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  • 03年01月中旬の日記

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    01月11日(土) 体重が減ってきた

     昼前に起床し、夕方まで仕事。夕食前にフィットネスクラブに出かけ、水泳1200メートル、ウォーキング500メートル。連チャンで水泳をしたせいか、体重も昨年暮れのレベルまで戻ってきた。
     水泳の後、クルマで書店を巡回したが、とくにめぼしい収穫はなし。最近、新刊本は、すぐに在庫品切れ(絶版といわないところがミソ)になってしまうため、見つけたときに買っておかないと、あとで困ることになる。新書、文庫でも、書店の定番だったような本が書棚から消えている状態にあっては、油断ができないのだ。ほとんど強迫観念といっていい。
     その後、ファミリーレストランに寄って食事しながら資料読みと原稿書き。連休前のせいか深夜にもかかわらず混んできたので、そそくさと帰宅。
     深夜、佐々木譲氏のホームページに出かけ、掲示板に、佐々木氏の著作『疾駆する夢』を「F1 CLUB」で紹介したことを報告。佐々木氏とは面識がないのだが、ぼくをモータースポーツの世界に引き込んだ人が、佐々木氏がかつて勤務していた会社の方で、その会社あたりですれ違っていた可能性もある。また、佐々木氏の作品については、デビュー作の『鉄騎兵、跳んだ』が「オール読物」に掲載されたときから読んでおり、『鉄騎兵、跳んだ』の映画化に合わせ、急きょ出版された初の単行本も購入。以後、ほとんどの単行本を購入し、読みつづけている。もちろん『ベルリン飛行指令』では興奮して徹夜。『エトロフ発緊急電』『ストックホルムの密使』も同じ。『ワシントン封印工作』もだ。最近の個人的なお気に入りは『鷲と虎』。零戦登場以前の中国戦線における騎士道・武士道精神あふれる戦闘機同士の戦いが、第二次世界大戦直前の戦闘機が好きなこちとらの琴線をビンビンとかき鳴らしてくれたものだった。
     いつかは佐々木氏のような作品を書きたいと、ネタも仕込み、資料も集め、取材もつづけているのだが、大衆娯楽ノベルス系架空戦記書きとしてのワタクシメが出版社から求められているのは、「元マンガ家らしいドンパチ」というのが現実。こんな編集者の要請にも、自分を投げ捨て、すぐにでも応えようとしてしまうのも、「読者は神様です。編集者さまも神様です」という精神を、マンガ家時代に叩き込まれ、刷り込みになっているせいだろう。そうしないと仕事がなくなるという強迫観念から生まれたものだけど。でも、そのうちいつか、そのうちいつか……という言い逃れも、いよいよ通用しない年齢になっているのも事実だなあ……。

    ■おすすめ図書

    『疾駆する夢』(佐々木譲/小学館/1,900円+税)......太平洋戦争敗戦後、横浜の瓦礫の中で生まれた自動車修理工場が、世界的な自動車メーカーに成長していくまでを描いた小説版戦後自動車産業史。読んでいるとき「タッカー」を思い出した。
    『ベルリン飛行指令』(佐々木譲/新潮文庫/1993年1月刊/743円+税)......太平洋戦争直前、日本の新型戦闘機「零戦」をベルリンまで空輸する大傑作航空冒険小説。
    『エトロフ発緊急電』(佐々木譲/新潮文庫/1994年1月刊/781円+税)......ルーズベルト大統領は、真珠湾攻撃に向かう日本海軍機動部隊の存在を知っていたのか? いまも歴史の陰で密やかに語られるエピソードをベースに、魅力的な日系アメリカ人の諜者が、機動部隊が集結する択捉島に潜入する……。日本推理作家協会賞、山本周五郎賞をダブル受賞した国産エスピオナージ小説の最高峰。
    『ストックホルムの密使』(上巻)(佐々木譲/新潮文庫/1997年11月刊/590円+税)......第二次大戦終了間際のヨーロッパから満州まで日本人男女が駆け抜ける面白い作品なのに……版元品切れとは(;_;)。
    『ストックホルムの密使』(下巻)(佐々木譲/新潮文庫/1997年11月刊/590円+税)......(版元品切れ(;_;))
    『ワシントン封印工作』(佐々木譲/新潮文庫/2000年11月刊/819円)......真珠湾攻撃前夜、ワシントンの日本大使館を舞台に繰りひろげられる諜報戦。
    『鷲と虎』(佐々木譲/角川文庫/2001年9月刊/838円)......日記中の文のとおり。
    【佐々木譲氏の著作一覧】

    01月12日(日) パソコンを買いに

     昼前、宅配便のチャイムで起床。伊豆長岡に住む義姉から、いちごが届く。神崎京介氏の大人気青春官能小説『女薫の旅』シリーズ(100万部突破!)の主人公で、修善寺に住む山神大地が、貧しさゆえに食べられなかった伊豆の高級いちごである(なんてたとえだ)。地元では「江間いちご」で知られているが、パッケージには銘柄が印刷されていた。
     午後、クルマで近所の家電ディスカウントショップに、家族用のパソコンを買いにいく。買ったのはシャープのA4ノートパソコン。CPUはAMDのAthlon。使用目的が「ワード」と「エクセル」の習熟なので、「Microsoft Office Home Edition」も入っているし、自宅の机の上で使う省スペース・パソコンとしては、このあたりで充分だろう。
     LANの配線を変更しないといけないので、RJ-45コネクターや配線用工具も買ってくる。あ、HUBを買ってくるのを忘れた。
     帰途、こちらは途中で下車し、喫茶店で原稿。1時間ほどで眠気に襲われ、徒歩で帰宅。歩いている内に目が覚め、原稿を書きながら日曜洋画劇場で「U−571」を見るが、クライマックス直前に友人から電話がかかってきて長話。見るのを中断してしまったのだが、はて、最後はどうなったんだろう?

    01月13日(月) 成人の日

     朝まで原稿を書いていたおかげで、起床は午後1時すぎ。しまった、高校サッカーの決勝戦を見るのを忘れた。
     そこにAmazon.co.jpから注文していた本が届く。
     夕方、わが家の新成人のリクエストで、家族で吉祥寺に出かけ「ぼてぢゅう」で、お好み焼き。実に安上がりで助かる。
     食事の後、ラオックスでCD-R/W用のライティングソフトやLAN用のHUBなどを購入。途中、サーティーワンでアイスクリームを買って帰宅後は、LANケーブルの工事。RJ-45コネクターの取り付けは、けっこう面倒くさいぞ。

    ■本日購入した本

    『坂井三郎の零戦操縦』(世良光弘・編著/並木書房/2001年6月刊/1,600円+税)......これまで読んだ零戦、坂井三郎氏関連の本で、零戦の操縦法については、ほぼ把握していたが、再確認のために購入。操縦に絞ってまとめられていたので、わかりやすかった。

    『マンガ 零戦の撃墜王』(坂井三郎・原案/宮代忠童・画/講談社プラスアルファ文庫/2001年10月刊/680円+税)......内容については、坂井三郎氏関連の著作をほぼ読んでいるので、知っていることばかりだったが、坂井三郎氏について初めて読む本としては絶好の1冊かもしれない。ただ、マンガとしては、戦闘機などのメカの絵がバツグンなのに、人物の絵が同人誌系(?)で、登場人物の顔の見分けがつきにくいのが難点。

    01月14日(火) 秘密のオネスト・ジョン

     昼前、玄関のチャイムの音で目が覚める。チャイムを鳴らしたのは、ヤクルトのお姉さんだった。
     インスタントラーメンの朝食を食べていると、レディスコミックを描いているマンガ家の友人(女性)からパソコンについてSOSの電話。買ったばかりのパソコンで、何かミスをしでかし、日本語入力ができなくなったという。症状の見当がつかないので見に行くことにしたが、あちらも仕事が忙しいので、まもなく開通するADSLの設定を兼ねて、まとめて面倒みることになる。
     というわけで、こちらは昨夜やりかけで中断したLAN工事のつづき。1階のケーブルモデムにつないだルーターから分岐し、2階の仕事部屋まで引っ張っていた10BASE-Tのケーブルを途中で切断し、ここにHUBを噛ませて家族の部屋にケーブルを分岐。新しいノートパソコンに接続して、都合5台のパソコンが接続されたことになる。Windows XP Professional、Windows XP Home Edition、Windows 98 SE、Windows 98、Windows CE……とOSもバラバラ。この工事を終えた後、NECのPC-9801 VX2、Macintosh LC575、日立ソフト ILIOS(Windows 3.1)などを処分対象に加える。これで少し仕事部屋がスッキリ。
     夕食後、少し原稿を書き、午後9時を過ぎてからフィットネスクラブへ出かけて水泳800メートル、ウォーキング500メートル。体重が、またリバウンド気味だったので、少しハードに泳ぐが、体重は800グラムしか減らなかった。
     このフィットネスクラブ、トイレに入ると、便器の前に、以下のような英文の書かれたプレートが貼られている。

    Stand closer
    please your honest John is not so long as you expected.
     英語の入門書を書いた割には英語の文法には強くないのだが、でも、この英語、なんか変。
    Stand closer, please.
    Your honest John is not so long as you expected.
     あるいは、
    Please Stand closer.
    Your honest John is not so long as you expected.
     というのが正しいんじゃなかろうか?
     訳は「もっと前に出てちょうだい。あんたのナニは、あんたが思ってるほど長くないんだから」というような感じだろう。
     ここに出てくる「Honest John(オネスト・ジョン)」は、50歳以上の人ならば、子供の頃、東富士演習場で試射が実施され、反対運動も起きたアメリカ軍のミサイルの名前だということを知っているはず。戦術核兵器を搭載できる短距離ミサイルだったが、駄菓子屋で売っている花火の名前にまで使われるほど有名だった。もちろん、このミサイルの名前がナニの俗語になっていることは知らなかったが。
     で、もうひとつオネスト・ジョンで思い出すのが、佐野洋氏の「推理日記」だが、どんな内容だったかが思い出せない。もう30年以上も「小説推理」(双葉社)に連載されているミステリーに関するエッセイで、オネスト・ジョンに関する文章が出てきたのは、確か最初の方だったと思うけれど……。うーん……と思い出せないぞ。単行本も文庫版も、おそらくすべて持っているはずだが、どこかに埋もれていて見つからない。わかった方、「msugaya@mba.nifty.ne.jp」まで、ご一報を。
    『推理日記』(佐野洋/講談社文庫他)......ミステリー作家志望者の必読書。ミステリーを書く人たちは、『推理日記』と『推理日記』で紹介されたミステリー作品を読みながら、「ミステリーにおける視点とは?」「フェアとアンフェア」といったミステリーの必須事項を学んでいくのです。

    01月15日(水) 「T.R.Y.」を観にいく

     午後に起床。メールをチェックするが、返事も書かずに、カミサンとともにクルマで大泉学園のシネマコンプレックスT・ジョイ大泉へ。今日はレディスデーで女性は1,000円なのだ。T・ジョイ大泉は、東映の東京撮影所内にできたシネコンで、わが家からはクルマで10分ほど。思い立ったときに映画を観られるようになって嬉しい。ついでにカミサンのセゾンカードを使って、こちらの料金も200円割引。
     今日の目的は『T.R.Y.』。井上尚登さんの横溝正史賞受賞作を映画化した作品で、原作は前半でおしまい。あとは映画のオリジナルになっていた。映画の内容は、一言でいえば「和製『スティング』」。おそらく上海でのロケシーンを多用したかったためだろう。それにつけても近頃の邦画とは思えない贅沢な作りで、テンポまでもがハリウッド製か香港製といった感じ。中国、韓国もマーケットとして考えての作りだろう。ただし、歴史に関心のない若い人たちのためにも、もう少し時代背景の説明などがあってもよかったかも。でも、面白かった。昨年末に観た『たそがれ清兵衛』といい、日本映画も、まだまだ捨てたものではないぞ。
     映画と観たあとは、大泉学園でクルマから降ろしてもらい、喫茶店をハシゴしながら小説の原稿。途中、練馬駅に移動して、保谷駅にもある「越後そば」で、掻き揚げそばを食す。さらに喫茶店でバッテリーがなくなるまで原稿。やっと馬力がかかってきた。

    ■関連図書

    『T.R.Y.』(井上尚登/角川文庫/2001年5月刊/667円)......横溝正史賞受賞作のコンゲーム小説。原作は、映画の前半で終わっているが、映画とは異なり、実在の歴史上の人物が出てくるところが面白い。ジェフリー・アーチャーの『百万ドルをとり返せ! 』などが好きな方には、お薦めの1冊。

    01月16日(木) Windows XP SP1に再挑戦

     以前、いま使っているPanasonic CF-A3ノートパソコンのWindows XPをSP1(サービスパック1)にアップデートしようとしたら、画面が真っ青になってフリーズし、更新ができなくなったため、元に戻していたのだが、オーディオのドライバーに問題があったようで、対策されたものが松下電器のサイトに登録されていた。
     ならばとWindows XPのアップデートに再挑戦したら、ひょええ〜! ファイルのダウンロードが「残り5分」と表示が出ているのに、1時間以上もかかり、さらにそれから更新に1時間くらいかかる。マンガのプロットを書かなくてはいけなかったので、焦りまくっていたのだが、なんとか更新が終了。エディターでプロットを書きはじめたら、あじゃじゃじゃ、ATOKの日本語変換が、きちんと反応してくれない。変換をしようとすると、まるで反応がなくなってしまうのだ。
     そういえば、ジャストシステムのサイトに、Windows XPで発生するトラブルを解消したソフトがあったっけ……と、そのソフトを再ダウンロードしてインストールしたら、なんとか反応が戻ってくれた。
     ただし、再起動しようとすると、途中で無反応になってしまう。これはACアダプターのプラグを抜くと、とたんに反応が戻ることを発見。電源管理ソフトあたりに問題があるのかも。
     てなことをやっていたせいで、マンガのプロットを書き上げたのは朝。意識朦朧としながらプロットをメールで送信し、布団に潜ったのは午前8時過ぎ。眠気をこらえて布団の中で片目だけ開き、必死に資料の本を読む。

    01月17日(金) 打ち合わせとADSLのセットアップと

     起床は午後1時半。メールの確認だけして即座に外出。最寄り駅ちかくの喫茶店で、最近、起業したばかりのネット関連会社の方々と会って、あれこれ密談。テスト用のソフトもいただく。
     その足で富士見台まで出かけ、友人のマンガ家が購入したパソコンとADSLモデムのセットアップ。アプリケーションやADSLモデムのファームウェアのアップデートもあり、さらにはネット電話のVoIPの設定もありで、こんなの素人には無理だよなあ……と文句をいいつつ4時間ほどかけて、ネットサーフィンとメール、ネット電話が使えるようにする。時間がないのでWindows XPのSP1へのアップデートは後まわし。LANケーブルやコネクター、かしめ用の工具まで持参したが、こちらは使わずにすんだ。それにしてもVoIPの電話を試してみたが、音声に、とくに問題はなかったぞ。こんな電話が普及したら、NTTだった安穏とはしていられない。
     電車で最寄り駅まで戻り、スーパーで福神漬けを買って帰宅。今日の晩飯はカレーライス。

    今日いただいた本

    『猫探偵・正太郎の冒険(2)――猫は聖夜に推理する 』柴田よしき/光文社カッパ・ノベルス/2002年12月刊/800円+税)......小説にネットに大活躍の柴田よしきさんの新刊。ネコ好きには、たまらない1冊かも。

    01月18日(土) 今日もプールでダイエット

     午後に起床し、食事後、喫茶店をハシゴしながらノートパソコンで小説の原稿。夕方、フィットネスクラブで水泳1,000メートル&ウォーキング500メートル。ちょっと強めに泳いだせいか、水泳の前と後では体重が1.2キログラム減。
     プールの後は古書店と新刊書店に寄り、その後、ハンバーガーショップに寄って再び原稿。午後10時すぎ、また別の古書店に寄ってから帰宅し、朝まで原稿。

    今日買った本

    『監督』(海老沢泰久/文春文庫/1995年1月刊/515円+税)......いま書いている小説で、ちょっと迷いが出ているため、それを吹っ切るために痛快な小説が読みたくなり、つい発作的に購入。最初に読んだのは新潮社版の単行本で、新潮文庫でも読み、これが3度目。海老沢氏はレースものも面白いが、やはり最高に面白いのは野球を題材にしたもの。なかでも最高に面白いのが『監督』。つぎに面白いのが『ただ栄光のために――堀内恒夫物語』(新潮文庫/げ、絶版?)。
    『ワイルド7』(望月三起也)......リンク先は、つい最近発売された愛蔵版だが、こちらが買ったのは、少年画報社から1970年に発売された新書コミックス第1巻の「初版」。全巻そろいで持っていたのに、いつのまにか散逸してしまったため、新たに購入したもの。「初版」にこだわったのは、編集プロ勤務時代に編集を担当した本だから。一部、原稿のトレスも担当した。

     その他、明後日、某大学で、マンガの表現技術についての講義をするため、その資料に使う古いマンガを数冊購入。

    01月19日(日) 今日も書店、古書店めぐり

     昼過ぎに起床し、原稿を書きはじめたが、またもやATOKの変換に時間がかかるようになった。やはりWindows XPをSP1にしたのが原因のようだ。しかたがないので1時間ほどかけて、またもやバージョンを戻す。
     その後、西武新宿線の最寄り駅まで徒歩で向かい、古書店2軒、新刊書店2軒を巡回。喫茶店にまわって資料読みと原稿書き。途中、ネットで資料のチェックをする必要があって、PHSを使ってインターネットに接続すると、あれれ、なんだかメールの調子が悪い。@niftyのサイトで調べると、メールサーバーがトラブルを起こしたらしい。このところ連日のように「未承諾広告※」メールが届くのだが、こういうのがサーバーに負荷をかけているのではなかろうか……と思いつつ、またも届いていたDMを見る。
     しかし、変だなあ。件名に「未承諾」という文字列が入っているメールは廃棄するよう設定してあったのに。それなのに届くのは、いったいどういうわけだ……とDMをジックリ見ると、題名の先頭が「未承認」ではなく「末承諾」となっていた。「未」のかわりに「末」を使うことで、フィルターを通り抜けようとしたらしい。うーん、ごくろうなことです。
     というわけで「末承諾」を新たにキーワードに登録したら、また同じ業者からDMが。こんどは「未承諾」と、またもや微妙に題名を変えている。ついでなので、「未承認」「末承認」「未承諾」「末承諾」をまとめて廃棄用にセットしておいた。さて、次は、どんな題名で届くのだろう? このメールに怒って、あわててメールの本文中に記載されている電話番号をダイヤルしてはダメ。「001」で始まる国際電話で、国番号を見ると、どうやらモルドバあたりらしい。どうせ国際ダイヤルQ2か何かだろう。いまだに引っかかる人がいるんだろうか?
     それよりも送信したつもりの仕事の原稿が、相手先に届いていないようなので、即座にPHS経由で送信。その後、資料を入手して再び原稿。コーヒー1杯で2時間半も粘ってしまった。
     別の喫茶店に移動しようと外に出ると、いつのまにか雨。傘もなく、あまりに寒いので、タクシーで帰宅しようと思ったら、夜になってからの突然の雨だったせいか、タクシー乗り場は長蛇の列。しかたがないのでカミサンにクルマで迎えに来てもらい、そそくさと帰宅。食事をした後、朝までかかって、明日の大学での講義の資料をまとめる。当初は、「劇画の表現技術」に絞ろうかと思ったが、近頃、「劇画」という言葉も死後に近いので、「戦後マンガの表現技法」について説明することに決め、レジュメをまとめていたら朝になっていた。

    今日買った本

    『ミステリー主義』(阿刀田高/講談社文庫/2003年1月刊/495円+税)......単行本のときに買い損ねたエッセイ集。阿刀田高氏の著作は、小説、エッセイ含め、まずハズレがない。アイデアや発想を重視する姿勢が好きなのかもしれない。
    『ああ勝負師』(阿佐田哲也/角川文庫/1980年7月刊/460円+税)......また『ゲームセンターあらしA』を描く季節がやってきた。これは作者のココロに、ギャンブル魂、ゲーム魂を注入するための本である。
     このほかにマンガの講義で使うための古いマンガを数冊購入。

    01月20日(月) 大学でマンガの講義

     睡眠3時間で起床し、資料の確認をしたあと、クルマで埼玉の某大学へ。ノートパソコンに作成しておいたHTMLファイルと、資料のマンガをスキャンした画像をOHP経由で学生に見せる。驚き、悲しみ、怒り、焦り……とった感情表現を補佐する汗、蒸気、フラッシュ……といった「記号」の使い方については、タブレットで簡単なマンガを描きながら、使用例を解説。そして、絵がリアルにシリアスになるにつれ、感情や動きを補助する記号も減っていったことを、大友克洋や能條純一の作品を見せながら説明する。
     1時間20分の授業では、ささっと駆け足で終わってしまったが、このあたり、もういちど、じっくりやってみたい気もする。
     学生に創刊当時の「ビッグコミック」に掲載されていた石ノ森章太郎先生の『佐武と市捕物控』を見せて、コマ割りや構図などについて解説。これは石ノ森先生から直接聞いていたことの受け売りでもあるが、それにしても、この頃の『佐武市』の表現のすごいこと。ぼくの師匠でもある石ノ森章太郎先生の最高傑作は、誰がなんといおうと、「ビッグコミック」版『佐武と市捕物控』だというのが、ぼくの持論である。それにしても、この『佐武市』、いま見てもほれぼれとするなあ……。
     午後3時50分からスタートした授業は、午後5時10分に終了。東北自動車道、中央外郭環状線を経由して帰宅。ネクタイも取らないうちに、金曜日にパソコンのセットをしてあげた友人のマンガ家からSOSの電話。メールがうまく使えないらしい。その場でテストしてもらうと、ちゃんとメールの送受信ができた。「すべてを選択」「ドラッグ」「コピー&ペースト」「カット&ペースト」などの基本操作、フォルダやファイルの概念などから覚えてもらわないといけないようだ……。


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