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  • 2002年09月上旬の日記

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    09月01日(日) フェラーリ圧勝のベルギーGP

     午前中に起床と同時にマンガの原稿に取り組みバックを終わらせる。ベタ、ホワイト、トーンは家族が手伝ってくれているので、そのチェックをしながら午後はスカイスポーツでフォーミュラ・ニッポンの生中継。ポールシッターの土屋武士が1周目の1コーナーで自滅した後、トップに立った脇坂寿一が最後までトップを譲らず優勝。内容的には実につまらない。その後、前座のGC21のレースが放映されたが、GCというだけで、ちょびっと感慨にふけりながらニューズ出版のサイトで購入した星野一義写真集『聖地』(岩田泉・撮影)のページを繰る。
     夜は仕事をしながらフジテレビ721でF1ベルギーGP。ミハエル・シューマッハーとルーベンス・バリチェッロのフェラーリが逃げてしまい、おまけに雨も降らなかったため、スパにしては波乱が少ない退屈なレース。最近、おもしろいレースが少ないなあ……。

    09月02日(月) 「ハッカー・ジャパン」のインタビュー

     午後、白夜書房「ハッカー・ジャパン」の取材を受ける。「プロジェクト×(バッテン)」という成功しなかったプロジェクトを追いかける連載記事の取材で、今回のテーマは「ニューメディア」。1984年に描いた『こんにちはニューメディア』(徳間書店)というビジネス情報マンガの作者ということで取材を受け、VANやキャプテン、INS(ISDN)などが、なぜ失敗したかについて個人的意見を話す。そういえばキャプテンと同じ頃スタートしたフランスのミニテルは、いまだに、ときどき利用しているぞ。

    09月03日(火) 「あらしA」第2回おわる

     母の介護や葬儀などで遅れてしまっていた「トラマガ」連載の「ゲームセンターあらしA」が、午後いっぱいまでかかって、やっと終わる。この3日ほどは、連日、睡眠時間3時間ほどになっていたが、なんとか終わってホッ。夕方、高円寺で原稿を渡した後、別件の資料を受け取り、ごぶさたしていた飲み屋に寄ってビール。睡眠不足がたたって眠くてたまらない。さらに疲れも吹き出して電車で帰宅するのを断念。タクシーで帰宅し、そのままバタングー。

    09月04日(水) 資料の買い出しに

     午後、家の用事と仕事の資料の買い出しのため、池袋に向かう。電車の中で資料の本を読んでいたのだが、いつのまにか熟睡。池袋に到着したアナウンスで目が覚めたのだが、視界が霞んでいて、まともに周囲が見えない。「やばい、このまま倒れるのか?」と不安になったのだが、次の瞬間、資料を読むために新しく作った老眼鏡をかけていたことに気がついた。それまで使っていた眼鏡に比べて度が進んでいるため、手元の本などはクリアに見えるのだが、遠くがダメ。遠近両用ではないためだ。眼鏡をはずしたとたんに周囲がハッキリ見えて、ホッ。しかし、ちょっとあわてました。

     西武のデパ地下で買い物をした後、ジュンク堂に脚を伸ばして資料の買い出し。活字関連の本のほかに、メディアファクトリーの新書版「サイボーグ009」を10巻まで購入。本当は最新の26巻目までと思ったのだが、ほかの本も買わないといけなかったので、重さを考えて、とりあえず10巻まで。その他の資料など探しているうちに、あっというまに2時間が経過。重い本を抱えて地元まで戻り、喫茶店で資料読みをしたあとプールへ。8月は2回しか泳がなかったせいで、身体がすっかりナマっている。身体を慣らすために水泳600メートル、ウォーキング500メートルで切り上げ。帰宅後も寝るまで資料読み。

    09月05日(木) 原稿に取りかかる

     今月は架空戦記小説の書き下ろし1冊のほか、パソコン関連の記事、書評、評論など活字の仕事がギュウ詰め。さらに上下2巻のうち下巻の途中で中断したままになっているレース小説の催促もきて気分は真っ青。そのうえにマンガの仕事が4ページとちょっと。とりあえず目先の締切かた片づけていくことにしよう……と朝からノートパソコンに向かう。
     午後、気分転換のため、久しぶりに徒歩で喫茶店に出かけ原稿執筆。帰途、またもやプールに寄って水泳&ウォーキング。ついでに骨の健康度チェックを受けたら、数値が平均値よりちょびっと低い。水泳の後、さっそく牛乳を飲み家に電話してクルマで迎えにきてもらう。プールに行く前に寄った古書店で、本を何冊も買い込み荷物が重くなってしまったため。帰宅後、資料を読みつつ原稿。
     ちなみに古書店で買った本は、すべて自動車がらみ。近所に、自動車、バイクに強い古書店があって、ときどき覗いているのだが、今日の収穫は、戦前のグランプリレースで活躍したタツィオ・ヌヴォラーリの伝記『チャンピオン・ドライバー』(ジョヴァンニ・ルラーニ著/高齋正訳/二玄社/1969年初版)。1979年頃に新刊で買って読んだのに、いつのまにか行方不明になっていた本だ(偶然にも石神井公園に住んでいた訳者の高齋正さん(この頃は、すでに『ホンダがレースに復帰する時』で人気SF作家になっていた)と知り合いになったのは、この2年くらい後のこと)。パラパラと読んでみたが、内容に記憶がない。どこかに「花王石鹸のマークのような顔」というヌヴォラーリの顔の比喩があるはずだが、これも見つからない。イタリア人の著者が「花王石鹸のマーク」などと書くわけがなく、訳者の意訳であろうと思ったが、ヌヴォラーリの顔を写真で見ると、「花王石鹸のマーク」という比喩が、まさにピッタリ。イタリア人にはわからずとも、日本人なら一瞬にして「三日月」を連想するはずで、その翻訳のセンスにぶっ飛んだ憶えがある。
     この本の裏表紙に使われているのがヌヴォラーリがドライブするアウトウニオンD型の写真。1938年のもので、このときのマシンが、先週、吉祥寺で購入したスケールモデルそのものなのだ。
     古書店では、ほかに『明治の輸入車』(佐々木烈/日刊自動車新聞社)、星野一義の伝記の『疾走――日本一速い男』(中島祥和/講談社)などを購入。後者も家捜しすれば、どこからか出てくるはずなのだが。星野一義選手関連の本は、まもなく締切がくる「F1 CLUB」の書評で星野一義選手の写真集を紹介するため、その資料。資料読みばかりで原稿が進まない……。

    09月06日(金) とくに変化なし

     ただ資料を読み、原稿を少々。

    09月07日(土) 昨日に同じ

     ただ資料を読み、原稿を少々。深夜、眠気に耐えられずダウンしようかと思っていたら、ウィルスメールが大量に届く。いずれもリターンメールで、宛先不明で戻ってきたもの。また、サイトのウィルス検知ソフトがウィルスメールを送ったことを通知してきたものもあった。どうやら当方のメールアドレスをアドレス帳に記載してある人のパソコンがウィルスに感染し、当方のアドレスを使ってウィルスメールを送信したものらしい。濡れ衣を着せられたようなものだけに、実に不快である。
     とりあえずネットに接続しているパソコンすべてのウィルス検知作業を実行するが、とりあえずこちらの被害はなし。やはり、こちらのアドレスが騙られたもののようだ。

    09月08日(日) 「トラマガ」発売延期の理由

     午前7時前に起きてしまい、さっそく原稿。午後、高齋正さん宅を訪問し、先日の通夜の際、手助けしてもらった高齋さんの次男に、お礼の品を届ける。帰途、ハンバーガー店で原稿。日曜日の午後遅くとあって高校生たちで混雑。うるさくて能率が上がらず途中で退散。

    「2ちゃんねる」に『ゲームセンターあらしA』第2回の原稿が遅れたことが「トラマガ」2号発売延期の理由のように書かれていましたが、先に発売延期が決まったとの連絡を受け、安心して(?)原稿の進行を遅らせたのが真相です(発売日延期にともなって、新たにマンガ家座談会の企画なども入ることになりました)。ただし、この発売延期には、こちらのプライベート面に対する編集部の気遣いも含まれていたものと推測しています(編集部では否定しているのですが、かなり影響があったものと考えています)。その意味では発売を心待ちにしてくださっていた読者の皆さんに、本当に申しわけなく思っています。ごめんなさい。
     なお、発売日の延長決定前には、プライベート面での事情を知った古くからの友人のマンガ家、元アシスタントのマンガ家たちが、いつでも助っ人に来るからと連絡してくれていました。締切が延びたおかげで彼らの手を煩わせることなしに、家族の手伝いだけで原稿を上げることができたのですが、締切が延びなかった場合でも彼らマンガ家仲間の手助けがあれば、おそらく間に合わせることは可能であったろうと思います。心理的には、かなりあわてふためいていただけに、マンガ家仲間の協力申し出は非常に心強く感じると同時に感謝しておりました。

     う……ここまで書いている間に「2ちゃんねる」に、こちらの原稿が遅れる理由が書いてあった。全体的に原稿の進み具合が遅くなった理由は、ううむ、ほとんどがピンポーンです。マンガを描いていて、あまりにも目が疲れるので、メガネ店で検眼してもらったら、老眼が進んでいて、結局、新しい老眼鏡を作ることになりました。そのおかげで細かい作業も少しラクになったのではありますが。『あらしA』の連載開始以来、あちこちから新作マンガの依頼を受けているのですが、これ以上マンガの仕事を増やすのは、仕事場やアシスタント確保の面や、体力的な面で無理なため、ごく短い一部のマンガを除いては、申しわけありませんが、お断りしています。

    09月09日(月) 活字月間に突入

     昨夜は午前3時までかかってパソコン関連の原稿10枚をアップ。今朝は9時に起床し、その原稿のチェック。眠い状態で書いていたせいか、少し論旨がグジャグジャ。ここを修正して終了し、すぐさま書評の原稿にかかる。すでに一度読んだ本の内容を読み返しながら構成を考え、一気に執筆開始。
     途中、母がお世話になっていたペインクリニックでの主治医の先生(女性)が、お花を持って母の霊前に線香をあげに来てくださる。まだ若い先生だが、非常に患者思いで、母も、この先生と巡り会えたことをとても喜んでいた。
     主治医の先生が帰宅後、再び書評の原稿に戻り、夕飯前にアップ。パソコンの原稿とともにメールで送信すると、両方とも即座に原稿受領の返事。内容も問題がなかったようでホッ。つづいて書き下ろし架空戦記小説に取りかかる。
     夕方、香港で発売中の『電子神童』第2巻が到着。売れているといいのだけれど……。

    09月10日(火) 再び資料読み

     短い原稿が終わったので書き下ろし架空戦記ノベルスの準備。新しく登場する航空機、兵器などの資料を持って喫茶店へ行き、データをノートパソコンに打ち込む。
     夕方、プールに出かけ水泳800メートル、ウォーキング500メートル。体重が800グラム減った。先週、骨の健康チェックを受けたところ、平均よりもわずかに数値が低かったため、水泳後に牛乳を1本。でも水泳で身体の水分が抜けているから200ccの牛乳では、まるで足りない。ファミレスに移動し、ここで水をおかわりしてゴクゴク。冷たいスパゲティを食べながら架空戦記の書き出しに取りかかる。
     序章を書き出したとたんに、ハタとキーを打つ手が止まる。年月日時刻地名を設定して物語に入るのだが、そこは緯度が高い場所。秋の彼岸頃の時刻(未明)の月や星の位置、空の明るさ(半白夜の可能性もある)が気になってしまったのだ。そこで地図ソフトで該当地域の緯度経度を調べ、これを元に天文ソフトで星座や地平線の明るさなどを調べる。このあたりのことは表現をぼかしたり誤魔化したりもできるのだが、不安を抱えながらの執筆は、文章に影響が出てくるものなので、調べられる範囲のことは調べるようにしているわけである。
     こんなことは調べられるが、戦場となる場所の情景などは実際には行けない土地。このあたりは、これまで読んできた歴史書、戦史、戦記、旅行ガイドブックなどの記述を参考にするしかない。
     とりあえず序章を書き終え、深夜に帰宅。


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