーツで富士の全日本GT選手権レースを見ているうちに居眠り。目が覚めるとゴール直前で、またスープラの優勝か……と思っていたら、突然、トップを走っていたauスープラがトラブル。タカタNSXが漁夫の利を得て優勝してしまった。
     夕食後、役員に就任している某社の業務の関係で必要になった履歴書を書く。履歴書なんて書いたのは34年ぶりくらいだ。午後9時過ぎになってから最寄り駅に出かけ、コイン証明写真で履歴書につける写真を撮影。下は短パン、上は持参したワイシャツ、ネクタイ、ジャケットを身につけてのナンチャッテ証明写真。帰宅すると、フィリピンから国際電話で「エクセルの使い方がわからねえ」のSOS電話。「セルの書式設定」の方法を教えて一件落着。初心者向けの本を何冊か持っているのだが、そこに書かれている「言葉の意味がわからない」という。結局、諸悪の根元は、ここに行き着くのだ。
     ……こんなドタバタをしているうちに、F1ドイツGPの存在が記憶中枢から欠落。それだけ最近はレースに気合いが入っていないんだろうなあ……。
     午前1時半から「日本映画専門チャンネル」で「ゼロ・ファイター 大空戦」を見るが、眠気に負けて就寝。

    08月04日(月) 取材の連チャン

     暑くて午前9時には目が覚める。頼まれているホームページのファイル作りや更新をし、午後は資料読み。夕方から最寄り駅近くの喫茶店に出かけ、雑誌「ペントハウス」の取材を受ける。先日の「POPYE」同様に、こちらもスペースインベーダー25周年に関連して、『ゲームセンターあらし』の作者としての感想などを述べる。「あらし」については、話す内容もマンネリ化しているなあ……。同じようなことばかり質問されているので、しかたないのだが……。
    「ペントハウス」の取材が終わった後は、同じ喫茶店で、来年、30周年を迎えるという『仮面ライダー・アマゾン』についての取材。当時の思い出話などを……といわれても、実は、ほとんど憶えていない。特撮ライターの肩書きを持つ取材者たちの方がずっと詳しくて、そのサポートを受けながらインタビューに応えたが、ノレンに腕押しのような取材だったに違いない。申し訳ないことをした。
     最初に描いた『仮面ライダー』や『仮面ライダーV3』のあたりはともかく、『Xライダー』『アマゾン』のあたりになると、『ロボコン』や『キカイダー』『ゴレンジャー』『アスガード7』といった石森プロ作品に加え、オリジナル作品も増えはじめていた頃で、月産300から400ページの原稿を、とにかく締切に間に合わせるだけがやっとの状態だった。1本の作品のペン入れが終わり、アシスタントに回すと、すぐに次の作品のネームに取りかかり、アシスタントが寝ている間に下絵を入れる……といったことの繰り返し。切れ目なく仕事がつづいていて、わずかなオリジナル作品も含め、どんな内容のものを描いていたのか、記憶のカケラもないものがほとんどなのだ。当時、読者だった人で、いまも特撮ものが好きな人たちには申しわけないのだが、これもマンガの現実ではあるのだ。テレビものマンガは、上等な仕事ではない、という認識があって、早く、テレビものを卒業したい……という焦りが募っていた頃で、それがテレビものマンガの記憶を消す一因にもなっているのかもしれない。
    グランプリマシン「メルセデス・ベンツW25 & アウトウニオンD」

    08月05日(火) 写真撮影

     暑くて午前中に起床。原稿に取りかかる準備をしていると、速達が届く。依頼してあった資料。直後、この資料を送らなくてはならないG社の編集者から、催促のメールが到着。あわてて他の資料と合わせて荷造りし、さらに、資料となるモデルカーをデジカメで撮影。サムネイルも作成してサイトに掲載し、これをダウンロードしてもらうことにする。
     一段落ついたところで歯医者。まだ時間がかかるらしい。夕方、激しい雷雨の中、宅配便を出しに行く。そのままプールに行こうと思ったのだが、今日からフィットネス・クラブが夏休みだったのを思い出して断念。実に残念。レアル・マドリード対FC東京の試合をテレビで観戦。はあ、さすがスーパースター軍団のレアル、強いなあ……。

    ■今日、届いた本

    『パノラマ島奇譚」殺人事件―江戸川乱歩の事件簿4』楠木誠一郎/有楽出版社・発行/実業之日本社・発売/ジョイノベルス/2003年8月刊/838円+税)......江戸川乱歩と横溝正史の探偵コンビが活躍するシリーズ、早くも4作目。

    08月06日(水) 何していたのか記憶にない

     たぶんホームページを作っていた。あ、確か、某社の編集者から電話があって、マンガを4ページほど引き受けた気が……。

    08月07日(木) 昨日に同じ

     たぶんホームページを作っていた。あ、確か、昨日とは違う某社の編集者から電話があって、マンガをやはり4ページほど依頼されるが、締切が急なので断る。来週にはノベルスのゲラが2冊分出るし、次の架空戦記小説にも取りかからないといけないため、ちょっと日程が厳しいのだ。

    08月08日(金) 買い物に

     午後、カミサンとクルマで吉祥寺まで買い物に出かけるついでに、漫画家の川島れいこさんのところに、依頼されていたホームページの修正分のうち、完成した分を届けにいく。残りは、こちらの仕事の目処がついてからということにしてもらい、パソコンを借りてアップロード。途中でミスを見つけるが、エディターで一括置換し、なんとかクリア。
     カミサンも久々に川島さんと会ったため(昔、同僚だった)、つい話がはずんで気がついたら夕刻。あわてて吉祥寺に向かい、デパートで買い物。駐車券が2時間分もらえたので、外に出て葱坊主で讃岐うどんの夕食。帰宅後は朝まで、頼まれていた柳家紫文さんのホームページ作り。台風接近中。
     深夜、柳家紫文さんのホームページ作りのため、江戸の切り絵図や浮世絵をスキャン。

    08月09日(土) 台風の中、うどんすきの昼食会へ

     4時間の睡眠で飛び起き、台風が迫る中、新橋の美々卯へ古いネット仲間たちとの食事会に出かけるが、少し早く着いたので、「オヤヂ天国」と秘かに命名したニュー新橋ビルの地下を探検。昼食時だというのに、すでに居酒屋が開いていて、日本語が片言の女性たちが呼び込みをしているのは、いつものとおり。ここにある雄峰堂という書店の小説の棚の品揃えは、歴史・時代小説、戦記(実録・架空)小説、官能小説がズラリのオヤヂ度満開。1Fの入口では、大判将棋という大道将棋の大会をやっていたし、ホント、渋谷や六本木とは対極の位置にある「オトナの娯楽の殿堂」だ。テレビで典型的なサラリーマンにインタビューするとき、新橋が選ばれるのも理解できる。
     雄峰堂書店では、発売になったばかりの新潮文庫版『秘録陸軍中野学校』ほかを購入し、時間が来たので美々卯へ。
     昼食会に出席した女性のひとりが流行のヌーブラをつけてきた……とのことで、見せてもらえるのかと思ったら、さすがにそれはなし。広告に謳われているほどの寄せて上げての効果はなく、また、慣れないとつけるのもむずかしいとか。12,000円が定価だったはずのヌーブラも、安い類似製品が出まわるようになり、最近ではディスカウントショップの目玉商品になっている。ここまで来ると、何かトラブルが起きたりして、あっというまに忘れ去られていくにちがいない。そう、あの超音波美顔器や、ぶら下がり健康器や、ナタデココや、EMSや、紅茶キノコのように。てな話で盛りあがる。
     美々卯名物のシャーベット状の冷酒を飲んで、昼間から、いいコンコロモチ。
     風雨が激しいので、どこにも寄らずに、そそくさと帰宅。電車の中では、しばし爆睡。帰宅後は、柳家紫文さんのサイトのファイル作り。紫文さんがスポーツ新聞に書いた都々逸の原稿を、日替わりで表示させるCGIのプログラムを組む。閏年の計算でマゴつくが、裏技的な方法で回避。毎日、午前零時になると、新しい都々逸を詠み込んで表示させるものだが、バグ取りを重ねた結果、なんとか動いてくれるようになる。
     昨日、マンガの原稿を断った編集者とメールのやりとりをしているうちに、結局、マンガの原稿を引き受けさせられた。

    ■今日買った本

    『秘録陸軍中野学校』(畠山清行・著/保阪正康・編/新潮文庫/2003年7月刊/857円)......7月18日の日記で、『昭和史発掘・幻の特務機関「ヤマ」』(斎藤充功/新潮新書/2003年7月刊/680円+税)が、日本で初めて陸軍の秘密組織「ヤマ」を紹介した本と謳っていたことにイチャモンをつけたが、そこで証拠として紹介した番町書房版の『秘録陸軍中野学校』が文庫になった。しかも『昭和史発掘・幻の特務機関「ヤマ」』と同じ新潮社からだ。もちろん文庫版『秘録陸軍中野学校』でも「ヤマ」のことは触れられている。同じ会社から出た本の宣伝コピーを同じ会社の出版物が否定するというのは、なんだか因縁めいてるなあ……。
     読み物としても面白いので、エスピオナージものが好きな方は、ぜひどうぞ。この文庫も、たぶん、ゾルゲ絡みで出版されたのではないか……とも思うのだが。

    『写真・太平洋戦争(1)―ハワイ作戦、南方攻略作戦』(雑誌「丸」編集部編/光人社NF文庫/2003年7月新装版発売/857円+税)
    『写真・太平洋戦争(2)―中部・南部太平洋方面攻略作戦、蘭印攻略作戦、インド洋作戦』(雑誌「丸」編集部編/光人社NF文庫/857円+税)......旧版も持っているが、新装版になっていたので、また購入。

    08月10日(日) 墓参りと病院への見舞い

     午前9時すぎ、静岡からイトコたちが到着。母の一周忌の墓参りに来てくれたもの。朝からビールをつきあって、昼前、霊園まで墓参り。和食レストランで食事をし、イトコたちが帰ったあとは柳家紫文さんのサイト作り。少し昼寝するつもりでいたら、昔、うちのアシスタントをしてくれていたマンガ家のKが、自宅で倒れ救急車で病院に運ばれたとの連絡が飛び込んでくる。ひとり住まいだったが、気分が悪くなって自分で救急車を呼んだとのこと。すぐ近所に友人のマンガ家夫妻が住んでいて、病院にも一緒についていってくれたらしい。
     カミサンと一緒にタオルなど入院に必要そうなものを持ってクルマで家を出発し、連絡をくれたマンガ家夫妻を途中で拾って病院へ。病室に行くと、意識が朦朧としながらも、こちらの顔はわかってくれた。安静にしないといけないので病室から出てきたが、問題は、患者の身内が近くにいないこと。親族でないと詳しい病状も治療計画も教えてもらえないのだ。午後8時の見舞い時間終了直前、連絡のついた親族の人が九州から駆けつけてくれ、つきそいのバトンタッチする。あわてて家を出てきたので、気がついたら夕食もとっていない。帰途、友人のマンガ家夫妻と一緒に食事をしてから帰宅。
     元アシスタントが倒れたのは、今年になって2人目。自由業のマンガ家は、倒れたら即座に収入が途絶える職業でもある。そんなことを考えると、明日は我が身という思いもあって、気分が落ち込む。これが憧れる人の多い自由業の世界の現実でもあるのだ。もしもマンガ家や小説家をめざすなら、あらかじめ、夢を見限る年齢を設定しておいた方がいい。いつまでも実現しない夢を追いかけていると、待っている未来は悲惨なものになる。


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