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  • 2002年06月上旬の日記

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    06月01日(土) 絵を買う

     午後、万歩計をつけて徒歩で喫茶店に出勤。目が疲れて痛くなるまで原稿を書き、休憩がわりに書店めぐり。古書店と新刊書店を1軒ずつまわったあと、バスで荻窪のBook-Offへ。『A-10奪還チーム出動せよ』という傑作冒険小説と、その続編を探しているのだが、我が家にあったはずなのに、どこかにしまい込まれて発見不能。新刊で買いたかったのだが、すでに絶版になっているようで、ネット書店でも取り寄せ不能になっている。
     ネットの古書店で見つけ、オーダーしたのだが、注文を受け付けてもらえたのかどうかの反応もない。しかたがないので、ちょっと本を買うには抵抗のあるBook-Offに出かけたのだが、目的の本は1冊100円で、すべて揃ってしまった。新刊でだって買ったのに、ちょっと寂しい限りではある。

     帰途、高円寺まで足を伸ばし、1月に原画展をやったノラやに立ち寄る。今日から個展の展示が変わっていて、しかも好みの絵が多い。仕事の景気をつけるために、えいっ、と1枚予約してしまう。

     その後、バスと西武新宿線を乗り継いで近所まで戻り、ファミリーレストランで冷麺を食べながらノートパソコンのバッテリーがなくなるまで原稿。こんどのノートパソコンはバッテリーが6時間も保つので、外でも仕事がたっぷりできるが、6時間も原稿を書くと、目の奥が痛い。徒歩で帰宅し、買ってきた本を読みながら寝る。

    06月02日(日) 喫茶店のハシゴ

     今日も午後から喫茶店めぐり。2軒目で仕事をしている途中で雷雨があった。午後10時過ぎに帰宅し、また原稿。テレビから流れるWGPのイタリアGPの音声を聞きながら、パソコンではCART第4戦ミルウォーキーのラップモニターをチェック。3位走行中だった中野信治はトラブルで、4位走行中だった高木虎之介は壁に接触して、それぞれリタイア。がっくりしながら原稿のつづき。WGPでは125ccとMoto-GPクラスで日本人が2位になったのに……。

     あれこれ事情があって原稿の進みが悪く、さすがに焦ってきた。ずっと原稿を書きつづけ、結局寝たのは午前8時。

    06月03日(月) 自宅で仕事

     外出している時間ももったいなくなってきたので、終日、自宅で仕事。気分転換のため、仕事部屋のデスクトップPCと居間のノートパソコンの両方で、原稿のつづきを書いていく。午後、編集者から催促の電話があり、ペコペコと謝る。

     プレッシャーに苛まれながら、さらに原稿。はあ……。

    06月04日(火) ワールドカップなんて嫌いだ

     昨夜は「時代劇専門チャンネル」で「忍びの者」をビデオ録画。本人は、先日、NHK BS-2で見たばかりなのだが、知り合いから見たいと頼まれたため。1962年製作のモノクロ映画だが、セットにもお金がかかっている様子がありあり。いまの邦画がダメになったのは、映画が娯楽の王道ではなくなり、その結果、予算がかけられなくなったせいでもあるんだろうなあ……。しかもこれは、いまのテレビ、マンガ、小説にも通じることだ。

     昼前に起き、デスクトップPCで原稿を書いた後、少し、うたた寝し、夕方からプール。ワールドカップのベルギー対日本戦の時間帯に行けばプールもガラガラに違いない……と思ったから。サッカーは嫌いではないのだが、FIFAという利権の塊の組織が嫌い。オリンピックのIOC、F1レースのFIA……みんなヨーロッパの利権機関で、いずれもテレビ放映権料でビッグビジネスになった。ただし、ドイツのキルヒが破綻したように、放映権ビジネスにも限界はある。もっとも、このあたりのスポーツ放映権ビジネスの基礎を築いたのは、日本の広告代理店らしいのだが……。

     泳いでいる間もプールのスピーカーからはベルギー・日本戦の実況中継。どうせ負けると思っていたので、泳ぐほうを優先したのだが、あれれ、いい試合をしてるじゃん……というわけで水泳を800メートルで切り上げ、急いでシャワーを浴びて着替え。スポーツクラブでは、ロビーにスクリーンを張り、プロジェクターでベルギー・日本戦を映している。スポーツドリンクを飲みながら最後の20分ほどを観戦したのだが、ファウルを取られて得点にはならなかったゴールのときには思わずガッツポーズ。FIFAは嫌いだけれどサッカーが嫌いなわけじゃないんです(笑)。Jリーグだって観戦しにいったことがあるし。

     サッカーが終わった後はファミレスに移動して、食事をしながらノートパソコンで原稿。帰途、安売りの酒屋に寄り、睡眠薬がわりの焼酎を購入。帰宅後は、JavaScriptのお勉強をした後、また原稿。

    06月05日(水) 一番会いたくない人に遭遇

     小説の原稿が追い込みモードだというのに、目が不調で進みが悪い。眼鏡を作り替えないとダメなのかも。もう7年前に作った眼鏡(老眼鏡)だからなあ……。
     家にいると電話がかかってきたり(最近、怪しげなセールス電話が多くて腹が立つ)、インターネットにつないだりで仕事にならないため、今日も喫茶店に逃亡。バスに乗って吉祥寺に出かけ、マクドナルドやら喫茶店やらをハシゴ。3軒目の喫茶店で目の奥が痛くなるまで原稿を書き、バッテリーも切れかかったので、ノートパソコンをしまってレジに向かったら、な、なんと、途中のテーブルに、いま書いている架空戦記の表紙&本文イラスト担当の青井邦夫さんが! 原稿が遅れて、す、す、すみません……とペコペコ。ついでに編集者抜きで表紙イラストの打ち合わせをしてしまう。それにしても、ああ焦った。
     帰宅後、また朝まで原稿。

    06月06日(木) 体調不良につきダウン

     原稿を書こうと午前中に起きたら、目の奥がズキズキ痛い。パソコンの画面も霞むため、こりゃダメだ……と布団に逆戻り。2時間ほど寝て再びパソコンに向かうが、やはり画面はボケボケ。ああ、能率が悪い……。半分ヤケになり、焼酎をあおって寝ることにする。

    06月07日(金) ヘビを見た!

     酔っぱらって寝たせいか今日は寝起きがスッキリ。自転車に乗って喫茶店へ出撃する途中、なんと、自宅の近所――それも東京23区内の端っこではあるが、電話番号だって03地域だってのに――の道の上をヘビが横断していくではないか。1メートルくらいのシマヘビだ。ブレーキをかけて停止すると、このヘビ、鎌首をもたげて威嚇してくる。捕まえようかどうしようかと考えたが、騒ぎになるのも恥ずかしい……と思っているうちにヘビは、目の前の家の門の下に潜り込み、庭に入っていった。家族の人が見つけたら騒ぎになるだろうが、見つからないで平和に過ごすことを祈ろう。

     ヘビを見ると、いいことがあるというが、喫茶店でも原稿が快調。バコバコとページが進む。途中、また眠気が差してきたので、フィットネスクラブに行ってプール。ちゃんと水着やゴーグルを持ち歩いているのが憎い(?)。最初は重かった身体が次第に軽くなり、どうも1500メートルくらい泳いでしまった感じ。それにプラスしてウォーキングが500メートル。水泳後に体重を計ったら、水泳前の1.6kg減。1メートルにつき1グラム体重が減るパターンが続いているので、もしかすると1600メートルくらい泳いだのかもしれない。

     プールから出た後、また喫茶店に出かけ、ノートパソコンをパコパコ。よし、この調子でいけば原稿のアップも近いぞ……と自分を励ます。

    06月08日(土) ビデオチャットの後カンヅメ

    Webカメラで撮影したチャットの様子。マイク付きレシーバーをつけると気分はモーニング娘。(うそ)
     睡眠3時間で午前11時に起床。昼前にニフティのK部長から電話があり、今日の午後に行なわれるビデオチャットのデモの打ち合わせとテスト。これはニフティで新しく始まったEyeballパティオLiteのデモへの参加を頼まれたもので、本番は、新宿のホテルに集まっている300人くらいの人が見ている画面に、こちらの顔が映ることになる。

     というわけで髭も剃ったし、顔も洗ったし、と準備を完了して午後4時過ぎから本番へ突入し、5分ほど新宿の会場と我が家の居間を結んでビデオチャット。こんなことをするとブロードバンドの時代を痛感するなあ。昔(15年くらい前)、ISDNの実験がスタートした頃のこと。64Kbpsの「テレビ電話」を見せてもらった際に、「昔の大相撲の分解写真ですね」と素直な感想を口にして、開発者の方々をギャフンとさせた実績があるが、あの頃、数十万円は必要だったテレビ電話が、数千円の設備投資で可能になってしまうんだから。はあ、世の中の進歩は早い。

     ブロードバンド時代になると、ますます映像と音声の時代になって、文章中心のホームページは次第に読まれなくなる……という主張をしていましたが、この考えに誤りはなかったように思います。

     で、ビデオチャット終了と同時に、カミサンにクルマで送ってもらって某ビジネスホテルへ。架空戦記の締切が切羽詰まってきたのに、なかなか原稿が進まず、自分の尻を叩くため、自主カンヅメすることにしたもの。いつも利用していた吉祥寺のホテルは、いまどき部屋の電話がモジュラージャックでなくて、インターネットに不便な環境だったため、仕事に専念するには最適の環境だったのだが、最近の改装工事でLANが使い放題に。しかも週末が満室だったため、あきらめて別のホテルにしたのだが、このホテル、室内の机が広くて仕事に便利。コンビニで食料を買い込み、部屋に籠もってひたすら原稿の後、深夜2時からフジテレビでF1カナダGPの予選をチラリと観戦。

    06月09日(日) 終日カンヅメで必死に原稿を書いているのに

     朝、階下のレストランでバイキングの朝食をとった後、コンビニで食料を買い込み、あとは部屋に籠もって原稿。食事はコンビニのオニギリにカップヌードル。

     夕方、携帯電話が鳴る。留守宅で電話番号を聞いて電話してきたのは雑誌の編集者。マンガの依頼だったが、書き下ろし小説で煮詰まっていることもあって、丁重にお断りする。マンガは『ゲームセンターあらしA』を描くのだけでも死にそうになっているので、これ以上、数を増やしたくないのがホンネ。アシスタントも含めたマンガの態勢が整っていれば、もう少しマンガの仕事も増やせるのだろうけど、とりあえず、いまのところは、1人でできる範囲だけにとどめておくのが、精神的にも肉体的にも無難なところだろう。

     夜もサッカーの日本対ロシア戦は見ないで仕事に専念する予定だったのに、試合開始時刻になると隣室から男性の怒声と拍手、そして壁を叩く音。興奮しながらテレビを見ているらしい。これがワールドカップでなければフロントに文句を言うところだが、おそらく今夜は、日本全国、無礼講だろう。てなわけで、こちらもテレビのスイッチを入れ、横目で画面を見ながら仕事。稲本が得点したところでは、隣室の男性と一緒に拍手。試合終了で、また拍手。今夜は、こんな連帯感が、日本中で湧き起こっているにちがいない。

     そのあとはテレビを消して午前2時まで、また原稿。2時からはF1カナダGPのライブを見ながら原稿……も、途中でベッドに横になったらバタングー。ハッと目が覚めたらミハエル・シューマッハーがチェッカーを受けていた。

    06月10日(月) カンヅメしても原稿終わらず

     午前7時に起床し、チェックアウトまで原稿。チェックアウトをすませたあと、ホテルのレストランでコーヒーを飲みながら、また原稿。昼ちかくになってタクシーで帰宅し、昼食をとったあとは自宅でヒタヒタと原稿。それでもまだ原稿は終わらない。なんと目鼻はついてきたけれど……。

     夜になって、マンガ関連の仕事のことで行き違いがあることが判明。その連絡で電話をかけたりメールを送ったり。ああ、今夜で小説を終わらせたかったのに、これでは朝までかかても終わりそうにない……(泣)。


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