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  • 2001年08月中旬の日記

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    08月11日 ドンブリじゃなくて『ドリヴン』

     午前中に起きて、このところ連日の恒例となっている世界陸上とマリナーズ戦のチャンネル・サーフィンをしながら原稿。為末の銅メダルには、つい声を出してしまい、拍手、拍手。
     夕方、吉祥寺までドリヴンの先行オールナイトを観に出かけるが、吉祥寺は、午後10時30分が初回。これでは遅すぎるので新宿に出て新宿ピカデリー3で午後7時30分からの初回を観る。1時間前から階段に列ができているので、こりゃヤバいと、ハンバーガーであわただしく夕食をすませ、紀伊國屋書店に飛び込んで、列に並んでいる間に読むつもりの文庫を物色。選んだのは先日亡くなられた山田風太郎氏の『甲賀忍法帖』。中学生の頃に読んだはずで、当時は「少年サンデー」連載の『伊賀の影丸』のパクリだと思っていたが、どうやらこれは反対だったようだ。同年代の唐沢俊一氏も、同じようなことを書いていたのを読んだことがある。
    『甲賀忍法帖』を読みつつ列に並んでいたが、並んでいた人の数は、いっこうに増える様子がなく、結局、中に入ってもガラガラ。日本でレース映画が受けた試しがないからなあ(遠い昔の『グランプリ』や『栄光のルマン』は除く)。
     予告編で観た限りでも、CGを使った派手だが重量感のないクラッシュシーンばかりが印象に残って、さほど期待していたわけではなかったが、なんだ、おい、面白いじゃないか! ストーリーは、まるで日本のレースマンガからいただいたような内容だ(フォーミュラカーが公道を走るシーンといえば、古いレースファンなら、きっと村上もとか氏の『赤いペガサス』を思い出すにちがいない)。
    「公道レースに向かう2台のチャンプカーは、どうやってエンジンを始動したんだ? セルモーターでもついてるのか?」とか、「メタノールのはずのチャンプカーの燃料が、いつのまにガソリンになったんだ?」とか、「ツインリンクもてぎのスタンドから、どうしてビル街が霞んで見えるんだ?」「ツインリンクもてぎのレースの合間に、東京で夜遊びができるのかよ?」といった突っ込みどころは一杯あるのだが、この映画は、そんなことは抜きに、目まぐるしいアイマックスのような映像と、耳をつんざくような大音響のサウンドに身をゆだね、シンプルきわまりないストーリーを楽しめばいい。レーシングドライバーは、ライバルもいい奴ばかりで、悪人がいないのもいい。理解し、尊重しあえるライバルというのは、スポーツものでは必須の条件だ。公道でのレースシーンなんて、もうおかしくて頬がゆるみっぱなし。架空のドイツのレースや、なぜかシーズン最後になっているデトロイトでのクライマックスなんて、もうマンガもいいところだが、これはハリウッド映画のお約束。そもそも『ロッキー』のレース版なんだから、理屈抜きで楽しめばいい。見終わった後、アドレナリン全開で気分も高揚、久々に幸福感を味わうことができた。おかげで劇場から出た後しばらくは、頬の筋肉がゆるみっぱなしだった。娯楽映画はこれでなくちゃ! 『A.I.』よりもずっと面白かったぞ。
     ところで、この映画の中でチームオーナーに扮しているのがバート・レイノルズだが、プログラムには、『キャノンボール』や『トランザム7000』などに出演し、NASCARチームのオーナーだったことも書かれているが、何かひとつ出演作を忘れてませんか? ストローカーエースというストックカーレースの映画に主演し、ニワトリの着ぐるみを着ていたのもバート・レイノルズだったはずだぞ。

    08月12日 女子マラソンに燃える

     明日から出かけないといけないので、今日のうちにできるだけ原稿を書き進めようとマジメにノートパソコンに向かうも、夜は、世界陸上の女子マラソンで仕事は中止。土佐は2位だったけど万年2位のシモンが優勝したのだから許す。
     マラソンの途中からスポーツi・ESPNではCART第13戦ミドオハイオがスタート。しかし、映画『ドリヴン』を見た後では、本物のレースもちょっと影が薄くなりそう。
     女子マラソンの中継終了後、CARTレースに専念するが、無理に抜こうとするとクラッシュしそうなコースで、あまり面白みもなし。CARTも岐路に立ってるぞ。

    08月13日 これが「富士宮やきそば」だ!

    富士宮やきそば
     お盆参りのためカミサンとクルマで郷里へ。とりあえず先発していた母と共に、富士宮の親戚の家に泊めてもらうが、すでに土産用の「富士宮の焼きそば」が待機。記念撮影したのが右の写真。画面右上にあるのが富士宮の焼きそばに必需品の「肉カス」。これは牛の背脂で、ラードを取った残りカス。この歯ごたえが独特の食感を生む。左の焼きそばが有名な「マルモ」の蒸し麺。右下は精肉店で売られていた「富士宮やきそば」のセット。蒸し麺、肉カス、ソースのパックで、あとはキャベツとイワシのダシ粉、紅ショウガなどがあればいい。すっかり全国的に有名になった富士宮の焼きそばを求めに遠方から来る人たちのために、このようなパックが発売になったらしい。
     夕食にも焼きそばを作ってもらい、満足、満腹。

     ■富士宮やきそばのサイトを紹介した朝日新聞のコラム
     ■富士宮やきそば学会ホームページ

    08月14日 渋滞、渋滞、また渋滞

     朝早くから清水市の山奥にある母の実家に移動。昨年の暮れに死んだ叔父の新盆で、母の実家は大忙し。従兄弟たちと一緒に朝からビールを飲み、午後、酔いを冷ましてから帰京。ところが東名高速は、あちこちで大渋滞。行きは2時間半だった所要時間が帰りは5時間。ふう……疲れた。

    08月15日 焼きそばで昼食

     田舎で大量に焼きそばを仕込んできたので、さっそく起き抜けの昼食に焼きそば。久しぶりに自分で焼いてカミサンにふるまう。
     母親の部屋のテレビが壊れたため、ヤマダ電機に買い出し。古いテレビを持参し、家電リサイクル法にのっとって2700円で引き取ってもらう。新しく購入したのは新聞のチラシ広告に出ていた15インチのフラット画面。さっそく戻ってセットしたが、画面の映りが悪い。どうもアンテナフィーダーに問題があるらしい。よく見ると3C2Vの同軸フィーダーの途中につないだ跡が。どうやら長さが足りなくて継ぎ足したらしい。この部分を剥き出して再接続したが、あまり効果がないので、クルマでマツモト電機に出かけ、3C2Vのコードを買ってくる。こちらを使ったら画面がクリアになった。

    08月16日 『パールハーバー』を観る

     起き抜けの昼食は、またもや富士宮やきそば。しばし、うたた寝した後、バスで吉祥寺に出かけ、『パールハーバー』を観る。ああ、下馬評どおり、日本側の考証は、いい加減もいいところで苦笑せざるを得ない。『トラトラトラ』のような考証にのっとった戦史映画を作るつもりは毛頭なく、企画の元は『タイタニック』あたりではなかろうか。恋人たちの運命を大きく変える厄災(タイタニック号に激突した氷山)が日本海軍というわけだ。
     ドーリットル中佐が開戦前から現役復帰して戦闘機隊の司令官になっていたり、ドーリットル中佐の持つトロフィーについての説明がなかったり(アメリカ人にとっては、ドーリットル中佐が、数々のエアレースに参加して優勝したり、北米大陸横断飛行の新記録を作ったり、オートジャイロを使った計器飛行によって離着陸した世界初のパイロット……といったことは当たり前なんだろうか?)、気になる点は多々あれど、とくに戦史や戦記に興味のない人にとってはどうでもいいことなんだろうなあ。
     それにしても日本側の考証については、いい加減もいいところ。実際に飛行する零戦が、復元した機体を使っているため52型や22型という後期型だったため、これに合わせて日本海軍機の中で零戦のみが暗緑色に塗られていた(開戦当時の零戦は灰色)といったことは、しかたないにしても、日本海軍の機動部隊は密集隊形で航行してるし、九七式艦攻の魚雷の積み方は変だし、浅深度魚雷の安定板もおかしいし、日本海軍首脳は子供たちが遊んでいるところで会議をしちゃうし、いつ女体盛りが始まったり、チャイニーズ風のドラの音が鳴り出したりするんじゃないかとハラハラしちまった。
     でも、最近のSFXを主体にしたハリウッド映画って、派手な映像と大音響で観客を驚かせることばかり考えていて、ドラマが希薄になっちまってるんだけど、『パール・ハーバー』も、その例に漏れず。それにしてもディズニーが、こんなアナクロ的な国威発揚映画を作っていいのだろうか? このところ観た戦争映画では、やはり『スターリングラード』がピカイチだな。
     しかし、ルーズベルト大統領役がジョン・ボイトだったとは。このメイクは凄いですね。ちょっとやりすぎなシーンもありましたが。

    08月17日 ゴロゴロゴロ……

     明け方に寝たのに睡眠数時間で起きてしまう。眠気を我慢して仕事するも能率悪し。夜になって居眠りした後、テレビで『ジュラシック・パーク』鑑賞。

    08月18日 ダイエットに励む

     午前中に起き、シコシコと原稿を書いた後、夕方からフィットネスクラブへ。エアロバイクを50分間やった後、プールで水泳400メートル×2本の間に水中ウォーキング500メートル。F1ハンガリーGPの予選があったのも忘れていた。帰宅後、再びパソコンに向かって仕事。

    08月19日 『鋼鉄の騎士』

     先日、新宿で購入した『鋼鉄の騎士』(藤田宜永/新潮文庫/上下巻)を保谷の喫茶店と西武池袋線の車内で読了。ドカ弁のように重くて厚かったハードカバー版も読んでいたのだが、いま書いている作品と同時代のレースを扱っている小説ということで、直木賞受賞祝いも兼ねて(?)再読したもの。仕事の合間に読んでいたので10日間ほどかかってしまったけど、再読でも面白かった。読了直後、大泉学園の書店に出かけると、直木賞受賞を祝って(?)『鋼鉄の騎士』の文庫版が平積みになっていた。でも上巻は3刷りだが下巻は初版。この厚さにめげて、上下巻を通して読んでいる人は少ないのかなあ。日本推理作家協会賞も受賞した傑作冒険小説なのに。
     大泉学園の喫茶店で原稿を書いた後、自宅まで徒歩で帰宅。1駅分の切符代を節約して所要時間25分、歩数3000歩。家に着いたときは背中が汗ぐっしょり。帰宅後はフジテレビ721でF1ハンガリーGPをライブ観戦。ここのレースは、スタートで決まってしまうからなあ……。

    08月20日 なんとかしてくれCARTレース

     昨日というより今日の未明か。午前2時からスポーツi・ESPNでCARTのロードアメリカ戦をライブで見るつもりだったら、雨のためにスタートが遅れ、さらにコースに雨水が残っているせいで、スピンとクラッシュが連続。レースは赤旗中断となり、コース脇に溝を作ってコース上を横断している水の流れを変える工事がはじまる。ようやくレースが再開したのは午前4時。本当ならゴールしている時間なのに……と思いつつ、眠気に負けて寝る。最近、CARTもF1化してきて、コース幅のメチャクチャ広いクリーブランドや、ハンドフォード・デバイス&大型ウイングを使う高速オーバル以外では、思いきったパッシングシーンも見られなくなっている。ロードコースでは、無理に抜こうとするとすぐに接触で、つまらないったらありゃしない。虎之介もスピンで終わり、レース再開時に5位につけていた中野も、ずるずると順位を落とすばかり。せめて中野が6位以内くらいで踏ん張っていてくれたら、眠気も我慢したのに……。ああ、レース内容は『ドリヴン』の方がよっぽど面白いぜ。
     というわけで寝てしまった直後にクラッシュがあって、メモ・ギドリーが負傷したらしい。優勝はメモのチームメイトのジュンケイラ。


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