『マンガでわかる小説入門』絶賛発売中!
『小説でわかるマンガ入門』……もとい『マンガでわかる小説入門』が、10月14日に配本となり、15日くらいから書店の店頭に並びはじめました。
大手書店中心の配本と思われますので、お近くの書店で見あたらない方は、Amazonやbk1などのオンライン書店をご利用ください。
すがやみつるのWebサイトに特集ページも作成しました。
……本書をご紹介いただているサイト・ブログの一覧もあります。
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コメント
すがや先生
鈴木輝一郎さんのページでも「超収穫!」と最大級の賛辞をしておられました。
http://www3.famille.ne.jp/~kiichiro/
10月14日の日記です。
私も注文をしました。
投稿者: 宮谷ファンサイト管理人 | 2005年10月17日 00:33
>宮谷ファンサイト管理人さん
ご注文、ありがとうございました。
この本の企画(マンガによる小説入門書)を立てたのはフリーの編集者でしたが、誰に依頼しようかと相談した相手の一人が鈴木輝一郎さんでした。鈴木さんは、即座にボクの名前を出してくれたのだそうで、ほかのルートからも、やはりボクの名前が出たことから、最終的にこちらに依頼がきたものです。
小説とマンガの両方を手がける人は数が少ないうえに、マンガによるハウツー書をたくさん手がけているマンガ家兼小説家というと、ボクくらいしかおりません。また、以前に小学館文庫から『作家・ライター志望者のための電脳文章作法』なんて本を出していたこともあり、すんなり引き受けてしまったというわけです。
この本では、とりわけ「視点」の解説にページを割いていますが、この「視点」の説明をするのに、マンガが実に都合がいいんですね。文章だけで説明するよりも、ビジュアルが混じった方がわかりやすいワケです。
ほかに、これはたぶん推薦してくれた鈴木輝一郎さんたちも想定外だったと思うのですが、出版社があまり触れられたくない現在の出版事情や、売れなかった本の末路などについても紹介しています。いまは、この本でも説明しているのですが、新人がデビューしやすい状況になっています。デビューしただけで、あるいは2~3冊の本を出したくらいで「プロ」だと胸を張ったりする人も多いのですが、そんな人を見ると、業界の真実をご存じないようで胸が痛みます。
そんな人にも「現実」を知ってほしいな……という思いを込めて構成した本です。マンガで描かれているからといって、ふざけた内容ではなく(マンガなのでデフォルメやギャグは随所にありますが)、全体の内容は、きわめて真面目なものです。
輝一郎さんも、本の現物を見るまでは、「小説家の集まるパーティーに出かけると、石を投げられますよ」なんて冗談を言っていたのですが、実際に読んだあとは、評価を変えてくださったのではないかと思います。
小説家としては、いま「菅谷充」の名前になってから50冊目(小説としては49冊目)の本を書いているところですが、採算が取れる程度には売れていないと、これだけ続くことはなかったはずです。それでも書いているジャンル、部数、知名度などの関係から、小説に関しては、いつまでたってもヒヨッコ状態です。そんなことも自覚したうえで書いた小説入門書ですので、きわめてベーシックでまっとうなことしか書いておりません。それでもマンガという媒体を使っているせいで、かなり「わかりやすい」内容にはなっているはずだと、そのあたりだけは自負しています。
やっぱり入門書系の仕事が向いているのかなあ……と思ったりもしているところです。そして、そのスタートは、やはり『こんにちはマイコン』でした。
投稿者: すがやみつる | 2005年10月17日 01:38
文学・小説というと、どうしても余韻とか行間とか
あいまいな部分の話しになりかねませんよね。
でも今回の本は、すがやさんの狙い通りに書かれて
いました。
たしかに視点~なかなか力が入っていて、ぼくも
過去に書いた短篇なんか、このミスをやらかして
いないか…ヒヤリとしました。
そう、マンガに関係が深いですし、これが新人や
マンガ・コースの生徒が出来ていないところです。
新人デビューがしやすいが、2~3年で消えるのも
最近の女生徒デビュー・マンガ家の現実のようです。
そうした情報も加えた、それこそ<ユニークな視点>
で書かれた入門書ですね。
投稿者: 長谷邦夫 | 2005年10月17日 17:49
>長谷先生
コメントをありがとうございました。
小説の「視点」について最初に学んだのは、双葉社の「小説推理」誌に、もう30年以上もの長きにわたって連載されている佐野洋氏の『推理日記』というミステリーに関するエッセイにおいてでした。おそらく現役のミステリー作家の中にも『推理日記』で「視点」について学んだ人が多いのではないかと思います。
『推理日記』をずっと読んでいたせいで、映画やテレビ、マンガの「視点」についても注意して見るようになり、マンガを描くうえでもとても役立ちました。もちろん「視点の決まりを無視する」場合も含めてです。
『マンガでわかる小説入門』は、出版社が、あまりおおっぴらにしたくないことも書かれているのが特徴かと思います。プロをめざす人は、自分が禄をはむ業界について、もう少し冷静な目でみてもいいように思いますね。芸能界と同じで、華やかなところばかり見える傾向も強いので。
それはさておき、ご感想、本当にありがとうございました。
投稿者: すがやみつる | 2005年10月17日 18:09