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  • 2001年10月下旬の日記

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    10月21日 長岡へ取材

     明け方に寝たばかりなのに午前8時に起床。しかし眠気が取れず、もういちど午前10時まで寝る。それでも睡眠時間は3時間強。そのまま起きてカミサンとともにクルマで新潟県長岡市に取材に向かう。カミサンは写真撮影のアシスタント兼居眠り運転防止のナビゲーター。
     家を出たのが午前10時半。大泉ジャンクションから関越高速道路に乗る予定だったが、日曜日の買い物渋滞で道が混んでいたため、石神井公園から練馬インターに向かう。
     こちらは一般道路も空いていた上に、高速道路もガラガラ。眠気のため途中のサービスエリアで昼寝が必要かと思ったが、午後2時には長岡インターに到着してしまう。練馬インターで高速に乗ったのが午前11時くらい。240キロの距離を3時間(途中、食事休憩とトイレ休憩あり)だから、東名高速道路などに比べると実に速い。交通量も少ないため気疲れもしない。眠くなる前に着いてしまった感じ。
    山本五十六搭乗機部品 山本五十六軍装  長岡インターの料金所で長岡周辺の地図をもらい、この地図を見ながら、まずはJR長岡駅東口にある如是蔵博物館へ。新潟県初の私設博物館だそうだが、町の中をうろうろしながらようやく発見。駐車場があるのに気づかず、クルマを近くのダイエーの駐車場に置いて徒歩で向かうと、元は土蔵とおぼしき博物館の入口には鍵がかかっている。休館日は月曜日のはずなのに……と思いつつ扉を見ると、「御用の方はボタンを押してください」というプレートと押しボタンが。そのボタンを押すと、脇にある本宅らしき家の窓から初老の女性が顔を出し、「ちょっと、お待ちください」。その女性が鍵を持ってきて扉を開けてくれるのを待つ仕組みとなっている。
     目的は2階。ここには長岡出身の山本五十六海軍元帥に関する遺品が展示されている。
     戊辰戦争の際の激戦地でもあった長岡は、司馬遼太郎作の『峠』でも知られる河合継之介という英傑を生んだ地でもあり、明治になってからは、小泉首相が国会での演説で紹介した『米百俵』の舞台となった土地である。こんな幕末から明治にかけての事件と人々と、そして山本五十六を結ぶ線を確認するのが、今回の取材の目的。実際のところ、大半は出版物の資料で把握できているのだが、その舞台となった土地に出かけ、そこに流れる空気の臭いを嗅ぐだけでも、作品のリアリティは大きく変わるもの。それ以上に大事なのは、取材に出かけようという「やる気」……つまりモチベーション。とくに今回の取材は、架空戦記小説のモチーフ(発想)段階での確認作業であり、取材に出かけたことが作品の中に大きく反映されるわけではない。「わざわざ足を運んだ」という事実が大事なのである。
    左:小林虎三郎、右:河合継之助 ガトリング砲  次に訪れたのは長岡市東方の悠久山という山の上にある長岡市郷土史料館。ここでも戊辰戦争関連、山本五十六関連の展示物を見学し、展望室から長岡市街を眺める。

    一式陸攻の左主翼 一式陸攻と零戦のプラモ。後方は山本五十六司令長官が座っていた座席。  つづいて市内に戻り、地図を頼りに訪れたのは山本五十六記念館。山本五十六が戦死したとき搭乗していた一式陸攻の主翼なども展示されている。

     この日の最後は、山本五十六記念館から徒歩2分ほどの場所にある山本五十六記念公園。ここには山本五十六の胸像と移築された生家がある。すでに夕闇が迫っていたため胸像も暗くなってしまったが、なんとかデジカメで撮影し、本日の取材は終了。
    山本五十六胸像 「常在戦場」の額  クルマに乗ってインターネットで予約しておいたホテルを迷った末に探し当て、チェックインした後、駅の近くに出かけお土産の購入。ついでに居酒屋で食事することに。ホテルをインターネットで予約したおかげで割引料金で泊まれたため、その差額を食事に注ぎ込むことにする。タラバガニ、ホタテ、イカサシ、生牡蠣、寿司……etc.を注文。さらに生ビール2杯を飲み、せっかく新潟に来たんだからと地元の銘酒のうち「雪中梅」を一杯あおったら、睡眠不足と長距離運転の疲れが重なり地球がグルグルグル。
     ホテルに戻ったとたん風呂も入らずにダウンし、目が覚めたら深夜。ああ、フォーミュラ・ニッポンの録画中継を見なくては……と必死に眠気をこらえようとしていたら、フジテレビのニュースで結果が伝えられる。あじゃ、これじゃレースは見なくてもいいや……と毛布をかぶったとたん、また意識不明。自宅を離れるとよく寝られるのは、自宅が仕事場の延長で、いつも神経が張りつめているせいらしい。

    10月22日 只見へ取材

     午前8時には目が覚め、ホテルのレストランでしっかりバイキングの朝食。洋食はベーコンやらオムレツやらとコレステロールの塊のようなメニューばかり。ヘルシーな和食にするが、東京を離れると食欲が増し、朝から食事もしっかり。
    米百俵の群像
     ホテルをチェックアウトした後は、とかく話題の『米百俵の群像』のモニュメント見学に。1991年、あの「ふるさと創生資金」でつくられたものだとか。

     午前11時、長岡市をあとにして、東方の栃尾市から山の中を抜け、田子倉ダムを経由して福島県の只見へ。めざすは河合継之助記念館。北越戊辰戦争で負傷し、会津に向かって敗走していた河合継之助臨終の地に建てられた記念館で、ここにもガトリング砲のレプリカがある。昭和13年、この地に河合継之助の記念碑の建設が決まったとき、海軍中将だった山本五十六も、資金集めに奔走したらしい。山本五十六が河合継之助に対する考えを述べた手記が掲載された当時の新聞コピーも展示されていた。戊辰戦争と太平洋戦争、河合継之助と山本五十六のイメージを重ね合わせた架空戦記小説を書きたいと考えていたので、この手記を読めただけでも収穫。やはり足を運んでみるものである。

     ここから東京に戻るには、山道を100キロ以上走って東北高速道路の西那須野・塩原インターに出るか、60キロほど離れた磐越自動車道・会津坂下インターから同道路〜東北自動車道・郡山ジャンクションを経由するか、今朝来た道を戻って新潟県小出に出て、そこから関越自動車道に乗るか……。しばし地図を見ながら考えるが、どうやら小出経由が最短距離のような感じ。そこで来た道を戻り、田子倉ダムの展望レストランで遅い昼食をとった後、山道を小出まで突っ走る。途中、工事、工事の連続で、60キロの距離を1時間半ほどかけて走り、関越に乗ったのは午後4時過ぎ。練馬インターまでは、ちょうど200キロ。しかし天気が崩れていて関越トンネルを抜けると土砂降りの雨。伊香保インターまでは時速50キロ、その先は時速80キロに速度制限されている。でも、そんなスピードで走ったら追突されるのは間違いなしのハイスピードで、どのクルマも走っている。
     新座の料金所までは順調だったが、その先は練馬インター出口まで渋滞。それでも午後7時半には我が家に帰着。食事をして風呂に入り、ビールを飲んだら、またも頭クラクラ。おやすみなさい。

    10月23日 疲れ抜けず

     取材疲れで外出する気力もなし。まだ頭がクラクラしている。寝不足のうえに長距離ドライブしたのがこたえているらしい。

     うだうだと資料本など読んでいると角川春樹事務所から『世界一周クルーズ殺人事件』(木谷恭介/1,600円+税)というハードカバーのミステリーが届く。木谷氏のミステリーは、たまに読ませていただいていたが、面識もなく、メールを交換したようなこともない。献本の発送作業の手違いか何かだろうか、実に謎である。
     そういえば数年前、海外を舞台にしたトラベルミステリーの構想を得て、F1ベルギーGPの取材に出かけた際に、F1ツアー参加者と別れて1人でパリからロンドンまでユーロスターに乗ったことがある。で、そのプロットを某社の編集者に話したら、「トラベルミステリーを読む読者は、テレビ東京のグルメ&旅行番組で紹介されるような中高年の女性が中心で、海外旅行には興味もなければ予算もない人たちがほとんどだ。海外を舞台にしてもいいが、国内で起きた事件を結びつけないとダメですよ。たとえば『ユーロスター/成田エキスプレス 殺意の連鎖』みたいなね」と言われたことを思い出す。創造した名探偵が読者に受け容れられれば(つまり売れさえすれば)、海外を舞台にしたトラベルミステリーでも出版されるということなのだろうなあ……。

    10月24日 打ち合わせ、のち、水泳

     夕方、駅前の喫茶店で某エージェンシーの方と打ち合わせ。広告関連の仕事の依頼を受けていたのだが、製品についてチェックした結果、ちょっと当方とは合わないことが判明したため、丁重にお断りすることになった。先方も理解してくれたので、ホッ。

     その後、書店と古書店をまわり、あれこれ資料になりそうな本を購入して別の喫茶店に。ここでノートパソコンを開いて架空戦記のプロット作り。バッテリーが残り少なくなったところで作業を切りあげフィットネスクラブへ。水泳800メートル、ウォーキング500メートルでヘトヘト。泳ぐとき意識して力を入れるようにしたためだ。そのせいか水泳後の体重は、水泳前に比べると800グラム減。でも水を飲めば、すぐに戻ってしまうんだろうなあ……。

     帰宅後、資料読み&プロット作り。「WZエディター」のアウトライン機能を使い、資料からプロットまでを1つのファイルにまとめていく。

    10月25日 体脂肪計を買う

     今日は午前中に起床し、資料の打ち込み。ノートパソコンを開くだけで必要な資料が閲覧できるようにするため。コツコツと資料作りに励む。

     夕方、新聞の折り込みチラシに安いコーヒーメーカーの広告が出ていたのを発見し、クルマで新座のディスカウントショップへ買い出しに出かける。ついでに別のディスカウントショップで安売りの体脂肪計つき体重計を購入。帰宅後すぐにテストすると体脂肪率は20.5パーセント。

     男性の体脂肪率は年齢に関係なく、20パーセント以上が軽度肥満になるらしい。まあまあの数字のように思えるが、BMI指数でチェックすると、まだ体重が7kgオーバー。うーん……。ウォーキングや水泳、そしてダンベル体操に励んでいるのだが、なかなか効果が上がらない。体脂肪計の数字を見て、これを励みにすることにしよう。

    10月26日 BMI測定プログラム

    bmi_calcアイコン  昨日、体脂肪計付き体重計を買ってきたせいで、標準体重を求めるBMIという指数を使った計算式をExcelに打ち込んだりしていたのだが、今日になって、ふとBASICで専用プログラムを作ることを思い立ち、朝からシコシコ。仕事は忙しいはずなのに……。

     で、せっかくプログラムも完成したし、専用のアイコンまで作ってしまったし……というわけで公開しちゃいましたので、右のアイコンをクリックしてください。

     その後は某社の企画書作り。資料を確認しながらのため思ったよりも時間がかかり、できあがったのは深夜。これをメールで送り、つづいて小説のプロット。

    10月27日 ただただ仕事

     ひたすらノートパソコンに向かい小説のプロット作り。3巻分のプロットをまとめて作っている上に、必要な資料をすべてノートパソコンで見られるようにしているため、どうしても時間がかかってしまうのだ。このところプロット作りに時間をかけていないため、本番原稿で時間がかかる傾向が強かった。デビュー直後、本番原稿にかかる時間が短かったのは、プロットがカッチリできていたからだ。反省しつつプロット作り。

     Webで集められる資料はハードディスクにダウンロードし、オフラインの状態でも参照できるようにする。その中でも頻繁に参考にしそうなものは、テキストファイルにしてエディターから参照できるようになっている。本番原稿になると、喫茶店やファミレスを渡り歩いての執筆が多くなるので、こんな準備が必要なのだ。

     夕方、一段落ついたので、別の資料を探しに吉祥寺へ。書店、古書店を回った後、高円寺にまわって寝酒。この数日、睡眠不足がつづいているせいで、ちょっと飲んだだけで眠くなる。なんとか帰宅し、風呂にも入らずグ〜。

    10月28日 プロットの煮詰め

     久しぶりにグッスリ寝られたせいか、スッキリと目覚め。すぐに原稿にとりかかったが……今日はCARTレースがあったのを思い出す。それも時差が1時間しかないオーストラリアのゴールドコーストだ。アメリカの放送時間が優先されるのでナマ放送でないこともあるのだが、念のためSports−i・ESPNでチェックすると、おおライブではないか。というわけでゴールドコーストのレースをライブで観戦。レース内容は、大荒れだった昨年と違い、クラッシュするマシンもほとんどなく、淡々とした展開。ジル・ド・フェランは、ケニー・ブラックの前でフィニッシュすればチャンピオン確定とあってか、まるでプッシュせず、コンサバティブな走りで4位を確保。5位のブラックの前ということでチャンピオンに決定した。優勝はクリスチアーノ・ダ・マッタ。中野信治が12位。でも面白くないレースだったなあ。怪我人が出るクラッシュは困るけれど、やはりCARTは抜きつ抜かれつがなければ。F1じゃないんだから。

     放送終了と同時に仕事に復帰し、あとはキーを叩きつづける。ノートパソコンを新しくしたら消えていたキーボードダコが、また復活してきそうな気配。

    10月29日 今日もただ仕事

     今日もノートパソコンに向かってキーを打つのみ。当分、目新しいことはなさそうだ。年末に向けて仕事のスケジュールも詰まってきたため、引き籠もりの日々がつづく。とはいえ、これでは身体に悪いので、夜遅くなってから40分ほどウォーキング。帰宅後に体脂肪を測ると19.5パーセント。20パーセントを切ったのは初めてだ。しかし、この数値も1日の命だった。

    10月30日 小説のプロット終わる

     マンガの仕事の締切が迫っていてヒイコラと下絵を描くが、久々にマンガを描くと、人物のバランスが取れなくて、指定されたサイズに入らない。しかたがないので拡大率を上げ、ペン入れした絵をスキャナーで取り込む。そんな作業をしていたら目の奥が痛くなってきて一休み。

     かわりに滞っていた架空戦記のプロットを追い込み、明け方に完了。架空戦記も同じようなものばかり書いているので、変化をつけるのが大変。

    10月31日 マンガの色塗り

     午後、起床と同時にデスクトップパソコンに向かい、昨日、スキャンしてあったマンガにPhotoShopで色をつける。レイヤーの使い方に悩んでしまい、学校から帰ってきた娘にSOS。レイヤーとマスクを設定してもらい、ようやく完成できた。レイヤーなんて上等なものがない時代のPhotoShopの知識しかないので、こういう高等技術にはウトくなっています。

     とりあえずできたマンガ(イラスト)のJPEG圧縮版を見本としてメールで送信し、本番のレイヤーつきPhotoShopファイルはMOに保存。ファイルのサイズが大きすぎてメールで送るのは面倒なため、バイク便に取りに来てもらうことになったからである。

     MOの手配をすませておいて少し息抜きができそうなのでフィットネスクラブに出かけて水泳。800メートル+ウォーキング500メートル。途中で「ヴァームウォーター」という脂肪燃焼ドリンクを飲んだら、水泳前後の体重の増減はなし。76.64キログラムと10グラムの単位まで同じだった。

     このボトルに印刷された説明文をを読んでいたら、スズメバチがなんたら……と書いてある。あとでヴァームのサイトで調べたら、スズメバチの幼虫が摂取するのと同じアミノ酸の組み合わせが配合されているとかなんとか……。このヴァーム、マラソンの高橋尚子選手がテレビCMに出ていて、マラソンのときのスペシャルドリンクにも、このヴァームを使っているらしい。先日、ベルリン・マラソンで世界新を出したとき、アメリカの新聞でドーピング疑惑に関する記事が掲載され、「スズメバチから抽出した成分」とか何とか書かれていたらしい。この記事、ヴァームの効能書きを読んで何か勘違いしたのかなあ。こちらが飲んだのは高橋尚子選手が飲んでいる「ヴァーム190」(190g缶入り1本250円)ではなく、「ヴァームウォーター500」(500mlペットボトル入り1本150円)だったので、どれだけ脂肪燃焼に効果があったかはわからないが……。

     帰宅すると留守中にバイク便がMOを取りにきたとのこと。安心してビールを飲み、そそくさと寝てしまう。この数日、仕事がいくつも重なって寝られなかったんです。


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