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  • 2002年12月中旬の日記

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    12月11日(水) 腰が痛くて水泳

     今日も原稿に専念していたが、座りっぱなしのせいか腰痛が再発。面倒なことに足の親指まで痺れる症状が出て、これはヤバイと水泳へ。久しぶりだったせいで、おばさまたちから次々と「お久しぶりね」と声をかけられる。水泳800メートル、ウォーキング500メートルで1kg減。帰宅後、明日の大学の講義の資料作り。

    12月12日(木) 大学で講義

     先週に引きつづき、今日も某大学で講義。本当はインターネットのセキュリティ、つまり、ウィルスや侵入といったことをテーマにする予定だったのだが、先週の反応を考慮し、もっと身近な「個人情報」の問題を扱うことに。コードレス電話や留守番電話の「盗聴」や、暗証番号の盗まれ方などを紹介。最後にインターネット関連をひとつだけ。ステガノグラフィーの暗号技術を使った実例を見せる。『ゲームセンターあらし』の絵を2枚見せ、1枚にはテキストが埋め込まれていることをソフトを使って実演。こんな絵を見せたせいか、授業のあとはサイン会になってしまった。
     で、別の授業の講義を依頼され、つい引き受けてしまった。こちらは来年1月の授業。
     クルマで帰宅後、少し仮眠をとり、夕方から腰痛防止のため、また水泳。帰途、ファミリーレストランに回って原稿。

    12月13日(金) 古書店めぐり

     原稿を書いていて、ちょっと不安な点が出てきたら、気になって原稿が進まない。ネットの検索でわかることでもなく、資料になる本は、どこかの古書店で見かけたことがあるのだが、どこの古書店だったかが思い出せない。神保町や早稲田ではなく、覗く頻度の高い吉祥寺か高円寺の古書店に違いない……と思って吉祥寺に出かけて古書店を回るが収穫なし。新刊書店でいずれ資料として使えそうな以下の本を購入。

     『日本軍鹵獲機秘録』(押尾 一彦+野原 茂・編集/光人社/1,600円+税)
     『最終決戦兵器―米軍を圧倒する恐るべき技術力の成果』(桜井英樹/光人社/2,000円+税)
     『雷蔵好み』(村松友視/集英社/1,600円+税)この本は雷蔵ファンの女性にプレゼントの予定。

     吉祥寺で喫茶店2軒をハシゴし架空戦記の原稿を書くが、やはり古書店のことが気にかかり、高円寺に移動。で、見つけました。午後7時には閉まってしまう古書店で、夜遅く高円寺に行くことが多いため、入る機会が少なかったのが、記憶が曖昧になる原因だったらしい。今日は午後6時に到着したので、なんとかセーフ。他にも資料になりそうな本を見つけたのはいいのだが、財布を見ると足りそうにない。あわてて駅前の銀行に行き、ATMで現金を引き出してくる。買ったのは、
     『第二次世界大戦全作戦図と戦況』(戦史刊行会・企画/白金書房/1975年刊/8,800円/古書価格4,500円)
     『都電―60年の生涯』(東京都交通局/1971年刊/非売品/古書価格4,500円)
     ……や、その他もろもろ(このもろもろが目先の仕事に関係のあるところ)。
     またもや喫茶店に入り、ツナサンドを食べながらバッテリーがなくなるまで原稿を書いた後、ビールをひっかけて帰宅。

    12月14日(土) 引き籠もり

     午後、歯医者へ。以後、家から一歩も出ないで原稿。

    12月15日(日) 引き籠もりつづく

     今日も家から一歩も出ないで終日原稿。ガクンとペースが落ちている。ささいなことが気になって、つい調べものをしてしまうのが敗因。

    12月16日(月) 蒲田行進曲

     このところ寒いので靴下を履いたまま寝ているのだが、最近、新しい厚手の靴下に替えたところ、この靴下がよく滑る。2階から階段を降りるとき、注意しないと危ないな……と思ってはいたのだが、起き抜け、まだ目が完全に覚めない状態で、2階の寝室から1階に降りる途中、やっちゃいました。靴下を階段でズルリと滑らせ、ドドドドド! 太股と肘を打ちつけ、イテテテ。とりあえず3段ほど尻餅をついたかたちで落ちただけなので、なんとか打ち身程度ですみました。
     それにつけても階段落ちといえば、やっぱりキネマの天地の『蒲田行進曲』。主題歌が頭の中で鳴っておりました。
     で、そのあとは、本日も外出せずに原稿……の予定が自宅にいると、メール、電話、会社の雑用……などで原稿に集中できず、きわめて能率が悪い。午後は少し原稿を書いただけで、たまっていた請求書の作成など。さらに催促のあった架空戦記の原稿を途中まで送り、夕食後、クルマでファミリーレストランへ。でも、食事の前に外出するべきだった。ファミレスでは長時間居すわることが多いため、客単価を上げようと、つい何か食事を頼んでしまう。これがコレステロール上昇の原因だってことは、重々承知の上なんですが。
     ファミリーレストランを3軒ハシゴし、ノートパソコンのバッテリーがなくなったため、すごすごと午前3時に帰宅。いつのまにか土砂降りになっていた。しかし、外に出て歩いたら、太股が痛かった。階段落ちの後遺症らしい……。

    12月17日(火) 「週刊アスキー」でインタビュー

     朝まで原稿を書いた後、4時間ほどの睡眠で起床。ぎえ、全身のあちこちが痛い。昨日の階段落ちが、今日になって痛み出したようだ。シャワーを浴びて髭も剃って、信濃町のアスキー本社へ。いつのまにか初台から引っ越してたのね。昨日で架空戦記の原稿も終わっているつもりで、この日にインタビューの日を設定してもらい、ついでに書店めぐりをして、映画も見て……などと考えていたもので、こちらからアスキー本社に出向くことにしたのだが、ああ、実に甘かった。原稿は、まだかなり残っていて、インタビューの前にも少し時間があったので、信濃町駅前の喫茶店に飛び込み、ノートパソコンでビシバシ。このとき一部のキーのタッチがおかしくなっていることに気づく。ああ、またもやキーボードが最初にイカれたか。ハードに使うからなあ……。
     午後3時からアスキー本社の会議室で、写真撮影されながらインタビューを受ける。テーマは24日発売の『MSX MAGAZINE 永久保存版』に関連したMSXの思い出などについて。あの頃は、自分でプログラムを作るのが当たり前だったけど、その分、パソコンに対する思い入れも強くなった。それだから2,500円もするムックが、予約だけで5,000部も突破したりするんだろう。

     ちなみに、このインタビューは、12月24日発売の「週刊アスキー」に掲載されるそうです。

     インタビューの後は、そそくさと自宅の最寄り駅まで戻り、またもや喫茶店で原稿。夕刻になりタクシーで帰宅し、夕食後、仮眠。深夜、ファミリーレストランに出勤して、また原稿。コレステロールに悪いなあ。ファミレスでは、目の前のテーブルでノートパソコンを開き、原稿らしきものを書いている人がいた。ふだんなら、つい意識して原稿の能率が落ちるのだが、ここまで切羽詰まっていると、そんなことを気にしているヒマもない。眠気の限界まで原稿を書き、必死に眠気をこらえてクルマで帰宅……したら目が覚めて、また原稿。
     そういえば、アメリカのamazon.comから、1998年に予約注文した資料用の本が、ついに出版断念に至ったとの連絡がきた。予約が集まらなくて、出版の予定が延期に延期を重ねていたのだが、ついに出版をあきらめたらしい。構想を温めている歴史ミステリー用に予約した本で、絶好の資料になるものと期待していたのになあ……。

    12月18日(水) 必死に原稿

     一昨日の階段落ちが、今日になっても響いている。腰が痛い、肘が痛い。立ち上がるのにイテテテ状態。
     今日もひたすら原稿を書き、足腰が痛いので一歩も外に出ず。

    12月19日(木) 必死に原稿

     今日は身体の痛みもなくなったので、起きると同時にクルマでハンバーガーショップへ。バコバコと原稿を書きつづけ、夕方に帰宅。1時間ほど仮眠をとって、また朝まで原稿。変わりばえなし。
     そういえば今日は小学館のパーティーだったような……。

    ■今日いただいた本

     『ふたり道三』(一)宮本昌孝/新潮社/1,600円+税)
     『ふたり道三』(二)宮本昌孝/新潮社/1,600円+税)

    12月20日(金) 磐紀一郎さんのバースデーパーティー

     いくらなんでも原稿が切羽詰まり、今日は睡眠3時間で飛び起き、原稿を書きつづける。夕方から毎年恒例の時代小説作家磐紀一郎さんの誕生パーティー兼忘年会があるので、それまでには原稿をあげようと、必死に書くが目が疲れて画面が霞み、実に不調。蒸しタオルで目を温めたりしながら原稿を書くが、外出時刻の午後4時半になっても終わらず、ついにノートパソコンを持ってカミサンと一緒に新宿へ。西武新宿線の最寄り駅からは各駅停車の電車に乗り(空いているから)、高田馬場までの車内でノートパソコンのキーを叩く。山手線経由で新宿に到着した後も、まだ少し時間があったので、カフェに飛び込み、ここでも原稿をビシバシ。
     おしゃれな居酒屋で開かれた誕生パーティーは、例年のごとく宮本昌孝クンが会計係兼司会。仲間内では一番の売れっ子作家なのに、年齢が一番若いため、いつまでたっても雑用係。かわいそうなこと、このうえない。もっとも当人も、司会をするのは嫌いではなさそうだし、宮本クンの司会を楽しみにやってくる人も多いので、まあいいか。ちなみに『ふたり道三』は新潮社も大プッシュの模様で、第三巻、第四巻は、1月の発売になるらしい。再びブレイクするか、宮本昌孝?
     それよりも何よりも、こちらは原稿が上がっていないのが問題だ。しかも担当編集者は、こちらの原稿が届くまで会社で待っているという。そこで乾杯をすませ、前菜をちょっとつまんだだけで会場から脱出。都会では自殺する若者が増えていても、そんなことは関係ない、早く行かなくちゃ、原稿を書きにいかなくちゃ……と店の上がり口に行くと、あれれ傘がない……じゃなくて靴がない。下足箱の中から靴を見つけてエレベーターホールへ行くが、待てど暮らせどエレベーターは来ない。面倒なので非常口から階段を駆け下り、近くの地下街にある喫茶店へ。ここで必死に原稿書き。アドレナリン全開で、指が勝手に動き、自動書記状態。この状態になると、ローマ字入力ではあるが、親指シフトにヒケを取らなくなる。奥歯をギリギリいわせながら最後まで突っ走り、なんとか午後7時半にアップ。アクションシーンが中心のヤマ場は、やはり、タイピングにもスピードが必要だ。
     さあ原稿をメールしよう……とノートパソコンに持参のPHSをつなぐが、地下のせいで電波が来ていない。PHSは地下街に強かったような気がしたのだけれどなあ……とボヤきながら、確実に電波の届く業界御用達の喫茶店「滝沢別館」へ。ここで原稿の内容を最終確認し、メールで送信。ついでに他の仕事のメールを受信し、返事を書く。
     まだゲラがあるが、とりあえず急場の締切は終了……と思ったら疲れがドドッ。携帯で磐紀一郎さんやウチのカミサンと一緒にいるはずの女優・声優の石津彩(HP)に電話して居場所を確認すると、中央線の電車で二次会場の店がある高円寺に移動中という。こちらも後を追いかけて高円寺へ。二次会会場に行く前に、書店に飛び込み、今日、発売のはずの「トラマガ」3号を探すが売っていない。別の書店まで探す気力はなかったので、そのまま二次会へ(あとで「トラマガ」のホームページを確認したら、いつのまにか発売日が23日になっていた。祝日でも発売になるの?)。
     歩きながら出版社に電話すると、まだ原稿を受信していないという。その場で確認したら8時40分過ぎに到着していたらしい。こちらは、もっと早い時間に送信しているのに、混み合っているのかなあ。とりあえず受信してもらえて一安心し、二次会会場へ。
     こちらではシナリオライターの鈴木良武さんと1年ぶりにお喋り。
     目の前には編集プロ勤務の若者たちが。そのなかの門脇クンという27歳の若者が、『ゲームセンターあらし』のファンだったとのことで、人なつっこくスリスリとすり寄ってくる(当人の希望で特に名を秘す……もとい名を出す)。チミイ、ファンを自称するのなら、『ゲームセンターあらし』完全復刻版『スーパーゲーム大戦ゲームセンターあらし対マイコン電児ラン+こんにちはマイコン完全版』のことも知らないなんて、そりゃモグリだぜ(笑)。
     二次会の後は、自宅で讃岐うどんを食べるときの参考に、高円寺にある立ち食いの讃岐うどんの店に連れていく。塩気が強いのが好みだが、身体には良くないかも。お店をまかされている男性は、偶然、カミサンの高校の後輩だった。
     讃岐うどんの夜食の後、吉祥寺経由で深夜バスを利用して帰宅。ああ、疲れた……けれど、原稿が終わって少しホッ。

    ■今日いただいた本

     『ご隠居さまは名探偵!―水戸黄門とタイムスリップ探偵団』楠木誠一郎[HP]・著/村田四郎・イラスト/講談社青い鳥文庫 223-2/620円+税)

     『MSX MAGAZINE 完全復刻版』(アスキー書籍編集部・編/2,500円+税).......インタビューに登場した西さん、対談に登場した初代編集長の田口さんともに、お元気そうで何よりでした。当時「Mマガ」の表紙イラストを担当していた大野一興さんなども含め、同窓会でもやれたらいいのにな……。

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